「大学同好会」のマネージャーと聞くと、マイナスイメージを持つ方が多いかもしれません。でも同好会にも体育会並みの真剣さ、本気さで活動をするマネージャーも多くいます。今回は、彼女達の考える、同好会カテゴリーの良さ、楽しさを聞く為、座談会を開催しました。
――本日はお集まり頂きありがとうございます。今日は、プレーヤーを陰で支えるマネージャーの皆さんに大学の「同好会サッカー」について語っていただきたいと思います。まずは、自己紹介と自分が所属しているチームの活動紹介をお願いします。
草西 茜 法政大学学団連サッカー部の草西です。全学年合わせて120人くらいで活動していますが、マネージャーが半数を占めています（笑）。週1回程度の練習に加え、たまにフットサルなどもしています。引退した今も、サークルが好きすぎてよく顔を出しちゃいます。
池田瑛美 慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部、通称「リコタイ」の池田です。リコタイのマネージャーは全員、授業の時間割を3年生のマネージャーに提出して、週4回ある練習のどの曜日なら行けるかを把握しあいます。プレーヤーよりマネージャーの方が厳しいかもしれないです（笑）。
伊藤里奈 中央大学体同連フースバルクラブの伊藤です。私たちも割と厳しくて、週3回行っている練習での出席率が低いと、年2回行われる「マネ総会」で3年のマネージャーから名指しで指摘されます。その会がかなりシビアで、3年生が前に立って出席率以外にも立ち振る舞い、備品の管理などを下級生に追求するんです。（笑）
一同 こわーーーっ（笑）！
伊藤里奈 そういう厳しいのが嫌でやめちゃう子もいます（笑）。私たちの代も最初は20人くらいいたのに、最後まで残ったのは6人でした。でも代々そうですし、その分やりがいも大きいです。
片岡茉莉 立教大学サッカー愛好会（立愛）の片岡です。私たちも3年生は週3回の練習全員参加で、ゼミや冠婚葬祭以外では休めません。純粋にサッカー、立愛が大好きな子が集まっていて、なかには立愛が試合に勝つために、と相手チームの名前が付く食べ物を試合前に食べて願掛けをする子もいます。例えばフースバルがドイツ語っていうのを聞いてバルにソーセージを食べに行ったり（笑）。
――楽しみながらも、世間が持つ「同好会」、「サークル」のイメージとは違う、厳しいチームが多いですね。ではなぜそのチームに入ろうと考えたのでしょうか。
草西 茜 実は小学生の時にサッカーをしていて、大学に入ったらサッカーサークルのマネージャーをする、と決めていました。その中でも一番強いチームに入りたくて、今のチームを選びました。他のサークルは全然考えなかったですね。
池田瑛美 もともと高校まではバスケをしていたのですが、大学に入ったら何かのマネージャーをやりたいと思っていて。最初は体育会サッカー部のマネージャーも考えたのですが、事務の仕事がメインになる体育会に比べ、プレーヤーと一緒に応援歌を歌ったり、感動や楽しさをより分かち合えると思ったので同好会のマネージャーを選びました。
伊藤里奈 私は高校でサッカー部のマネージャーをしていたこともあって体育会のマネージャーを考えていました。でも、監督がいない同好会の方がより自発的に動けると思ってチームを探していたら、フースバルの先輩に勧誘されたんです。サークルでもこんなに熱い思いを持った人がいるのだと驚き、入ることを決めました。
片岡茉莉 私は特に何も考えずに大学に入って、どのサークルに入ろうか悩んでいました。その時に同じ高校出身でインターハイ、選手権どちらも全国に出ていた2歳上の先輩が代表をやっている立愛を知り、新入生歓迎会に行きました。そこで流れたムービーの「俺らと一緒に日本一を獲ろう」の言葉に心を動かされました。実際、その代は同好会日本一になったので本当に感動しましたね。
――それは感動しますよね（笑）。では今のお話にも合ったような、サークルに入って嬉しかったこと、感動したことをお聞かせください。
草西 茜 大会で準優勝した時に、もらった銀メダルを他のマネージャーにはあげるのに私にはくれなかったプレーヤーたちがいて。。でもその後の大会で優勝して金メダルをもらった時に「茜が一番頑張ってくれているのを知ってたから、金メダルはお前にあげたいとずっと思ってた」って言ってくれて（笑）。それまでの努力が報われた気がしました。
池田瑛美 バレンタインデーにちょうど試合があったので、マネージャーが手作りや買ったりしたお菓子をプレーヤーに渡したんです。そしたら、ホワイトデーに飲み会を開いて、マネージャーの分のお金は俺らが払うから、それがお返しねって言われて。いざ待ち合わせの駅に着いたらマネージャーしかいないんです。少し待つと、プレーヤーが何人か来て「いつもありがとう、今からディズニー行ってきな。これがバレンタインのお返し。」ってアフター6のチケットをくれたんです。マネージャーのことを想ってくれているんだな、ってめちゃめちゃ感動！！
一同 それはやばいーー！！
片岡茉莉 サプライズってやっぱりかっこいいよねー（笑）。私たちも、3年の春に全治1年の怪我をして引退しようか迷っていたプレーヤーが、みんなの説得でマネージャーとして残ってくれたんです。そして最後の大会前に1人で3年生のマネージャー10人分のミサンガを編んでくれて。しかもそれがめちゃめちゃきれいで（笑）。
伊藤里奈 うわ、うまい（笑）。マネージャーからプレーヤーへは色んなチームがやっているけどプレーヤーからはなかなか無いよね。私がびっくりしたのは、3年のプレーヤーが知らないうちに「マネ募金」っていうのを集めてくれていて、「いつも、ありがとうって言わない代わりに」って（笑）。私たちもその気持ちを形に残したくて、最後まで残った6人しか持ってない「3マネスウェット」を作りました。
一同 いい話ーーー！！
――素敵なエピソードが続きましたね（笑）。それでは最後になりますが、「同好会サッカー」を通して得たもの、自分が成長したことについて聞かせて下さい。
草西 茜 私はもともと自己主張が激しくて、1年生のころは他のマネージャーと揉めたりもしました。でも、チームにはいろんな考え方の人がいて当たり前で、それらを汲み取りながら1つの方向に向かっていくことの難しさ、楽しさを学びました。周りの優しさもあって、個人個人を尊重できるようになりましたね。
池田瑛美 私は草西さんの逆で、リコタイのマネをやるまでは割と受け身で、何か問題があっても誰かが解決するのを待っているようなタイプでした。でもそれではいけなくて、組織の中で自分が何をしなきゃいけないのか、どんな役目を果たすべきなのか、と主体性をもって考えたり、行動するようになりました。
片岡茉莉 私も、何かあったときに自分の発言で輪を乱すくらいなら言わない方がいい、と思って控えめに行動するタイプでした。でもプレーヤーとマネージャーの間に溝ができた時に、このままではいけない、と橋渡し役としてお互いの意見を聞いて、それをはっきり伝えました。チームのためにがむしゃらに動くことが、いつの間にか自分自身の成長にも繋がったと思います。
伊藤里奈 フースバルが組織として厳しいこともあって、いろんな辛いことを経験しました。でもそれを我慢して我慢して乗り越えた今、何より素敵な仲間に囲まれています。それも、上辺ではなく時にはプレーヤー、マネージャー問わずお互い言い合って、厳しい要求をしあった素晴らしい仲間です。それこそが、私の「同好会サッカー」で得た一番のものです。
――皆さん、本日はどうもありがとうございました。
いかがでしたか？「同好会のマネージャー」にはこんなにも真剣に活動しているマネージャーたちも存在します。幅広く活動する大学同好会サッカー、更にはそのマネージャーに今後も注目です。
ご協力いただいたマネージャーさん
池田瑛美（慶應義塾大学理工学部体育会サッカー部）
片岡茉莉（立教大学サッカー愛好会）
草西 茜（法政大学学団連サッカー部）
伊藤里奈（中央大学体同連フースバルクラブ）
プロフィール
中央大学サッカー同好会
アットホームカップ広報委員
記事アーカイブ
・アットホームの役員が語る大学同好会の大会に協賛する理由
・JFAハウスでアットホームカップ組合せ抽選会が開催…各チームの意気込みを紹介
・大学同好会公式戦、惜しくも敗れたチームたちの声／アットホームカップ
・アットホームカップ2015、明治大学体同連サッカー部が254チームの頂点に
・アットホームカップ運営者が語る同好会カテゴリーの実情「まだまだ可能性に溢れている」
大会HP
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アットホーム株式会社
1967年創業、不動産情報サービス事業を展開する。全国約53,000店（平成27年12月時点）もの加盟・利用不動産店による「アットホーム不動産情報ネットワーク」を基盤とし、不動産会社間の情報流通支援、一般消費者向けの不動産情報サイト「アットホーム」の運営を行っている。インディペンデンスリーグ[同好会]に、2013年大会より特別協賛している。