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4戦未勝利から脱すべく、臨機応変さが求められるベテラン・本田圭佑

2015.08.31

代表合宿に参加した本田圭佑(中央) [写真]=兼子愼一郎

文=元川悦子

 6月の2018年ロシアワールドカップアジア2次予選初戦・シンガポール戦(埼玉)をまさかのスコアレスドローに終わり、目下シンガポール、シリア、アフガニスタンに次ぐE組4位に沈んでいる日本代表。シンガポールやアフガニスタンに比べて消化試合が1つ少ないものの、この屈辱的な状況は決して許されない。3月に就任したヴァイッド・ハリルホジッチ監督も公式戦でアジア勢相手に4戦未勝利と全く結果が出ていない。今回の9月2連戦(3日=カンボジア戦、8日=アフガニスタン戦)は絶対に勝たなければいけないという思いは非常に強いはず。このシリーズは2連勝が絶対ノルマだ。

 危機感の募る日本代表は31日に埼玉県内に集合。30日にリーグ戦のあった香川真司(ドルトムント)、原口元気(ヘルタ・ベルリン)、長友佑都(インテル)の3人を除く20人が夕方から初練習を行った。ハリルホジッチ監督は練習開始前に槙野智章浦和レッズ)を呼んで負傷している右足内転筋の状態をチェックし、いきなり離脱を決断。初代表となる丸山祐市FC東京)の追加招集に踏み切った。

 それ以外にも遠藤航湘南ベルマーレ)、宇佐美貴史ガンバ大阪)、興梠慎三西川周作(ともに浦和)の4人を呼んで体脂肪率が基準値を上回っていることを通告するなど、管理の厳しさは相変わらずだった。大雨の中での練習前ミーティングも12分間に及び、指揮官は4戦未勝利の苦境から抜け出すべく、選手たちを今一度、力強く鼓舞していた。

 トレーニングはランニングからスタート。週末に試合をしていない山口蛍セレッソ大阪)とGKの西川、六反勇治ベガルタ仙台)が通常程度の負荷をこなした以外、非常に軽いメニューで終わった。23日の今季セリエA開幕後は初戦・フィオレンティーナ戦の前半に出たものの、29日のエンポリ戦で控えに回り、試合勘やコンディション面の不備が懸念される本田圭佑(ミラン)は「コンディションは悪くない。そこはみなさんに見せられるんじゃないかと思う」と2試合フル稼働できる状態であることを、改めて強調していた。

 シンガポール戦の本田は4-2-3-1の右MFで出場し、10本近いシュートを放ったが、一度も枠を捉えることができなかった。得点への焦りから中へ中へと行きすぎて香川や宇佐美と重なったり、ハリルホジッチ監督が目指すタテに速いスタイルを意識すぎてプレーが単調になる傾向も強かった。その反省を本人も時間をかけて行った模様だ。

「シンガポール戦は当然チャンスが沢山あったので、そこを簡単に決めていれば、そんなに難しい試合にはならなかった。でもそのチャンスが入らなかった時に、じわじわと決めないといけない雰囲気になってくればくるほど、悪循環になるのが今までの流れなんで。そこで1つひねったようなプレー、わざとテンポを変えるようなプレーを前回の反省を活かしてやりたいなと思います」と彼が言うように、相手の出方や流れを見ながら工夫を凝らしていくことの重要性を今回、再認識しているようだ。

 シンガポール戦時点の本田はミランで右FWとして固定されていたが、現在の彼はトップ下が定位置。香川もドルトムントでトップ下を担って成功しているだけに、ハリルホジッチ監督が2人をどのように使うのかは未知数な部分もある。これまで通り、4-2-3-1の右サイドで起用されるなら、真ん中に入るであろう香川と流動的にポジションを変えながらタメを作ったり、相手を引きつけながらスペースを空けるような機転の利いたプレーを見せるべき。最近精度を欠いているといわれるFKも恐れることなく直接ゴールをどんどん狙った方がいい。

「引かれた時にあえてスピード感を落とさないといけない場面もあると思います。そのへんは経験ある選手が臨機応変に対応しないといけない部分。(ハリルホジッチ)監督からの高い要求というのは、スピード感とかそういうところでの技術です」と本田自身もベテランの自覚を口にする。

 確かに今回の日本代表の中で、彼や岡崎慎司(レスター)、長友ら86年組は31歳の長谷部誠(フランクフルト)に次ぐ2番目の年長者に当たる。これまで遠藤保仁(G大阪)らやってきたチーム全体を落ち着かせつつ、肝心なところでとどめを刺す仕事を本田らベテラン勢は託されている。今こそその底力をしっかりと示してほしいものだ。

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By 元川悦子

94年からサッカーを取材し続けるアグレッシブなサッカーライター。W杯は94年アメリカ大会から毎大会取材しており、普段はJリーグ、日本代表などを精力的に取材。

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