2012.06.22

陸上選手からサッカー選手へ…代表デビューを果たした宮市亮の驚くべき成長速度

 サッカーキングが、「サッカーキングプラス」としてdocomo、au、SoftBankの公式サイトに登場しました。現在行われているブラジル・ワールドカップ出場権を懸けたアジア最終予選やユーロ2012の特集、イングランドやドイツ、スペインなど、ヨーロッパ初の特別書きおろしコラムなど、サッカーの”今”を伝える会員限定コンテンツが盛りだくさんです。

 今回は、ユース世代を中心に取材を続ける安藤隆人氏のコラムを展開するサッカーキングプラスのコンテンツ「ユース教授が振り返る才能たちの”原点”」の中から、日本代表の一員としてアジア最終予選3連戦を戦った宮市亮にスポットを当てたコラムを特別にサッカーキングで公開。

 中学時代から彼を見守り続けている筆者は、これまでの宮市の歩みをどのように捉えているのでしょうか?


[写真]=足立雅史

 宮市亮がついに代表デビューを飾った。5月24日に行われたキリンチャレンジカップのアゼルバイジャン戦。背番号11を背負った宮市は、62分に先制ゴールを挙げたる香川真司と代わって、ピッチに投入された。

 
 宮市は得意の左サイドで起用されると、ワイドに張ってボールを受けては、自慢のドリブル突破を披露。73分には右の本田圭佑、中央の岡崎慎司と繋いだボールを、左サイドで受けると、一気にカットインから右足シュート。これは相手GKに阻まれたものの、76分には左サイドをトップスピードでぶち抜いて、ファーサイドの岡崎へクロス。ゴールにはならなかったが、自らの持ち味は披露した。
 
「正直なところ凄く緊張していた」と苦笑しながらデビュー戦を振り返った彼は、まだ19歳。将来を嘱望される若きスピードアタッカーは、今、夢への階段を着実に上ろうとしている。
 
 思い起こせば彼を初めて見てから、もう6年以上経つが、いつもそのスピードに驚かされる。そのスピードと言うのは、彼の代名詞である走力はもちろんのこと、飛躍的な成長速度も含まれている。
 
 彼の中学時代のプレーは、サッカー選手と言うより陸上選手と言うほうがしっくりくるものだった。大きなストライド、しっかりとした手の振りから繰り出されるスピード。しかし、そのスピードは今のようなゴールに向かっていくものではなく、自陣から敵陣までの縦への仕掛けのスピードであった。
 
 陸上選手からサッカー選手へ。中学、高校と言う時の流れの中で、彼は徐々にフットボーラーとして形作られていく。そして、中京大中京高校の3年間で、彼の今のプレースタイルは確立された。スピードのベクトルは縦からゴールに切り替わり、左からの高速カットインは、彼の代名詞となった。
 
 そして、高校卒業後、彼は海を渡った。イングランドの名門・アーセナルからオランダの名門・フェイエノールトへレンタル移籍を果たすと、そこで彼はオランダ独特の一対一の攻防を肌で感じ、スピードに乗ったドリブルをさらに進化させた。そして昨シーズンは、同じプレミアリーグのボルトンにレンタル移籍し、そこでプレミアリーグを戦う術を身につけている。
 
 着実に世界のトップで戦える術と経験を身に着けている宮市。次に必要なものは、日本代表で生きる術だろう。
 
「デビューはいつも緊張するタイプなので今日は緊張した。でも、いい雰囲気でやれてよかった。フェイエノールトでもボルトンでも、いつも2戦目で点を取ったので代表でも2戦目で取りたい」

【プロフィール】
安藤隆人(あんどう・たかひと)
1978年2月9日生まれ。大学卒業後、5年半の銀行員生活を経て、サッカージャーナリストに転身。ユース年代の取材のために全国行脚を繰り返し、海外取材も精力的にこなす。今年1月には、これまでの自身の歩みと、取材を通して共に成長してきた本田圭佑、岡崎慎司、香川真司らとの歩みを一冊の本にまとめた『走り続ける才能たち 彼らと僕のサッカー人生』を出版。Numberや日経ビジネスアソシエにも寄稿。

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