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【第782回開催】J1クラブ番記者情報

2015.07.24

山形-新潟

■山形
2ndステージに入り、堅守を武器に3試合連続ドロー。特に前々節は浦和、前節はF東京と、1stステージの首位と2位を無失点に抑えている。
堅守好調の要因は新たに導入したシステムで、アルセウをアンカーに、宮阪政樹、松岡亮輔の3人のボランチを中盤に並べている。相手のバックラインまでプレッシャーを掛けにいくが、バイタルエリアのスペースのカバーリングがしやすく、隙の少ない守備を維持している。
しかし、堅守を支える松岡が23日の練習中に負傷し、今節の出場は難しいと見られている。ただ、今週はもう一人のボランチ日髙慶太や、ロメロ・フランク、川西翔太など攻撃的な選手を「3ボランチ」の一角に起用するプランもトレーニングし、不測の事態への備えはできている。山形は守備で無失点が続く一方、攻撃では2試合無得点と攻撃力アップが喫緊の課題となっている。松岡欠場の場合、攻撃に特徴のある選手を入れてオフェンス面のテコ入れを図ることはできるが、そこで守備のベースをどれだけ残せるのかも注目ポイントになりそうだ。
リーグ戦では9試合勝利から遠ざかっているが、新潟との前回対戦では多くの時間で主導権を握る試合運びができた。右に宮阪、左に石川と精度の高いキッカーを揃えるセットプレーでも得点を狙いながら、10試合ぶりの勝利を目指す。(totoONE編集部)

■新潟
前節の鳥栖戦で1-0と今季初めて完封勝利を収め、チームは勢いづきつつある。連戦で鳥栖に疲労の色がうかがえたことを差し引いても、セットプレーからの被シュート2本に抑えての完勝には自信を持っていいはずだ。
鳥栖戦では、セカンドボールをきっちり回収したことで主導権を握った。その効果は守備だけでなく、指宿洋史をターゲットにロングボールを当てる戦いでも発揮された。
攻めの幅をさらに広げると期待される存在が、横浜Mから期限付きで加入した佐藤優平だ。22日のトレーニングから合流すると、サイドハーフとして持ち前のスピードとテクニックを生かし、さっそく攻撃を活性化させている。佐藤も「監督からは中に絞って近い距離でプレーしてもいいと言われている。その方が自分の持ち味も出しやすい」と、ポジションに縛られない自由なプレーに意欲的だ。
もちろん、一つの勝利に浮かれているようでは、本当の意味での巻き返しは難しい。ましてや、今節は勝ち点17で並ぶ山形とのアウェイでの決戦。その勝利は1勝以上の意味を持つ。
山形戦のポイントは、夏の連戦でプレス、セカンドボール奪取のための運動量を維持できるかどうか。そのためにも、堅固な山形のブロックを崩そうと焦って不用意にボールを失い、守備で消耗することは避けたい。
我慢比べの展開も予想される中で、いかに新潟のハイテンポなペースに持ち込めるか。その時間が長くなるほど、勝ち点3に近づけるはずだ。(totoONE編集部)

鹿島-F東京

■鹿島
鹿島は21日、トニーニョ・セレーゾ監督の解任と、石井正忠新監督の就任を発表した。1stステージ8位、ACLは1次リーグで敗退。巻き返しを誓った2ndステージだが、新潟、清水、松本という下位クラブとの3連戦で1勝1分1敗と振るわなかった。クラブにとって、史上2例目となるシーズン途中の監督解任劇。選手に与える影響の大きさは計り知れないが、これまで出番のなかった選手にとっては、ある意味でチャンスにもなる。
22日には選手全員で決起集会を開催。選手会長の西大伍が音頭をとって、鹿嶋市内のブラジル料理店で昼食をとりながら、1人ずつ決意を述べた。西は「いい方向にいくと思う」話しており、チームが一丸となるために有意義な時間となったようだ。
左第5中足骨を痛めていた日本代表MF柴崎岳も、20日のMRI検査で患部の回復が見られ、復帰の予定。押しも押されぬ鹿島の中心選手の復帰は、一番のグッドニュースと言っていいだろう。ただ、監督交代から4日後の試合。準備不足の感はどうしても否めない。22日の練習では、元日本代表の本山雅志や、中村充孝が主力組に入るなど、石井新監督の色が徐々に出てきているが、どこまでフィットするかは未知数。先発メンバーは流動的な部分が多く、いきなり結果を求めるのは酷かもしれない。今季、ホームでは2勝2分4敗と相性は悪い。“鬼門”での戦いに注目が集まる。(totoONE編集部)

■F東京
前節は山形の堅守を崩しきることができず、スコアレスドロー。その中でも梶山陽平、太田宏介が相次いで負傷をし、前半のうちに2選手の交代を余儀なくされた。しかし、ボランチにポジションを変えた米本拓司や、急遽出場となった丸山祐市も好プレーを発揮。アクシデントにも動じず、状況の変化に対応し、誰が出場してもチームとして崩れなかったことは自信として良いはずだ。だが、梶山が長期離脱、右腿裏を痛めた太田は別メニューが続くとともに、東慶悟の状態も万全とは言えず、満身創痍の状態で鹿島との“大一番”を迎えることになる。
対鹿島戦では、2009年以降一度も勝利をつかめていないF東京。カシマサッカースタジアムでの勝利も、リーグ戦では2007年に挙げたわずか1勝のみ。F東京にとって、鹿島は常に目の前に立ちはだかる壁だ。電撃的な監督交代をした鹿島だが、石川直宏は「鹿島は鹿島。クラブの伝統として、常にシンプルに勝利に徹する戦いをしてくるだろう」と警戒を強める。それでも、「90分間を通して隙を作らず、一方で相手の隙を抜け目なく突く。これまでの鹿島のような戦いを僕たちが見せて勝ちたい」と力を込めた。
鹿島に対する苦手意識を払拭するためには、河野広貴、サンダサらを含め、新たなメンバーの健闘にも期待したいが、バランスを崩すと“いつもの鹿島戦と同じ”展開になりかねない。“鬼門”のアウェイでもあり、まずは確実に勝ち点1をもぎ取る粘り強さを求めたい。(totoONE編集部)

甲府-松本

■甲府
松本とは今季、ナビスコ杯を含めて2戦2敗。前節の湘南戦と同じ状況で、3度目の対戦を迎えるわけだが、過去2戦とは互いのチーム状態が大きく異なる。バレーの2発で快勝した湘南戦同様、今年のうちに借りは返しておきたい。だが、主将の山本英臣が脚の付け根の痛みのため、この一戦は欠場が濃厚。抜群の存在感で、攻守に渡ってゲームをコントロールするチームリーダーの不在は、大きな懸念材料だ。
替わってディフェンスラインの中央には、畑尾大翔が起用される見込み。序盤戦はレギュラーを務めながら、チームの低迷に合せるように出場機会を失い、このところ公式戦から遠ざかっていた。当然、期するモノがあるだろう。
「松本はこちらが予期しないタイミングでもロングボールを入れてきて、そこを起点に迫力をもって人数を掛けてくる。いつも(山本)オミさんから言われているように、感覚を研ぎ澄ませて、勢い良くセカンドボールを狙ってくる相手に、受け身にならずに対応したい」
新戦力の加入で「守備の規律が整理されて、攻撃では2トップでのショートカウンターが成立するようになっている」(佐久間悟監督)松本ではあるが、やはり注意すべきはロングスローを含めたセットプレー。高さのある畑尾の存在が、プラスに働くかもしれない。
年間順位表を見れば、いつの間にか降格圏16位の山形との勝ち点差が「7」まで広がり、6位横浜Mとは「4」差に迫った。ここでしっかり勝ち点3をモノにすれば、残留争いから次のステップへと戦いの場を移す可能性も見えてくる。(渡辺功)

■松本
前節で鹿島を2-0で下し、連敗を「7」で食い止めた松本。序盤のピンチをGK村山智彦の好守で凌ぐと、前半に2点を挙げて逃げ切った。全員が最初から最後までハードワークを怠らず、必死に走り回ってもぎ取った金星。今節も同じ水準のパフォーマンスを発揮できれば、勝ち点3を十分に狙えるだろう。
対戦する相手は隣県のライバル甲府。1stステージとナビスコ杯ではともに勝ったが、監督交代とバレー加入以降は対戦していないこともあり、楽観視はできない。甲府の強固なブロックに手こずって嫌なボールの失い方をすれば、バレーや阿部拓馬を軸とした鋭いカウンターの餌食になることは必定。オビナを活かしたバイタルエリアの攻略、または岩上祐三、岩間雄大らのミドルシュートでこじ開けられるかが、攻撃面での焦点だ。同程度に重要な攻撃時のリスク管理については、途中加入ながら3バックの中央に定着する安藤淳がバランスを取って対応したい。
ただ、連敗を止めたとはいえ、残留争いの渦中にいる苦境は変わらず、長かったトンネルを抜けた矢先につまずけば、再びチームに暗いムードが漂いかねない。また20日の練習試合で、新加入のブラジル人MFエリックが初出場したものの動きは重く、実戦投入はまだ先になりそう。このほか、故障離脱中のドリバは契約解除の方向で、代わりにアトレチコ・ミネイロでオビナとチームメートだったウィリアンスと仮契約。早期合流が実現すればチーム内の刺激になるだろう。(大枝令)

名古屋-浦和

■名古屋
前節の清水戦で、田中マルクス闘莉王がレッドカードを受け、今節は出場停止。その余波を受けて、3バックが前節から2人入れ替わることが予想される浦和との一戦は、守備に不安を抱えて挑むことになる。中盤の守備力強化のために考案した竹内彬のボランチも、チーム状況から実現できず、リーグ屈指の攻撃力を誇る1stステージ王者を相手にするには、やや心許ない部分もある。
だが、それ以上に期待が持てるのが、ここ2試合の名古屋の戦いぶりだ。G大阪戦では2点差をひっくり返し、清水戦では10人で2度のビハインドを帳消しにしてみせた。川又堅碁と永井謙佑、小屋松知哉のトリオの連係も高まってきており、得意のショートカウンターにもスピード感が増した印象。そこに前節の後半でハイパフォーマンスを見せた磯村亮太が加われば、縦への速さはさらに増す。磯村は清水戦でも、ハーフライン付近からペナルティエリア前の川又に決定的なスルーパスを送るなど、プレー精度も上がってきた。ボランチでコンビを組む育成組織の後輩である矢田旭にはないフィジカルの強さも持っており、守備と展開力という今のチームに不足する要素を補える存在としても、期待は大きい。
ホームゲームながらボールを支配される展開となるのは必至だけに、ここ2試合のしぶといゲーム運びは、良い予行演習になったはず。キャプテン不在で浦和に勝てば、その後吹いてくる追い風の大きさはどれほどか計り知れない。(今井雄一朗)

■浦和
浦和は前節、広島に1-2の逆転負けを喫し、開幕から続いていた無敗記録が19試合でストップ。ホーム全勝も止まった。2ndステージは勝ち点4で首位広島と「5」差。年間順位では首位の座を守っているが、広島に勝ち点「2」差に詰め寄られた。
敗れはしたものの、内容的には2ndステージ初戦の松本戦、第2節の山形戦よりも手応えのある試合ができていたため、下を向く選手はあまりいなかった。ただ、無敗記録が止まったことで、緊張の糸が切れてしまう心配はある。
年間順位で首位の座を守るためにも、名古屋戦での連敗は避けたいところだが、右ふくらはぎを痛めていた梅崎司が今週の練習でフル合流したのは朗報だ。今季の梅崎は、チームメートから「キレ崎」と言われるほどに好調を維持しており、活躍が期待される。広島戦を出場停止で欠場した那須大亮がディフェンスラインに戻ってくるのもプラス材料だ。また、東アジアカップに臨むハリルジャパンに浦和から5人が選ばれたが、なかでも柏木陽介と武藤雄樹は初招集のため、モチベーションは上がっているはず。士気の高いプレーを期待したい。
一方で気になるのは、一部選手のコンディションが下降しているように見えること。暑い夏場に運動量を求められるサッカーをしていることで、メンバーが固定されてきた弊害が出始めているのかもしれない。(totoONE編集部)

神戸-G大阪

■神戸
前節の仙台とのアウェイ戦では、今季初の逆転勝利を収め、2ndステージの成績は2勝1分。首位の広島とともに無敗を続ける好スタートを切った。今節では、宿敵G大阪との関西ダービーに臨む。
湘南、仙台というハードワークを持ち味とする相手にもひるまず、ネルシーニョ監督の下で取り組む、ハードでタフ、そしてオーガナイズされた守備を展開。攻撃面では、右サイドの高橋峻希が3試合連続ゴールを決めれば、新加入のレアンドロもすでにフィット。加えて、仙台戦では、途中出場の小川慶治朗や渡邉千真も勝利に貢献するなど、選手層も含めて攻め手の幅も広がりつつある。攻守とも上げ潮ムードのなかで迎えるG大阪戦で、約3カ月ぶりのホーム戦勝利、J1ホーム通算100勝を今度こそ実現させたい。
1stステージでのG大阪戦はスコアレスドロー。“天敵”宇佐美貴史や、昨季の対戦で3得点を決められたパトリックを、ブエノや高橋祥平らのハードマークで完封し、互角の戦いを繰り広げた。今回も相手2トップを抑え込むことが勝利への必須ポイントであり、成熟しつつある攻撃で2年ぶりのG大阪戦勝利をもぎ取りたい。古巣対決となるレアンドロの復帰後ホーム初得点に期待がかかる。
ちょうど1年前のノエビアスタジアム神戸でのG大阪戦では1-5と大敗。そのリベンジを果たすことが、悲願の初タイトル、ステージ制覇への弾みとなるはずだ。(totoONE編集部)

■G大阪
23日に発表された東アジアカップに臨む日本代表に6人が選出されたG大阪。中でも倉田秋、米倉恒貴は待望の初選出で「しっかりとアピールして定着できるよう、必死に頑張ってきます(倉田)」、「未知の場所ですがしっかりと自分をアピールしてきたい(米倉)」と意気込みを語っている。
ここ3試合、先行しながらも勝ち切れない試合が続いているG大阪だが、彼ら2人を含め、Jクラブでは最多選出となったプライドにかけても、今節こそすっきり白星を手に入れたい。
ただ、コンディションは厳しい。直近のJ1・2nd第6節鳥栖戦は、スルガ銀行チャンピオンシップ出場のためイレギュラーで開催されたことから、中2日での試合を強いられる。すなわち1週間ぶりに試合を迎える神戸とは明らかにコンディションに差があるが、これもある意味、王者だからこその試練。また、パスでリズムを作るチームゆえ、ノエビアスタジアムのピッチ状態も気になるところだが「僕らはACLでもっと劣悪なピッチでの試合を経験している。相手も同じ条件だし言い訳にはしない」と倉田は言う。もちろん、その上で「今節こそ神戸の守備をこじあけて勝つ」と。その倉田はもちろん、対神戸戦での連続ゴールは止まったものの、絶対的な“神戸キラー”宇佐美貴史を含めて、攻撃がより加速すれば、4試合ぶりの白星が手に入るはずだ。(totoONE編集部)

鳥栖-湘南

■鳥栖
G大阪が8月にスルガ銀行チャンピオンシップに出場するため、22日に行なわれたJ1・2nd第6節から、鳥栖は中2日での試合となる。7月6連戦の5試合目で、コンディションがどこまで回復しているか。
しかも、前々節の新潟戦で豊田陽平、前節のG大阪戦で池田圭と、前線の2人が負傷して今節の出場が微妙な状況。だが、前節のG大阪戦で鎌田大地が同点ゴールを決めて、アウェイで貴重な勝ち点1を手にした。
課題の守備も徐々に改善されつつある。2ndステージに入ってからも失点は続いているが、G大阪戦は3バックに変更してPKによる1失点に抑える及第点。湘南には1stステージの対戦で2-4で敗れている。FW2人の出場は微妙だが、整理された守備と相手を上回る走力を、ハードスケジュールの中でどこまで見せられるかも、勝利へのポイントになる。
森下仁志監督はこの連戦を「強くなるための過程と選手に言い聞かせてやっている。万全の湘南よりも走るぐらいの気合を見せたい」と意気込んだ。また、今節と次節は入場者に、福岡ソフトバンクホークス「鷹の祭典2015」コラボユニフォームがプレゼントされる。特別な黄色のユニフォームに染まったスタンドを見て、鳥栖の選手が燃えないわけがない。4月以来となるリーグ戦のホーム勝利に向けて、鳥栖はハードワークを続ける。(荒木英喜)

■湘南
4月末にホームで行なわれた鳥栖との前回対戦では、ボールへの執着心や走力、縦の意識などチームとして大切にしている原点を見つめ直し、その時点で今季最多の4得点を挙げた。セットプレーからの失点は反省材料だったが、連敗を「3」で止める意義深い勝利だった。
1stステージの結果は、しかし敗れた相手にとっては、今節のモチベーションをより高める要素となろう。加えて、湘南は近年ベアスタで勝てていない。J1で対戦した2013年、J2の2009年、2011年と直近は3戦3敗、今季のナビスコ杯予選もスコアレスで90分を終えている。
前回対戦の2失点はフリーキックとロングスローからだった。だが、湘南は以降、前節の甲府戦こそPKで失点したものの、鳥栖が強みとしているセットプレーに対する守備は安定している。今節も引き続き集中し、相手のストロングを封じたい。オープンプレーも然りだ。
前節の甲府戦では、徹底してスペースを消す相手のブロックを崩し切れず、逆に数少ないチャンスを決められ、リーグ戦6試合ぶりの無得点とともに4試合ぶりの黒星を刻んだ。攻守に伸びしろはあろう。ただ、縦へのチャレンジを弛まずに貫いた彼らの姿勢、チームとして大切にしている原点は、勝敗によって揺らぐものではない。
目の前の一戦に向け、集中力高いトレーニングは今週も続けられている。互いに良さを出し合い白熱する印象の両者の対戦、濃密な90分が期待される。(隈元大吾)

仙台-柏

■仙台
仙台は2ndステージで3試合を終えて1分2敗。まだ勝利がなく、ステージ順位は最下位に沈んでいる。出入りの激しい試合あり、スコアレスドローありと内容も安定していないが、ゲームプラン自体に問題があるというより、勝負どころでの踏ん張りが利いていない印象だ。
特に守備面では前節神戸戦のように短時間で連続失点を喫したり、J1・2nd第1節の広島戦のように、ミスが失点に結びついたりという場面が多い。攻守のバランスを改善する上で、仙台には「いい守備からいい攻撃へ」という基本的な流れがある。守備の安定から攻撃の厚みにつなげるという得意な試合運びに持ちこみたい。
また、右SBの菅井直樹が前節を負傷で欠場。前節までの連戦でのダメージの蓄積もあり、今節での復帰は厳しいか。このポジションに入ると思われる蜂須賀孝治の健闘に期待したい。
一方、石川直樹が長期離脱から戦線復帰することは好材料。CBと左SBをこなすこのDFは、前節にベンチ入り。コンディションによっては、今節の先発もありうる。負傷していない選手にしても、連戦が一段落して一週間の準備期間を得られる。コンディションを整えて柏の攻撃に立ち向かいたい。石川直樹のほかにも渡部博文、鎌田次郎らは元柏の選手。彼らの支える守備からいいリズムを作り、仙台は勝利したい。(totoONE編集部)

■柏
工藤壮人のクラブJ1ゴール記録更新のメモリアル弾で、今季初の連勝を飾った柏。しかも2試合連続無失点と、守備面にも粘り強さが出てきており、非常に良い状態にある。ただ、ここ2試合の相手は横浜M、川崎と攻撃的なチームが相手だった。柏は、ストロングポイントを前面に押し出して前から出てくる相手との相性は良いが、逆に自陣にブロックを敷き、堅い守備から鋭いカウンターを見舞うチームを苦手としている。ちょうど今節の対戦相手、仙台のようなチームだ。
今節の大きなポイントは、柏が「どうやって仙台の守備を攻略するか」にある。直近の2試合は完封勝利で連勝中とはいえ、若干守備に比重を置く展開となり、攻撃面には迫力を欠いたことは否めない。それでも、少しずつ問題点はクリアされ、J1・2nd第2節の横浜M戦より第3節の川崎戦の方がスペースを突き、能動的な攻撃を仕掛けるようにはなっている。流れの中からの得点が少ないのは気になるが、川崎戦のように中央の守備をショートパスで切り崩したテンポの良いパス回しができれば、仙台の堅守攻略も不可能ではない。
そして、気になるのはエデルソンである。今週は異例の“4日連続非公開練習”を敷き、完全に情報を遮断した。裏を返せば、これはエデルソンが出場する可能性が高いことを意味するものではないだろうか。登録の問題がクリアになれば、仙台の地でエデルソンがついにそのベールを脱ぐ。(鈴木潤)

川崎-清水

■川崎
前節柏に敗戦し、スタートダッシュに失敗。“レナト・ショック”に加え、大久保嘉人は3試合連続無得点。自慢の得点力も湿りがちだ。
そんな中、チームの明るい材料となっているのが、ドイツのボーフムから3年半ぶりに復帰した田坂祐介である。前節柏戦で初先発を果たすと、力強い仕掛けと臨機応変な判断力で、局面を打開。チームに個の輝きを埋没させることなく、自分の持ち味を出し切る適応力は、さすがである。前節の右ウィングではなく、今節は左ウィングとしての起用になりそうだが、そこも問題なし。「ドイツでも右も左もやっていました。日本にいる時からボランチもやっていたので、色々なポジションをこなせるのは、自分の特徴でもある。うまくポジションを変えながら、その時に一番必要なプレーができたらと思ってます」と自信をのぞかせる。ならば期待は、復帰後の初ゴールだ。「早く点を取れば、メンタル的にも楽になると思います」。“レナト・ショック”を“タサカ”が払拭できるか。
チームとしては、右脚を負傷離脱していた武岡優斗が戦列に復帰。これによりエウシーニョを高い位置で起用でき、得点力の向上も期待できる。
大榎克己監督就任以降、リーグ戦に限れば、清水戦は2戦2敗と苦戦が続いている。今節から出場が可能になる鄭大世、GKの杉山力裕は等々力で迎えるサポーターにとっても楽しみだろう。優勝のために連敗は許されない。(いしかわごう)

■清水
2ndステージに入って2分1敗と、未だ勝利がない清水。前節の名古屋戦は10人の相手に2度のリードを追いつかれ、勝つべき試合を逃してしまった。1stステージから6戦勝ちなしで、守り切るべきところで守り切れないという問題が解決していない。リードしていても自信より不安のほうが大きくなってしまい、余計に冷静な守備ができないという悪循環が見え隠れする。
それを克服するには、やはり最小限の失点で勝利を重ねることが必要だろうが、その意味では光明もいくつかある。まず大きいのは鄭大世の加入だ。今節の古巣対決から出場が予想される鄭は、ゴール前での決定力だけでなく、前線での力強い競り合いやキープ、献身的な前からの守備、そして若いチームを牽引するメンタルの強さなど、今の清水に必要な要素を数多く備えている。うまくはまればチームの空気を変えてくれる可能性もある選手だ。
また、守備面ではカルフィン・ヨン・ア・ピンが左太ももの張りで出場できない可能性があるが、平岡康裕の実戦復帰が近づいており、好調なGK杉山力裕も古巣相手でさらに気合が入るだろう。
攻撃陣でも、村田和哉に続いて白崎凌兵もけがから復帰し、ジョーカー役にも事欠かない。5-2で勝利した5月30日の対戦からもわかるように、川崎に勝つには前線からの組織的なプレスが欠かせないが、鄭が入った中でそれがプラスに作用するのか、逆に連係不足のほうが目立つのか。そこも勝負の分かれ目となるだろう。(前島芳雄)

広島-横浜M

■広島
前半から1stステージ王者浦和に主導権を握られ、撃たれたシュートは23本。ペトロヴィッチ監督が「私が浦和に来て以来、最高の内容」と胸を張った浦和の素晴らしさが際だったことも確かだが、一方で広島の「ギアが上がっていなかった」(森保一監督)ことも事実。だが後半、指揮官の「自分たちの力を出しきるんだ。気持ちを見せろ」という激しい檄に選手が応え、浅野拓磨、青山敏弘のゴールで逆転勝ち。今季無敗の王者にリーグ戦20試合目で土をつけ、広島も浦和戦未勝利記録を「6」でストップしたこの試合終了後、感激に涙を流すサポーターも決して少なくなかったのだ。
ただ、内容的には決して明るいものばかりではない。9試合連続負けなしが続いているが、「修正点も多いし、全てがうまくいっているわけではない」と森﨑和幸が語るように甘い部分も多い。「右サイドでもプレーできる」とハリルホジッチ日本代表監督が名指しした塩谷司の復帰が長引き、まだ紅白戦にも参加できない状況。また、広島の浮上を支え、5得点6アシストと結果を残して「代表のリストに入っていた」とハリルホジッチ監督が語った柴﨑晃誠も、浦和戦で負傷。全治6週間の離脱となった。水本裕貴と浅野の2人が日本代表に選出されたことは喜ばしいニュースであり、2ndステージでリーグ唯一の3連勝を果たしたこともポジティブだが、横浜M戦に向けては不安材料を数多く抱えていることも事実である。(紫熊倶楽部 中野和也)

■横浜M
横浜Mが2ndステージ3試合で奪った勝ち点は、まだ「2」。7試合連続未勝利という苦しい状況が続いている。ただ、前節のG大阪戦は7試合ぶりの複数ゴールが決まり、2点ビハインドを追い付いた。それも最後は後半アディイショナルタイム、中村俊輔が得意の左足で約25メートルの直接FKを沈めた。J1歴代単独トップとなる18点目のFK弾。名手の今季初ゴールがチームを救ったことは、今後の浮上へのきっかけとなりそうだ。
喜田拓也が負傷中だが、出場停止だった右SB小林祐三が戻ることはプラス材料。また最前線は、1stステージは負傷で見せ場がなかったラフィーニャが、G大阪戦で途中出場。アデミウソンのゴールをアシストするなど頼もしく戦線復帰している。出番はなかったが、中町公祐も約2カ月ぶりのベンチ入りを果たしたりと、反撃の体勢は整ってきた印象がある。
短期決戦でこれ以上の出遅れは、何としても避けたい。8試合ぶりの勝ち点3を狙う今節、アウェイで戦うのは浦和の無敗記録を止めた好調の広島。実はその2ndステージ首位チームとは、今季の1stステージで敗れるまで、リーグ戦4連勝中だった。個人としては、伊藤翔が3試合連続ゴール中とキラーぶりを発揮。7試合で3ゴールの齋藤学が今週は別メニュー調整ということもあり、出場が微妙な状況ではあるが、両者はここ数試合で多くの決定機を作り出しており、今回も相性の良さを結果で示せるか。期待して良さそうだ。(totoONE編集部)

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