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[前園真聖がW杯までの課題を語る]一対一で勝負して相手に勝つ場面を増やしポゼッションサッカーにプラスアルファを

2012.12.31

[提供:サッカーキング・フリー Vol. 002
2014年ワールドカップまであと一年あまり。世界を驚かすためにも2013年を無為に過ごすわけにはいかない。元日本代表の前園真聖氏が明かす10の提言に耳を傾ければ、さらなる飛躍への道が見えてくる。
前園真聖
構成=宮崎涼子、小俣裕一、増田祐己、植松 奨 写真=兼子愼一郎、足立雅史、嶋田健一

[前園真聖がW杯までの課題を語る]2013年に日本代表がやるべき10のこと--その4
一対一で勝負して相手に勝つ場面を増やしポゼッションサッカーにプラスアルファを

 ロンドン・オリンピック、フランスとブラジル戦を通して改めて感じたのは、一対一で勝負して相手に勝つことの重要さです。パスサッカーを志向している今の日本は、相手がブロックを敷いて守っている時、あるいはある程度のプレッシャーの中でも、ボールを回すことはできています。ただし、パスの出しどころがないと横パスかバックパスを選択することが多く、崩し切れない場面もあるのが現状です。

 2010年のワールドカップで果たしたベスト16を超えるにはポゼッションサッカーにプラスアルファが必要で、その一つが僕は個の突破だと思っています。ドリブルで仕掛けて相手を食い付かせれば、必ずどこかにスペースができる。一対一で相手を引き寄せ、その勝負に勝てば、必ずと言って良いほどチャンスになります。香川真司や本田圭佑などはバックパスではなく少しのスペースでも前に仕掛ける意識が強いですし、前線にスペースがあれば飛び出す動きもありますが、こうした一対一のプレーはチーム全体で質を高めていく必要があるでしょうね。パスサッカーを追求しながら、局面を打開する個の力を鍛えていく。各自がそれぞれのクラブの中で意識してプレーすることがとても重要です。

[前園真聖がW杯までの課題を語る]2013年に日本代表がやるべき10のこと--その5
サイドバックはゴールラインまで進入しえぐるようなマイナスのクロスを増やせ

長友佑都
  サイドバックはここ何年かの代表で間違いなく一番充実しています。内田篤人と酒井宏樹という海外組同士に競争が生まれているのも良い傾向で、彼らを含むサイドバックが一年でどれだけ成長できるかもポイントになってくると思います。

 結論から言うと、サイドバックには、ゴールラインまで進入してえぐるようなパスを送るプレーをもっともっと増やしてほしい。深いところまで持ち上がってマイナスのクロスを供給するイメージですね。ゴールラインまで深く進入すれば、相手DFがボールホルダーと自分のマークの両方を視界に入れるのが難しくなります。さらに、マイナスのパスだと、ボールを受ける選手が前を向いたままシュートを放てるので得点の可能性も高まります。現状で言うと、左サイドの長友佑都(写真)は深くまで進入できているのですが、右サイドはまだ浅い位置から早めにクロスを上げがちです。

 深くまでボールを運びマイナスのクロスを送れるかどうかは、何もサイドバックだけの問題ではありません。練習や試合を重ねる中でチーム全体の連係を高め、イメージを共有していく作業が必要になってきます。

2013

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