2015.06.06

チャンピオンズ決勝──ユヴェントス勝利の可能性を探る

写真=Getty Images 文=鈴木健一郎

 チャンピオンズ決勝まであと少し。イタリアびいきなのでユヴェントスの側に立って、この大一番の展望についてつらつらと書いてみたい。
大方の予想はバルセロナ。この10年で最も多くのタイトルを手にしたチームと、決勝進出が12年ぶりのチームとの対戦とあっては仕方ない。「メッシ・バルサ」が3度のCL制覇を成し遂げた時期、ユーヴェはセリエB陥落を含む暗黒期にいたのだから。

 あるオンラインブックメーカーのオッズは、バルサ勝利が1.61倍、90分間で決着付かず延長にもつれるのが4倍、ユーヴェ勝利が6倍。トウカイテイオーぐらい圧倒的にバルサ優位ということだ。さあ1992年の競馬の話でほとんどの人は「?」だろうが、有馬記念はメジロパーマーが痛快な大逃げの末に勝利している。誰もメジロパーマーが勝つとは思っていなかった(単勝4,940円、5番人気の馬が2着に入って馬連は31,550円。ユーヴェには是非ともメジロパーマーになってもらいたい。

 いかん、有馬記念は関係なかった(ちなみにライスシャワーから流してました)。

 まずは決勝だからと変な色気を出すことなく、「いつものサッカー」をやることが大事。まあ、堅実な智者アッレグリであれば心配する必要はない。FWからチーム一丸となった守備でまずはバルサの攻撃を止めること。バルサの哲学が「自分が走るのではなくボールを走らせる」のであれば、ユーヴェの哲学は「チーム一丸のハードワーク」だ。すべてを抑えるのは不可能だろうが、どこか狙いどころを定めて、そこだけは完璧に止める必要がある。ある程度は相手に振り回されてもいい。要所さえ締めていればいいのだ。

 守備面では、メッシがボールを欲しがり、中盤に下がったりサイドに流れたりする場面で自由を与えず、リズムに乗らせないこと。一度たりとも前を向いた状態でボールを持たせないぐらいのプレッシャーが必要となる。スアレスとネイマールは? 南米トリデンテは確かに強力だが、スペースさえ与えなければユーヴェ守備陣に止められないものではない。ドリブルのネイマールよりもフリーランのスアレスのほうが怖いが、できる、多分(そういうことにしておこう)。

鈴木健一郎
イタリア専門誌『CALCIO2002』(かるちょにーまるまるにー)編集長です。『サッカーゲームキング』の編集長もやっています。1973年生まれ、インザーギやヴィエリ、イチローや堺雅人と同い年。愕然とします。サッカー以外の趣味は野球、スポーツ以外の趣味は飲むこと。全くそうは見えませんが、日常会話レベルのイタリア語ができます。ただしボキャブラリーはサッカー方面に偏りすぎて、それを「日常会話」と呼べるかどうかは疑問。座右の銘は「一期一会」。二児の父(子煩悩)。
『サッカーキング・オピニオン』では、イタリアサッカーの最新トピックを時に真面目に、時にユルく紹介するとともに、1998年創刊の本誌アーカイブから懐かしく刺激的な記事を引っ張り出します。一緒に楽しみましょう。
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