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【西武台】11年ぶりの選手権 成長力と総合力で初の4強進出目指す<第100回高校選手権>

2021.12.27

11年ぶり4回目の選手権出場となる西武台 [写真]=松尾祐希

 西武台にとって、実に11年ぶりの選手権出場だ。帝京出身の守屋保監督の下で2000年以降台頭し、2004年に選手権初出場。その後も結果を残し、3度目の出場となった2010年度に過去最高のベスト8進出を果たした。しかし、近年は埼玉県内の戦いで苦戦を強いられ、出場権を逃している。

 直近で全国舞台に出場したのは初戦敗退に終わった2019年のインターハイ。その間に台頭した昌平はインターハイで2度ベスト4を経験し、冬の大舞台でもベスト8まで2度勝ち上がるなど、全国舞台で西武台の名が聞く機会は減っていた。

 しかし、今年度は春先から好調を維持。「自分たちの代は力のある選手が多く、個の力は歴代のチームでもトップクラス。結果が出ないと責任を感じる」と主将のDF原田蓮斗(3年)が胸を張ったように、1年次から期待されてきた選手たちが躍動する。フィジカルの強さを生かした守備で粘り強く戦いながら、攻撃では遅攻と速攻を使い分ける戦い方で着実に結果を重ねていく。5月上旬に行われた関東大会の県予選で優勝を果たすと、6月の本大会も制覇。ケガ人を多く抱えたインターハイこそ準々決勝で敗れたものの、夏以降も順調に力を伸ばしていく。

 特に夏場は大学生との練習試合を意図的に増やし、埼玉県リーグ1部では味わえない強度のゲームを経験して冬の大舞台に備えてきた。ケガ人の多かったチーム状況も今はプラス材料となり、様々な選手がトップチームを経験したことで選手層が拡充する。負傷を抱えていたボランチの吉野光(3年)も復帰後はベンチスタートを余儀なくされるなど、選手個々の能力は見違えるほど成長。和田力也(2年)もトップ下で台頭し、機動力と強さを兼ね備えたFW市川遥人(3年)、FW細田優陽(3年)がより生きるようになった。

 迎えた選手権予選も負傷者はいたものの、総合力で勝ち上がって一戦ごとに成長。とりわけ、最終ラインは5試合で1失点と抜群の安定感を見せ、武笠隼季(3年)と河合陸玖(2年)のCBコンビを中心に堅守を築いた。

「今年は力があって、個性を持った選手が多い。攻撃では綺麗に崩すだけではなく、強引にこじ開けることもできる」とは守屋監督の言葉。12月中旬に行われたプリンスリーグ関東1部参入戦でも埼玉王者として挑み、桐蔭学園、関東第一に勝利して昇格を掴んだ。原田が「しっかりと戦って全国大会ベスト4以上を目標にして戦いたい」と意気込むように、例年以上に期待値が高いチームが過去最高の4強入りを果たす可能性は十分にある。

取材・文=松尾祐希



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