[提供:サッカーキング・フリー Vol. 002]
2014年ワールドカップまであと一年あまり。世界を驚かすためにも2013年を無為に過ごすわけにはいかない。元日本代表の前園真聖氏が明かす10の提言に耳を傾ければ、さらなる飛躍への道が見えてくる。
構成=宮崎涼子、小俣裕一、増田祐己、植松 奨 写真=兼子愼一郎、足立雅史、嶋田健一
[前園真聖がW杯までの課題を語る]2013年に日本代表がやるべき10のこと--その2
本田の0トップをもっと突き詰めて個々の得点力を最大限に発揮したい
2012年10月のブラジル戦では本田圭佑(写真)を前線に据える4-2-3-1を採用。本田が前線にべったり張り付くのではなく場合によっては引いてくるシステムで、いわゆる0トップというシステムでした。個人的には2013年は本田の0トップをもっと突き詰めてほしいと思っています。
理由は大きく分けて2つ。1つは、本田はフィジカルが強くキープ力に長けている点です。相手を背負ってもボールを奪われないし、タメを作ることができますよね。そしてもう1つの理由は、本田が自由に動くことで、2列目の選手の特長がより生きるだろう点です。4-2-3-1の3の選手、つまり、香川真司や清武弘嗣、岡崎慎司といった選手たちは、前線に飛び出すプレーを得意としていますが、例えば本田が前線から引くことでできたスペースを、香川らが活用すればよりチャンスは増えるはずです。要は本田をゴールに近づけることで彼の決定力も生きるし、2列目の選手たちの得点力も最大限に発揮できるという考え方です。
「本田はトップ下でこそ生きる」という意見もあるかもしれませんし、本田と香川に関してはよく「どこのポジションがベストか?」と聞かれます。個人的には、2人とも攻撃的な位置ならどこでも機能すると思っています。ともに決定的なパスが出せるし、単独でシュートに持ち込むこともできる。今の日本代表では間違いなく特別な選手ですから、どのポジションであれ、彼らがボールを持った時はできるだけ多くの選択肢を与えることが必要でしょうね。