2016.07.28

歴史を作った先輩たちへの“恩返し”を誓う横浜創英、創部15年目で全国初勝利

インターハイ初戦、住田智樹(右)の先制点が横浜創英を勢いづかせた [写真]=川端暁彦
2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

 27日の平成28年度全国高等学校総合体育大会サッカー競技大会(インターハイ)1回戦、広島広域公園第一球技場で那覇西高校(沖縄)と対戦した横浜創英高校(神奈川1)だったが、どこかおかしい。「正直、何か重かったですね」と高橋祐飛も苦笑いを浮かべ、「どうも上手くいかないなという雰囲気があった」と市原亮太も首をひねる立ち上がりだった。「全員が初めての全国なので仕方ない」と宮澤崇史監督が言うように、緊張とか気負いとか言われるメンタル面の材料が、横浜創英の選手から本来の積極性や発想力を奪っていた。

 その緊張感から開放されるきっかけは、やはり先制点だった。31分、伊藤綾麻のパスを受けた住田智樹が巧みなタッチからのシュートを鮮やかに突き刺して、ゴールネットを揺らす。決めた住田が「あの形は大会前の練習試合(横浜F・マリノスユース戦)でも決めていた。打った瞬間、『入った』と思った」と笑う会心の一撃。この一発で心理的に楽になった横浜創英は完全にゲームの主導権を握る。前半のシュート数3本に対して、後半のシュート数が12本という落差が、横浜創英の選手たちのメンタルの落差を象徴していると言っていいだろう。完全に優位を占めた後半にセットプレーから加点して、2-0。3年ぶりの出場で初めての勝利を収めることとなった。

CKから追加点を決めた高橋祐飛

CKから追加点を決めた高橋祐飛

 かつて中村俊輔(横浜FM)とともに高校サッカーを沸かせた宮澤監督の指揮下、「ボールを大切にするサッカー」で横浜創英は着実に力を付けてきた。共学化を機に2002年に創部した若いチームだが、グラウンドが半面しか使えない時間帯を有効活用するために練習法を工夫するなど、さまざまなアプローチを駆使し、そして各世代で積み上げながら力を蓄えてきた。

 象徴的なのは、「なぜ横浜創英を進路として選んだのか?」と選手たちに聞いた時の答えが、そろって「3年前のインターハイに出場したから」だったこと。2013年の夏、福岡フットボールセンターでの大会初戦で、横浜創英は近大附属高校(大阪)に0-1と苦杯。その試合を経験した選手は一人も残っていないわけだが、しかし彼らの足跡は確実に今の横浜創英サッカー部につながっている。

 また、昨年のチームの主力9人が残った今年のチームは、裏を返せば昨年の3年生がほとんど試合に出られなかったということでもある。「(昨年の)3年生たちに恩返しをしたいという気持ちが僕らにはある」と言った杉田は、「神奈川の第1代表としてそう簡単に負けられない」と次戦以降を見据えていた。

文=川端暁彦

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