2014.02.26

スペインフットサル1部リーグでプレーする佐藤亮「世界の舞台で活躍するために」

佐藤亮

 Fリーグのシュライカー大阪から、スペインフットサル1部リーグ・Umacon Zaragoza(ウマコンサラゴサ)へ移籍した佐藤亮(さとう とおる)。スペインに渡って5カ月。カップ戦も含め22試合でプレーし、2得点。ヨーロッパ選手権開催によるリーグ中断期間に一時帰国した佐藤に話を聞いた。

スペインで克服した3つの壁

「充実してますよ。刺激だらけで。ただ、もうちょっと結果が欲しいですね」 開口一番に発せられたのは、満足ともこれからともとれる言葉だった。「日本人プレイヤーとして、スペインでプレーをして思うのは、やっぱり、海外でプレーする壁がまずあって、それを乗り越えてからが、ようやくスタート地点なのかな、と。僕自身、ようやくそのスタートが切れたんじゃないかな、というところですね」

 海外でプレーする壁。それは大きく3つあり、言葉の壁、そして文化・考え方の違い。そして、最後に審判のジャッジの違いである。

「例えば、レッドカードの基準が違います。僕自身、リーグ戦20試合で8枚イエローカードをもらっていますが、累積での出場停止って多分ないと思います。失点のピンチでどうしようもない時は、抱きついてでも止めるのが鉄則。日本だと一発退場だと思うのですが、スペインだとイエローで、止めて当たり前のプレーなんですよ。あと、同じ意味合いでフィジカルコンタクトが非常に激しいですね。日本ではイエローカードを出されるんじゃないかな、と思うようなハードなプレーが普通で、腕の使い方だったり、ブロックの仕方だったり。結果的にプレーの強度が当たり前に求められるので、とにかく最初の頃は、『こんなところまで』というくらい体中にあざができて、2時間の練習だけでヘトヘトになってましたね」

衝撃的なスペインフットサル

 スペインでのプレーは、3つの壁の克服にも時間がかかったが、プレーでも衝撃を受けた。第二節Inter Movistar(インテル)戦。インテルは、個人技に秀でた2012-2013シーズン王者Barcelona(バルセロナ)と並び、チームとして成熟したスペインのフットサルを体現するようなチーム。

「何もできなかったんですよね。ホント衝撃的でした。こんなに何もできずに決められたことって今までになくって。体を当てることすらできなかったんですよ。一人一人の技術はもちろん、判断が早く、なおかつその判断を間違うことがほとんどないので、ずっとボールを回されている感じでした。昨年まで名古屋オーシャンズでプレーしていたリカルジーニョのプレースタイルが日本でプレーしていた頃と全く違っていて、本当にシンプルにプレーしていたことも印象的でした」

 スペインに渡って1カ月余り。佐藤はブラジルで開催されるグランプリフットサル2013の日本代表メンバーに召集された。

「1勝もできず最下位で大会を終え、本当に悔しい思いをしました。ただ自分の中では以前に代表でプレーした頃と比べて少し余裕を持ってプレーすることができました。練習でもカオル君(森岡薫選手/名古屋オーシャンズ)に『当たりが強くなった』と言われて。体の当て方やボールを持っている相手との距離感はスペインに来てから意識してきた部分。スペインでプレーして1カ月。代表のメンバーと過ごすことで、少しでも自分の成長を感じることができたことはプラスになりました」

点の取れるフィクソ を目指して

「スペインに来て3カ月が経過した頃、チームの戦術がフィットしてきたし、それに合っている自分を感じることができたんです。得点に関わるプレーにこだわりたいと思い始めたのもこの時期ですね。チームメイトで同じフィクソのポジションにレタマールというベテラン選手がいるんですが、ピヴォと変わらないくらい点を取るんですよ。彼を見ていてもそうだし、スペイン代表のフィクソであるオルティスを見ても、守りはしっかりしていて、かつ点も取る。後ろの選手でもやっぱり得点が評価されるというのが改めて分かりましたし、それがスペインフットサルの強さでもあるのかな、と。身近にレタマールのような選手がいることで本当に勉強になるし、ポジションに関係なく得点の取れる選手を目指したいなと思うようになりました」

 スペインに来てから、佐藤選手が大事にしているのが、ボールのないところでの駆け引きだ。

「ボールをもらう前に相手選手との駆け引きに勝つことで、スペースができて、いい状態でボールを受けられる。(日本)代表で練習もするし、そういった意味では日本にいる頃からある程度意識してプレーはしていましたけど、スペインの選手はそれが感覚的にできていると感じますね。いい動きをすると、そのタイミングでボールが出てくるし、ゴールに直結する動きに繋がる。そしてもう一つがシュート精度。練習では、キーパーが指した4方向にシュートを打つ練習があります。コースを狙ってシュートを打つという意識を持った練習ですね。チームでも得点を多く取っている選手ほど、この単純なシュート練習の精度が高いんです。僕自身、以前に比べて前に出る意識が高くなってきたのと、ボールを受ける前の駆け引きを意識することでチャンスには絡めるようになってきました。あとはシュートの精度を高めることで得点に繋がるのかなと思っています」

 チームメイトから日本人選手の評価を聞くと、『技術的には上手いけど戦えない』という見方が多い。その烙印を押されるのではなく、力強く、ずるいプレーも身につけ、スペインで戦う決意を決めた佐藤選手。

「まだまだトップチームとの差は感じますが、リーグ再開後もプレーオフ進出を目指して戦っていきたいと思います。個人としては、今感じている課題に対して取り組み、しっかりと結果を残して、まずはこのチームに必要不可欠な選手と言われるまでになりたい。そして、日本代表として世界の舞台で活躍するという大きな目標に向けて、取り組み続けたいと思っています」

取材=hummel(ヒュンメル)

プロフィール|佐藤 亮(Toru SATO)
1985年8月4日生まれ、新潟県出身、180cm・70kg
長岡ビルボードFCでサッカーを始め、帝京長岡高等学校、順天堂大学と進む。大学時代にフットサルと出会い、日本代表を目指す。関東リーグ1部FUGA MEGURO(現・フウガすみだ)の主将としてチームを率い、フットサル全日本選手権で、Fリーグ2連覇中の名古屋オーシャンズを下し、優勝。シュライカー大阪を経て、2013年9月、スペインフットサル1部リーグ・Umacon Zaragoza(ウマコンサラゴサ)へ移籍。ポジションはフィクソ。

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