2015.09.01

スペイン移籍の長谷川アーリアジャスール、高校時代の思い出とスパイクのこだわりを語る

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aria

インタビュー=小谷紘友

 今夏、スペインのレアル・サラゴサへの移籍を果たした長谷川アーリアジャスールが、自身の学生時代を振り返った。横浜F・マリノスユースでの生活、トップチームへの思いが芽生えた時期、プロ入り直後の苦難。当時があるから、今がある――。

高校で親元を離れた経験が今に活きている

――長谷川選手は中学時代にクラブチームでプレーされていましたが、クラブを選んだ理由はありましたか?
長谷川 中学校は埼玉県の坂戸ディプロマッツという地域のクラブチームに入っていました。クラブチームであれば、より様々な大会に出られるということと、そのクラブの監督がプロ経験もある方だったので、そういう環境で教えてもらえれば、よりサッカー選手に近くなるのかなと。そういう風に親は考えていたと思いますが、僕はどちらかと言えば、楽しみながらと思っていたので、中学校の頃にはプロになりたいと正直意識していませんでした。高校生になって横浜F・マリノスユースに入り、トップチームの方々を見る機会や絡む機会が多くなったことで、その時に「プロになりたいな」と思うようになりました。

――マリノスユースでは寮生活だと聞きましたが、入る前に不安はありましたか?
長谷川 ありましたね。僕らの世代のユースはすごく強く、「埼玉出身の僕が実家からはなれた横浜で生活して大丈夫か」という不安はありました。けれど、親元を離れて寮に入ったわけですから、自分の中でも負けられない気持ちがありましたし、「プロになってやるんだ」という強い思いがあったのでがんばれました。

――環境の変化では、日本からスペインに行くことの方が大きいのではと思います。
長谷川 はるかに大きいですね。海外に一人で行くということはなかなか経験できませんが、高校で親元を離れて一人で寮に入ったことがあるからこそ、今でもスペインに行った時にいろんなことが自分でできます。国こそ違いますが、当時の経験が今に活きているのかなというイメージはあります。

――寮生活で「これは大変だった」という裏話はありますか?
長谷川 みんな男でチームメートばかりですから、寮生活は本当に楽しかったですね。練習が終わっていろんな話をしながら寮まで歩いて帰り、みんなで食事をし、お風呂も一緒に入っていました。全然苦ではなく、すごく楽しかったですね。3階建ての寮で、1階に住んでいましたが、3階にトップの選手がいました。たまにトップの選手とお風呂で一緒になった時に、少し話をしたりすると、「うわー、すごいな」という感じになり、トップの選手から服のお下がりをもらいすごく喜んだ思い出もあります。本当に楽しかったですが、一番最初に親元を離れて寮に入り、一人で寝るとなった時に、「何かすごく寂しいな」とは思いました。これから自分で洗濯して、ここで生活していくことを考えたら、「マジか」と思いましたが、「住めば都」と言うように、助けてくれる方々や見守ってくれる方々も多かったので、問題はなかったです。

――当時、サッカーを辞めようとか、挫折したような経験はありませんでしたか?
長谷川 サッカーを辞めようと思ったことはないですね。挫折もあまりないかもしれませんが、プロ入り後に開幕から2試合連続フル出場した時に骨折(右足中足骨)したことがありました。3カ月ほど離脱することになりましたが、復帰3日後に同じところにヒビが入り、1年間くらい棒に振りました。長いケガで、「これから」という時だったので挫折になるのかなと思いますが、あの時にずっと試合に出ていたら今の自分もないと思いますし、ケガをすることによっていろんなことを学べましたから、後悔は全くありません。

――ちなみに、苦しい当時に支えはありましたか?
長谷川 チームメートはいろいろ助けてくれましたし、先輩方がいろんな話をしてくれたことは印象に残っています。苦しい時に何ができるか、そこで腐るか腐らないかが、今後どのような人間になるかというところですごく大事だとも聞いていました。そういう意味ではいろんな方々から話を聞けて支えられていましたね。サッカーをやりたい気持ちや、ケガをしてしまった事実に向き合えない自分もいましたけれど、年齢的にも若かったので。しかし、そういう経験が本当に活きているのかなと。今は苦しい時にやるべきことをしっかりやらないといけないと思える自分もいますし、苦しい時にしっかり整理して考えることのできる経験や知識が自分の中にあります。今後どういうサッカー人生になるかはわからないですし、そろそろ27歳ですから一人のしっかりした人間でいなければいけないと思います。

テーマは絶対的支配。長谷川アーリアジャスール選手が語る「ACE」の魅力

――新スパイク『ACE』の第一印象を聞かせてください。
長谷川 デザインは斬新ですが、3本線がしっかりと入っていて、アディダスの系譜を思い浮かべるようなデザインだと思いました。あとスタッドがすごく多いなと。最初見た時は、「トレシュー(トレーニングシューズ)?」かと(笑)。それは冗談ですけど、今までに『ACE』のようなソールは見たことありませんでした。

――43本のスタッドで構成される「トータルコントロールスタッド」ですが、ヨーロッパの粘土質のグラウンドで履かれてみていかがですか?
長谷川 『ACE』はヨーロッパのグラウンドでも全く滑りませんね。(固定式スタッドと取り換え式スタッドを)ミックスしたスパイクも履いていないですし、固定式で今のところは練習も試合もできています。本当に滑ることなく、しっかりグラウンドを噛んでいるイメージですね。蹴った時のインパクトや足へのフィット感もすごく良い感触があります。

――サッカー選手にとってスパイクは商売道具でもあると思いますが、長谷川選手にとってこだわりはありますか?
長谷川 商売道具というように、一番大事な物がスパイクだと思います。スパイクが合わなければパフォーマンスは落ちますし、合わない状況で足が痛いまま90分走れるかといえば、走ることはできません。そういう意味でも、サッカー選手にとって一番大事な物は、間違いなくスパイクだと思います。