小学4~6年生のフットサル大会「EXILE CUP 2015」。9番目の地域大会となる東北大会が、8月30日、山形県米沢市の米沢総合公園米沢市営人工芝フィールドで行われた。初の山形県開催のため、半数の24チームが山形県のチーム。残り半数は東北各地から集まり、48チームが今大会に参加した。雨で肌寒さを感じる中での開催となったが、子どもたちの熱気に溢れた大会となった。
開会式では大会サポーターのBREATHEの多田和也さんと宮田慧さん、劇団EXILEの八木将康さん、小野塚勇人さん、秋山真太郎さんが登場した。昨年も東北大会に登場したBREATHEの多田さんは「選手の皆さんから元気をいただいている」とコメント。劇団EXILEの秋山さんからは「最高の思い出を作ってほしい」と子どもたちにエールが贈られた。そして大会スペシャルサポーターEXILE USA考案のダンスを採り入れた「EXダンス体操」でウォーミングアップ。子どもたちは体操前に入念に練習した「Choo Choo TRAIN」の動きを見事に決めて、しっかり体を動かした。
午前中は予選リーグが行われた。48チームを12グループに分けリーグ戦を行い、1位の12チームと2位の12チーム中上位4チームを合わせた16チームが決勝トーナメント進出する。
予選リーグでは地元米沢市のチームも奮闘した。米沢フェニックス(山形県)佐藤憲哉監督は「せっかくさっき習ったので、楽しくやるために採り入れました」と試合前のアップに「EXダンス体操」の「Choo Choo TRAIN」を採り入れた。キャプテンの竹田壮汰君は「ダンスもいっぱいやれましたし、フットサルではチームプレーもできたので良かったです」と開会式だけでなく、何度も「EXダンス体操」を行ってダンスの楽しさも味わった。
アビーカ米沢FC(山形県)の渡部大輝監督は「5年生チームで参加しましたが、他県とも交流できていい大会でした。6年生のチームと対戦したので体格の面で厳しかったですが、体格以外の部分でやれるところを学べたと思います」と苦戦しながらも良い経験を積めたと振り返った。キャプテン三浦理夢君は「この後新人戦があるので、得点をいっぱい決めて勝てるように今日の経験を生かしたいです」と今後の抱負を語った。
こうして予選リーグが終了したが、一昨年準優勝、昨年優勝で今年も優勝候補と目されていたESTRELLAS.FC(福島県)が高畠蹴友SCスポーツ少年団(山形県)に敗れ、予選リーグ敗退。予選リーグの激しさを物語る結果となった。
そして決勝トーナメントの激戦を勝ち抜いたのは、地元山形県米沢市の北部FC(以下北部)、福島県郡山市の赤木サッカースポーツ少年団(以下赤木)、福島県川俣町の川俣フットサルクラブ(以下川俣)、福島県福島市のFORTE福島FC(以下FORTE)の4チーム。
準決勝は北部と赤木が対戦。ともに攻撃の鋭さが魅力のチームで、立ち上がりから激しく攻め合った。前半5分北部は片平大雅君のシュートのこぼれ球を佐藤碧斗君がゴールに押し込み先制。前半を1−0で終えた。後半赤木も反撃し、後半3分にキャプテン滝田遥人君が同点ゴールを決めた。しかし後半6分片平君が左サイドを突破してゴール前に折り返したボールを佐藤君が押し込むパターンで北部が連続ゴール。終了間際には今度は北部の佐藤君のパスを受けた片平君がゴールを決めて、4−1で北部が決勝進出を決めた。
赤木の滝田幸一朗監督は、キャプテン滝田君のお父さん。「攻撃は選手のアイデアに任せていたが、いいプレーがたくさん出た」と3位という結果を喜んだ。試合後悔し涙を流したキャプテンの滝田君は「強いチームとやれていい経験になれた。準決勝のように集中力が切れないようにして勝てるチームにしたい」と悔しさをバネに今後の目標を語った。
準決勝もう1試合は川俣とFORTEの対戦。川俣は2人の女子選手佐藤朱莉さん、渡邊さくらさんが多くのチャンスを作りだした。一方のFORTEは前半6分宇野禅斗君が強引な突破からゴールを決めて先制。後半1分には「目標とする選手は(エデン・)アザール」と語る勝倉侑生君がドリブル突破から追加点。2−0でFORTEが勝利した。
川俣の畑慎裕監督が「男の子よりも落ち着いていた」と語った佐藤さんと渡邊さん。二人とも将来のなでしこジャパン入りを目指し、JFAアカデミー福島への入学を目指しているという。いくつかのチームの選抜メンバーでこの大会のために組んだチームだったが、「みんなで協力してできた(佐藤さん)」「準決勝まで行けて嬉しかった(渡邊さん)」と団結して戦えたことを喜んだ。
そして決勝は北部とFORTEの対決。前半は北部がペースを握り、4分に片平君のシュートのこぼれ球を佐藤君が押し込み先制。後半立ち上がりはFORTEも宇野君が再三チャンスを作るが、惜しくも決められない場面が続いた。互いに最後まで勝利のために戦ったが、このまま1−0で試合終了。北部が地元米沢市開催の大会で初優勝を飾り、9月23日に愛媛県今治市の桜井海浜ふれあい広場サッカー場で行われる決勝大会出場を決めた。
惜しくも敗れたFORTEの佐藤厚監督は「夏休み遠征をたくさんやってまとめという位置付けの大会だった。決勝まで来ることができて粘り強さを出せた。自信を持ってもらいたいし、悔しさを全日本少年サッカー大会に向けたパワーにしてほしい」と遠征で積み上げた成果を出すことができ、手応えを感じた様子だった。ネイマールや岡崎慎司、遠藤保仁を目標とする宇野君は「できる最高のプレーはしたが、まだ全国大会には力不足だった」とあと一歩で優勝を逃したことを悔やんだ。
優勝した北部の舟山一貴監督は「佐藤君、片平君が爆発的に頑張ってくれた」と2人の活躍を褒め称えた。ハメス・ロドリゲスを目標の選手とする佐藤君は「緊張したが、自分なりのプレーができた」、ネイマールを目標の選手とする片平君は「みんなで勝ち取った優勝」と大会を振り返った。ともに目標は世界で戦える日本代表選手。この日見せた爆発的な攻撃力をぜひ今治の地でも見せてもらいたい。