2015.08.07

栗田監督が語る明治大のJ内定選手「和泉竜司は日本サッカー界のためにもっと羽ばたいていかなければいけない」

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インタビュー・写真=平柳麻衣

 すでに5名の選手のプロ入りが内定するなど、大学サッカー界で今最も注目を集めるチームの一つ、明治大学サッカー部。個性豊かな選手たちを率いる栗田大輔監督に話を聞いた。

20歳前後は人間的にも非常に伸びる年代

――明治大は現時点で5選手のJリーグクラブ加入が内定しています。栗田監督から見たそれぞれの選手の印象や特徴などを教えてください。まずはFW和泉竜司選手(名古屋グランパス加入内定)からお願いします。
栗田  和泉はやはり技術が高いですし、何より点が取れるFW。ボールも失わず、スピードもあり、大学サッカーの枠ではなく日本サッカー界のためにもっともっと羽ばたいていかなければいけない存在だと思います。

――明治大では今年キャプテンを務めています。
栗田 どちらかというと語るよりも、存在やプレーですべての人を納得させられるので、彼にはとにかく「大学サッカー界でぶっちぎりのナンバーワンになるようにこだわれ」と日頃から言っています。

――FW藤本佳希選手(ファジアーノ岡山加入内定)はいかがですか?
栗田 彼はFWですが、フィジカルが非常に強く、前を向いた時にスピードがあるので得点が取れるのですが、より細かい動きの質や決定力を磨けばもっと伸びていく選手だと感じています。

――今シーズン、先発で出場していない試合もありました。
栗田 けがの影響もありましたし、攻撃陣は今、和泉や木戸(皓貴)を始め、常に誰が出ても良い状態なので、特に藤本の調子が悪いわけではありません。彼がベストの状態ならば、やはり明治大のエースストライカーは藤本だと思っていますので。

――MF差波優人選手(ベガルタ仙台加入内定)は?
栗田 彼はゲームを作れるパサーです。後ろから守備もでき、長短蹴り分けられるパスとセットプレーのキックの質が特徴だと思います。彼も2年の途中から不動のレギュラーとして明治を引っ張ってきている存在です。今求めているのは運動量やタフさ。試合を決定づけるプレーをより一層高めていければ、面白い選手になると思っています。

――DF高橋諒選手(名古屋グランパス加入内定)はいかがですか?
栗田 彼の特徴はやはり左足。左サイドバックですがスピード、テクニック、フィジカル、すべて備わっている選手だと思っています。非常に特徴のあるドリブル突破やクロスは彼の武器ですし、一対一の守備の強さもある選手です。

――DF山越康平選手(大宮アルディージャ加入内定)は?
栗田 大学に入ってからすごく成長した選手ですね。元々ビルドアップや高さが特徴的な選手ですが、サッカーに向き合う姿勢が非常に素晴らしいので、どんどん自信が深まっているのだと思います。そういう意味では、この先プロに行っても活躍するだろうと確信しています。

――3年生の室屋成選手(2015シーズンFC東京特別強化指定/U-22日本代表)についてもお願いします。
栗田 彼は気持ちが非常に強いですし、運動量が豊富なDFです。すでにFC東京の特別強化指定選手になっていますが、やはりまだまだ足りないところがたくさんあるので、守備面の強化やクロスの精度などは、謙虚に追求していくよう日頃から言っています。彼はリオデジャネイロ・オリンピックを目指す代表メンバーに大学生として一人、ずっと選ばれていますが、やはり大学生よりもJリーグの選手が多く選出されています。ですので、彼にはレギュラーを取って、誰からも「室屋が良い」と言われるようになってオリンピックに行ってほしいなと思っています。

――今の4年生が抜けてしまった後の明治大は戦力ダウンを不安視する声もあります。
栗田 4年生が非常に目立っていますが、3年生以下もすごく良い選手が多いです。リーグ戦の出場経験は少ないので、来年以降はガラッと変わるかもしれませんが、新しい面が見られると思います。例えば柴戸(海)や木戸、GKの服部(一輝)、DF鳥海(晃司)など良い選手が出てきているので、それほど心配はしていないです。

――4年生が抜けても、また新しい良い選手が入ってくるという循環ができているのですね。
栗田 高校の時に実績のある選手が入ってくるので、きちんと向き合っていけば自ずと良いチームになっていくと思います。また、20歳前後というのはまだ人間的にも完成されてるわけではなく、非常に伸びる年代なので、高め合っていけば非常に良くなると思っています。

64名の選手全員が常に一生懸命やるのが明治大の特徴

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――今まで指導してきた中で印象に残っている選手はいますか?
栗田 僕はまだ明治大に来て3年なので、例えば長友佑都選手や山田大記選手は指導していないのですが、昨年卒業した選手の中ではGK三浦龍輝(現柏レイソル)ですね。彼が人間的にどんどん成長していく姿や、キャプテンとしてもがいている姿を見ていたので印象に残っています。あとはやはり、和泉竜司はなかなか見たことがないレベルの選手なので、彼にはこの先の日本サッカーを引っ張っていく存在になってほしいなと、一サッカーファンとして思っています。

――これだけプロや代表に入る選手がたくさんいると、やはりタイトル獲得へのプレッシャーは大きいですか?
栗田 選手自身が勝ちたいと思っていますし、僕ももちろん勝ちたい。しかし、やはり先のことをいろいろ見るとチームがブレてくるので、まずは一戦一戦きちっと勝ちきることが一番大事だなと。内容ももちろんですが、明治大の場合は勝ちながら内容を追求していくことでチームが一番まとまっていくので、そこにはこだわっています。

――練習方法や選手のメンタル指導などで、明治大らしさが出ている部分はありますか?
栗田 明治大は今64人部員がいますが、選手全員が常に一生懸命やるのが明治大の特徴です。出場機会に恵まれなかったりすると気持ちがめげてしまうこともあると思うのですが、明治大は64人の選手がお互いに高め合っています。

――では最後に、大学サッカーは日本サッカー界においてどんな存在であるべきだとお考えですか?
栗田 高校には部活があって、高校サッカー選手権が目標になりますが、大学もやはり大きなくくりで言うと部活だと思います。Jリーグクラブとは違い、一つの大学の中、体育会の中で切磋琢磨していくことが大学サッカーの特徴です。お金も絡んでいませんし、常に100パーセントの状態でサッカーに向き合えるんですよね。それとともに私生活の面や、部員同士で何かを高め合ったりしながら選手が成長していく場だと思っていますので、Jリーグクラブで育った選手と大学サッカーで育った選手が融合するとお互いに良い刺激になり、日本サッカーももっと発展していくのかなと思います。