先発起用に応えたい名古屋DF安田理大(左)、柏DF輪湖直樹(右) [写真]=Getty Images
2016明治安田生命J1リーグ・ファーストステージ第16節
6月18日 19:00 名古屋グランパス vs 柏レイソル(@パロマ瑞穂スタジアム)
■名古屋グランパス 攻守に精彩を欠きリーグ戦6試合白星なし、多彩な攻撃方法で打開なるか
湘南ベルマーレ、アビスパ福岡、サガン鳥栖の下位3チームとの連戦で得た勝ち点はわずかに1ポイント。ここ1カ月の成績と順位表のポジションで言えば、名古屋はかなりの苦境にあると言っていい状態だ。リーグ15試合のうち無失点で終えた試合はわずかに2つ。失点を止められない守備陣はこのところ粘り強くなってはきたものの、1試合に1点は取られてしまう現状は問題と言わざるを得ない。それに輪をかけて低調なのが攻撃陣で、8得点で得点ランク3位につけるシモビッチもここ1カ月間は得点がなく、周囲のゲームメークとしても彼を生かし切れていない。川又堅碁は復調してきたが、シモビッチとのツートップには守備面に課題が残るため、高さを利したやや強引な展開で主導権を握る必要がある。永井謙佑もこのところ低調なパフォーマンスに終始しており、左サイドの攻撃には勢いがなくなってきている。
さらに15日の練習では楢崎正剛が負傷した右ひじにシュートが直撃し、「激痛が走った」と急遽、練習を取り止めるアクシデントも発生。本人は軽傷を強調したが、最終ラインに不確定要素があるのはあまり好ましいことではない。一方で好材料として数えることができるのが、安田理大の復活だ。5月はしばらくベンチ外が続いていたが、アウェイ福岡戦で右サイドバックとして出場し冷静な状況判断と機を見た攻撃参加、そして左右どちらでも機能するユーティリティー性を誇示。トレーニングでもクロスの精度や質の高さで評価を上げており、今節では久々に左サイドバックとしてリーグ戦での出場機会を得そうな勢いだ。負傷から復帰した明神智和と合わせ、チームに落ち着きをもたらす存在としての期待も大きい。
課題の攻撃にしても、小倉隆史GM兼監督はシモビッチや川又の高さを生かす術を明確なオプションとして認識させ、さらにはサイド一辺倒になっていた遅攻に関しても選択肢の幅を広げさせるような練習を展開。基本方針は変えず、アプローチを明確にすることで停滞する攻撃へのテコ入れを図ってきた。名古屋はあくまで自分たちのサッカーをやり抜く中で、1stステージのホーム最終戦勝利と、苦しい現状打破を狙う。(今井雄一朗)
■名古屋予想スタメン
4-4-2
GK
楢崎正剛
DF
矢野貴章
大武峻
竹内彬
安田理大
MF
古林将太
イ・スンヒ
田口泰士
永井謙佑
FW
川又堅碁
シモビッチ
■柏レイソル ベテランの奮起がチームの勢いを取り戻す、離脱者多数の守備陣も今節から輪湖が復帰
4月から5月にかけての公式戦7連勝の勢いが失われたばかりか、リーグ戦第15節の仙台戦は点を取るためにシュートを打つ、目の前の相手からボールを奪い取るといった基本的な部分がぼやけてしまい、パスをつないでいるだけで怖さのない試合に終始した。
その空気を打破すべく、今週は栗澤僚一や増嶋竜也のベテラン組の奮起が目立った。12日に行われたHondaFCとの練習試合では、彼らがメンタリティーの強さを発揮して若いチームを鼓舞。あらためて“戦うこと”の重要性を再確認させる形となっている。栗澤は、名古屋にはシモビッチ、川又堅碁など屈強な選手がいることで、普段以上に球際の攻防がポイントになると指摘。その上で勝利に対するメンタリティーや戦う意識さえ発揮できれば、「ボールを持つ技術は高いから、勝てる可能性は高い」(栗澤)と前向きに捉えている。
大谷秀和、山中亮輔と主力にけが人が相次ぐ中、ここにきて大津祐樹も戦列を離れ、さらに中山雄太がU-19日本代表の中国遠征でチームを離れるなど選手層は気掛かりだ。特にディフェンスラインは手薄で、前節はU-18所属の2種登録選手、古賀太陽がベンチ入りしたほどである。それだけに、前節の仙台戦を回避した輪湖直樹の復帰は大きい。
流れを変えるために栗澤、増嶋ら気持ちの強いベテラン組が起用されるのか、それともこのまま若手路線を継続していくのか。下平隆宏監督のメンバー選考にも注目が集まる。(鈴木潤)
■柏予想スタメン
4-4-2
GK
中村航輔
DF
鎌田次郎
中谷進之介
増嶋竜也
輪湖直樹
MF
伊東純也
栗澤僚一
茨田陽生
武富孝介
FW
中川寛斗
ディエゴ・オリヴェイラ
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