2013.02.19

吉田麻也が明かす「キング・カズの食事会」

[サムライサッカーキング3月号掲載]

2012年6月某日、キング・カズの粋な計らいで開かれた“キング・カズの晩餐会”。香川真司、長友佑都、長谷部誠ら海外組9人が集ったこの食事会の様子を、参加者の一人である吉田麻也が、再びの興奮を抑えながら明かしてくれた。

DSC00165インタビュー・文=西川結城 写真=吉田麻也

Tシャツ姿でお店に入った瞬間に「これ、間違ったな」と思った

 一昨年、初めてカズさんの食事会が開催された時、僕は行けなかったんです。後で知って、長谷部(誠)さんに「何で僕も呼んでくれなかったんですか! 今度は呼んでくださいよ!」と怒ったんですよ(笑)。僕もカズさんに会いたかったので。だから去年の6月に、喜んで参加させていただきました。

 プライベートのカズさんはとにかく格好良かったです。僕たちは予定の時間より結構早くお店に入ったつもりだったんですけど、既にカズさんが先にいらして。相当前に入っていたみたいで、むしろ僕たちを迎えてくれたんですよ。そういうところから、もう演出家ですよね。スリーピースのスーツをビシッと着こなし、片や僕なんてTシャツ姿で。お店に入った瞬間に「これ、間違ったな」と思っていました。もっとまともな格好をしてくれば良かったなと後悔したことは覚えています(笑)。

 カズさんは僕たちにもすごく腰が低くて、常に敬語を使っていました。先日カズさんがイギリスにいらっしゃったみたいですが、その時にメールをいただいた時も「サウサンプトンにうかがえず、すみませんでした」と書いてあって。こちらが本当に恐縮してしまうぐらいでした。食事のことも聞きましたよ。カズさんは「試合の数日前からは炭水化物しか食べない」と話していました。エネルギーに直結するのでね。本当に徹底しているんだなと思いました。そうでないと今の年齢でも第一線でプレーすることはできないんだろうけど、本当にすごいですよね。

僕にとっての一番の思い出になった

 実は僕、どうしてもカズさんに会った時に話したいことがあったんです。2010年にオランダへ移籍したばかりの時にケガをして、約1年を棒に振ってしまった。そんな時にたまたまカズさんを特集した雑誌を読む機会があって、それはカズさんがブラジルでプレーしていた時にお母さんに宛てた手紙を公開するという内容でした。当時は今とは全く時代や環境も違っていて、何もない時代だったというカズさんの話を読んでいると、今の自分の環境はどんなに恵まれているのだろうと勇気が出てきたというか、前向きになれたんです。ポジティブになって、「明日からリハビリ頑張ろう」って。だから食事会の時にカズさんに感謝の気持ちを伝えました。カズさんは「アハハ」と照れ笑いをするだけで、「そんな大したことはしていないよ」と言うんです。これを話せたことが僕にとっての一番の思い出となっています。

 もちろん機会があれば、また食事会に行きたいですね。イギリスにもまた来てもらいたいです。