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ニューバランス ブランドマーケティング担当が語る「アスレチックブランドとして世界TOP3を目指す戦略とは」/後編

2016.02.29

学生から主婦に至るまで、幅広い年齢層を巻き込んだ熱狂的なスニーカーブーム。依然街を歩く人の足元には、かなりの確率で「N」の文字が躍っている。1906年にボストンで矯正靴の製造メーカーとして生まれたニューバランスは、ライフスタイルを含めあらゆるスポーツカテゴリへとマーケットを拡大し、2015年ついにフットボールカテゴリに参入を果たした。既に大手メーカーがしのぎを削る中、今後どのようなブランディングを推し進めていくのだろうのか。その手法や今後の展望について、マーケティング部 ブランドマーケティング マネージャーの山崎祐仁(やまざき・ゆうじん)氏に話を聞いた。

インタビュー・文・写真=波多野友子

――ブランド戦略について伺います。御社は今、アスレチックブランドとして世界のトップ3に入ることを目標に掲げています。その理由とは何ですか?

山崎祐仁 もちろんビジネス成長のためですし、我々のミッションにより近づくためでもあります。モノを売って儲けを出すことよりも、業界内でリーダーシップを発揮し、アスリートに受け入れられる製品をつくること。製品の良さが流通や消費者に理解され、我々自身が誇りを持って仕事ができる仕組みをつくること。これがニューバランス社のミッションです。トップ3に入ることは、その実現に向けた大きな一歩になると考えています。

――観客数の多いカテゴリへの参入も、トップ3へ向けての戦略のひとつですか?

山崎祐仁 もちろんそうですね。アメリカのプロ野球リーグでは、現在選手の40%強がニューバランスのスパイクを着用しています。そうは言っても、当社において野球カテゴリはそこまでシェアが大きくないんです。ただ、野球というスポーツはインパクトや投資対効果という面において決して小さくはない。ニューバランスというブランドの露出を高めるためには、そういったカテゴリに積極的に参入していくことは重要な戦略と言えます。

――昨年からは新たに、フットボールカテゴリへの参入も果たしました。後発として競合と戦う上で、どのような手法で臨んでいますか?

山崎祐仁 広告や宣伝に頼るというより、一般ユーザーへのアプローチを重視しています。「この選手が履いているから」「この雑誌で取り上げられているから」という方向ではなく、スポーツ店の店長がTwitterでプロダクトの良さを発信して話題になるとか、「身近な仲間が試しに履いてみたらよかったらしい」という口コミから拡げていく方向ですね。そのための入り口として、高校生のサッカー大会でブースを出したり、スポーツ店のバイヤー様向けに試し履きイベントを実施したりしています。この戦略におけるノウハウでは、他社に負けないと自負しています。

――ニューバランスならではの、競合他社にはない強みとはなんでしょうか。

山崎祐仁 ネットを見ていると「ニューバランスは履き心地がいい」という書き込みが結構多いんですが、これこそまさに我々の強みなんじゃないかと思いますね。ニューバランスというブランドが、パフォーマンスやライフスタイルに「フィットする」と認知されている証拠だと感じます。実際に、ライフスタイル部門においては前年比で成長を続けています。矯正靴の製作から始まり、ランニングシューズの大ヒットを経て多様なカテゴリへと進化を遂げてきた歴史と、それに裏打ちされたクラフトマンシップもまた、ニューバランスの持つ大きな財産だと思います。

――山崎さんが考える、スポーツマーケティングという仕事に必要なこととは?

山崎祐仁 まず「スポーツが好き」という大前提があるのですが、この仕事を遂行する上で私が重要だと考える要素は5つあります。1.現状を把握して課題を発見すること。2.課題を解決するために探求心をもつこと。3.初めから一人で解決しようとせず、チームで団結すること。4.うまく解決できなくても好奇心を失わず、チャレンジし続けること。5.長く続けるために、目の前の仕事を楽しむこと。どんな仕事にもあてはまるかもしれませんが、スポーツマーケティングの業界で活躍する上では非常に大切なプロセスだと思います。最近個人的に感銘を受けたのは、「すべての従業員が経営者と同様のマインドを持つべきだ」という、某大手企業経営者の言葉です。立場にかかわらず担当業務以外にも目を向け、人にどう動いて欲しいか俯瞰で考えることも、時には必要なのではないでしょうか。

ニューバランス ブランドマーケティング担当が語る「10年目になるマーケティング部門でのキャリア」/前編

株式会社ニューバランス ジャパン
マーケティング部 ブランドマーケティング
マネージャー
山﨑 祐仁(やまざき ゆうじん)

1974年東京都生まれ。97年入社。
IT部門にて社内システムの企画/運用/保守に従事。
2006年よりマーケティング部に所属。
自社Webサイトのコンテンツ管理担当を経て、14年1月からは広告/PR/デジタル/イベント/スポーツマーケティングのチームマネジメントを担当。
現在はメディアマーケティングおよびリテールマーケティングのチームマネジメントに携わる。

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