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万能性を重用されて主力の座を完全確保、長友佑都の今季インテル全試合採点付き通信簿

2012.12.24

写真=原田亮太
長友佑都
 イタリア3年目、長友佑都の2012-13シーズン公式戦はヨーロッパリーグ予選のハイデュク・スプリトで幕を上げた。今シーズンは、本職の左サイドバックに加え、右サイドバック、中盤の両サイドなど、複数のポジションで出場。試合中に2度、3度のポジションを変更し、昨シーズン以上にその万能性を重用され、アンドレア・ストラマッチョーニ監督から「絶対に手放したくない選手」との高い評価も得た。

 前半戦は、チームトップクラスの公式戦24試合に出場。インテルで主力の座を確保した長友の2012-13シーズンの全公式戦記録を、イタリア最大スポーツ紙『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙の寸評とともに振り返ってみよう。

▼2012-13シーズン前半戦 長友佑都 出場記録
セリエ:16試合・0得点・1アシスト
ヨーロッパリーグ:7試合・2得点・1アシスト
コッパ・イタリア:1試合・0得点・0アシスト

【8月】
■8月2日|ヨーロッパリーグ予選3回戦1st leg vsハイデュク・スプリト(A)3○0
出場時間:先発フル出場(1得点)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「抑え気味のスタートにはなったものの、次第に相手が嫌がるような存在となり、得点も決めた。(シュートが相手に当たって)偶発的な得点だったと言えるが、欧州の舞台で決めた最初のゴールとなった」

■8月9日|ヨーロッパリーグ予選3回戦2nd leg vsハイデュク・スプリト(H)0●2
出場時間:35分間(途中出場)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「驚きのスタメン漏れ。途中出場後は左サイドを活性化し、(相手右サイドのミルコ)オレムスを相手陣内にとどめさせた」

■8月23日|ヨーロッパリーグ プレーオフ1st leg vsヴァスルイ(A)2○0
出場時間:69分間(途中出場)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「すぐに、拍手かっさいにふさわしいプレーを見せることはできなかった。ニクラエに対してスピードで敗れ、ボールへの寄せを多少怠った。だが、何本かの効果的なクロスで次第に挽回。ショート・パスの判断よりも、空中戦の対応のほうが優れていた」

■8月26日|セリエA第1節 vsペスカーラ(A)3○0
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「(開幕直前に加入した)アルバロ・ペレイラがレギュラーの座を奪おうと脅かしているが、積極的に攻撃参加し、(マッチアップした)ダミアーノ・ザノンを落ち着かすことなく攻め続けた」

■8月30日|ヨーロッパリーグ プレーオフ1st leg vsヴァスルイ(H)2△2
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「左MFは彼のポジションではなかった。左サイドバックの選手とポジションを代わったが、落ち着きがなく、リズムに乗れなかった。(リビウ)アンタル(ヴァスルイの最高採点7)にずっと同じやり方で打ち負かされた」


写真=原田亮太
長友佑都
【9月】
■9月2日|セリエA第2節 vsローマ(H)1●3
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「長友と(マッティア)デストロのバトル。小さなジャッポネーゼ(日本人)が、ジャッロロッソ(ローマの愛称)の巨人と対決。長友は常にサイドの海を航海し、最高の能力を示して、そしてスラロームからシュートへの素晴らしい動きでゴールまであと1歩と迫った。戦犯を逃れる少ない1人」

■9月16日|セリエA第3節 vsトリノ(A)2○0
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「左サイドバックを任された前半に対決した(マリオ)サンターナよりも、後半から右サイドバックにポジションを移して対峙した(アレン)ステヴァノヴィッチに苦しめられた。つまらないミスがいくつかあったことと、(ホイッスル後にボールを蹴ったことで警告された)愚かなイエローカードを受けたことは残念」

■9月20日|ヨーロッパリーグ グループリーグ第1節 vsルビン・カザン(H)2△2
出場時間:先発フル出場(1得点)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「長友のサイドからあまりにも多くのことが起きた。立て続けに攻撃され、その度に立て直したからだ。それは、コウチーニョが長友を助けなかったからだ。最後は、ボレーを叩き込み、チームを救っている」

■9月23日|セリエA第4節 vsシエナ(H)0●2
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:5.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「闘争心に関しては10点の評価に値するだろう。それは、すべてのボールに、まるで人生を懸けているかのように立ち向かっていたからだ。だがこういった奮闘から、効果的な攻撃をほとんど作りだせなかったことが問題だ」

■9月26日|セリエA第5節 vsキエーヴォ(A)2○0
出場時間:68分間(先発途中交代、1アシスト)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「それまで3度のボールタッチだったが4度目でうまく事が運ぶ。0-0で迎えた場面、クロスを放つとキエーヴォの(ニコラ)フレイに当たり(アルバロ)ペレイラに。そのペレイラがゴールに流し込み先制点が生まれた。長友のアシストによって、試合の展開はインテルの流れに変わった」

■9月30日|セリエA第6節 vsフィオレンティーナ(H)2○1
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:5.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「(アンドレア)ストラマッチョーニ監督は、(フアン・ギジェルモ)クアドラードを大人しくさせるために長友を高い位置に置いておきたかった。問題はクアドラードが長友の注意から逃げてしまうことだった。失点を喫した場面では、マークを外してしまい失点につながってしまった。多少、弁解の余地はあるが、クアドラードが背後から迫った」

【10月】
■10月7日|セリエA第7節 vsミラン(A)1○0
出場時間:48分間(先発、48分退場)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:4
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「前半は、(ステファン)エル・シャーラウィのマークで終えた。というのも、(アンドレア)ストラマッチョーニ監督が、長友にエル・シャーラウィを抑え込むように指示をしたからで、長友は相手に仕事をさせなかった。だが、(マリオ)ジェペスへのファールで警告を受け、未熟なハンドで提示された2枚目のイエローカードも妥当なものだった」

■10月28日|セリエA第9節 vsボローニャ(A)3○1
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「左サイドで上下動を繰り返し、試合開始直後にはクロスを放ったが印象に残るプレーはなかった。終盤にエリア内に侵入し、GKフェデリコ・アリアルディに見舞ったシュートの動きは良いプレーだった」

■10月31日|セリエA第10節 vsサンプドリア(H)3○2
出場時間:27分間(途中出場)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「攻撃力を高め、サンプドリアをコンパクトにさせないために、より高い位置でプレーした。実際に、長友が入ってサンプドリアは間延びし、攻撃力は弱まった。長友は貢献した」


写真=原田亮太
長友佑都
【11月】
■11月3日|セリエA第11節 vsユヴェントス(A)3○1
出場時間:先発フル出場(1アシスト)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:7
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「ナガトモの2つの顔が見られた試合だった。前半は、良くない部分が目立った。集中力の欠如から、危うく2点目を喫する場面も作ってしまったことは忘れられないものだ。ところが、後半は、まるで切れ長の目をした(アジア人を意味)トッテナムの(ギャレス)ベイルのように変わり、ユーヴェの右サイドを徹底的に痛めつけた。(ロドリゴ)パラシオへのアシストはとても素晴らしいもの」

■11月8日|ヨーロッパリーグ グループリーグ第4節 vsパルチザン(A)3○1
出場時間:45分間(先発途中交代)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「長友と対峙した(ラザル)マルコヴィッチは何度も自分のポジションを離れた。パルチザン指揮官にとっては評価できない動き。一方、長友はマルコヴィッチの背後をつき、精力的に走った。恐れを抱かす、疲労も感じさせない動きをみせた」

■11月11日|セリエA第12節 vsアタランタ(A)2●3
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「開始から、はつらつとしたプレーを見せていたが、それもエセキエル・スケロットが勇敢なプレーを見せるまでの少しの時間だった。ずるずると後退せざるを得なくなり、度々苦戦を強いられ、困難に陥った」

■11月18日|セリエA第13節 vsカリアリ(H)2△2
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「継続してサイドを攻め続けた。もし(ディエゴ)ミリートが長友の絶妙なクロスを外していなければ、この場で長友のアシストを称賛していただろう」

■11月26日|セリエA第14節 vsパルマ(A)0●1
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:5.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「長友の攻撃参加は、アレアンドロ・ロージにとって煩わしいハエのようなものとなった。だがパルマの攻撃も長友のサイドから仕掛けられた。常にゲームで存在感を示したとは言えない」

【12月】
■12月2日|セリエA第15節 vsパレルモ(H)1○0
出場時間:26分間(途中出場)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「前半を終えて(アルバロ)ぺレイラに代わって入ると期待されたが、(ハビエル)サネッティと交代して入り、チームに活気を与えた」

■12月6日|ヨーロッパリーグ グループリーグ第6節 vsネフチ・バクー(H)2△2
出場時間:37分間(途中出場)
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「左サイドハーフで投入されると1分も経たず、仕事を果たす。ボールを要求し、リヴァヤにクロスを放った。前節のパレルモ戦のようにこの試合も、途中出場で攻撃を活性化。クロスバーを強く叩くシュートも放っている」

■12月9日|セリエA第16節 vsナポリ(H)2○1
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「長友のサイドには、(ファン・カミロ)スニーガが待ち構えていたが、(ロレンツォ)インシーニェもいた。軽視してはならない2人の選手がいた“ジャングル地帯”からの突破を抑える。テクニックやフィジカルよりも、より戦術的な戦いでナポリが4-3-3にシステムを変更したあとには、インシーニェを封じるため、(サイドハーフから)サイドバックにポジションを移した」

■12月15日 セリエA第17節 vsラツィオ(A)0●1
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「セナド・ルリッチとの対決に屈せず。恐らく、この試合最も手堅い対決だった。グアリンがボールを持ったときには、最低でも顔を出してサイドを駆け抜けた。持久力があることで後半から中盤にポジションを変更。カウンターでは彼のスピードが威力を発揮した」

■12月18日 コッパ・イタリア5回戦 vsヴェローナ(H)2○0
出場時間:先発フル出場
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙採点:6.5
『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙寸評
「左サイドMFを務め、ワイドに広がり、カッサーノの動きに合わせて攻撃に参加した」
※終盤に足を痛め、同22日のジェノア戦欠場が決定

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