1月31日、プレミアリーグ首位のチェルシーが、勝ち点差5で2位のマンチェスター・Cをホームのスタンフォード・ブリッジに迎えた。
これ以上、勝ち点差を離されてはならないマンCと、ここで一気に勝ち点差を8に引き離したいチェルシー。互いに勝ち点3を得たいが、敗戦も許されない同試合。厳しい戦いになるのが戦前から予想できた試合は、相手ボールに対してお互いにしっかりプレッシャーをかけ、ボールが動くと丁寧にディフェンスがスライドして対応する。
特にボールがサイドに移ると、両チームとも守備の数を1枚増やして対応していたのが新鮮だった。それは“精度の高いクロスを絶対に中央に送られてはいけない”という意識が両チームの選手に浸透していることだ。
首位のチェルシーは1トップのジエゴ・コスタが出場停止、司令塔のセスク・ファブレガスが負傷で欠場となり、ジョゼ・モウリーニョ監督らが座るベンチの後ろに私服で控えている。レギュラー2人の欠場は、サブも各国代表クラスで揃えているチェルシーでも相手がマンCでは気になるところ。
セスクの代役でダブルボランチの一角を勤めたのはラミレスだ。今シーズン、セスクの加入とボランチでの起用が優先されているため、出場機会が減ってしまっている。一緒に組むのは、このポジションでは異様に大きく感じるネマニャ・マティッチ。彼の強さは、五分のボールに当たりに行ったときに、どちらに転ぶかわからない状況でぶつかってみたらマティッチが持っている、という結果に落ち着くところだ。
チェルシーは守備を重視するモウリーニョ監督の下、この試合まで11試合で無失点。プレミアリーグのどのチームより多い。互いに1点を失いたくない気持ちが強くて個々の選手の集中力が高く、守備のほころびが出ない。そして、肉弾戦で有名なプレミアリーグの特徴を現すように、ボールを奪われるとマンCのFWセルヒオ・アグエロも強烈なスライディングタックルを見舞う。Jリーグの選手や日本代表の選手も、攻撃の選手の守備意識は高くなってきたが、もっと見習ってほしいと思うほどだ。

穴が出来ない両チームの守備にビッグチャンスもなかなか訪れない。だが、先に先制したのはチェルシーだった。マンCの守備のブロックの前方でブラニスラフ・イヴァノヴィッチが左サイドで守備ラインの裏を狙っていたエデン・アザールにピンポイントのパスを通す。トラップと同時に内にえぐったアザールはゴール前に早くて低いクロス。そこに飛び込んできたのがロイク・レミとオスカル。マンCの選手より先にボールに触ってゴールに押し込んだのは、D・コスタの代わりに先発したレミーだ。
しかし、マンCも1トップのアグエロにボールが渡るとゴールの匂いが生まれる。だが、守備の数で足りているチェルシーは簡単には崩れない。前半が終わろうとしたとき、マンCのシュートをGKティボー・クルトワがパンチングで逃れたが、そのボールは逆サイドでフリーのアグエロに。強烈なボレーシュートをつめていたダビド・シルバが触ってコースを変え、ゴールライン上に2人が戻っていたチェルシーゴールを割る。
そこまで、五分のボールに強かったマティッチが小さなミスでボールを奪われたところをマンCが見逃さなかった。レベルの高い試合では相手のミスを見逃さないでゴールに結びつける。

試合は両者が唯一のビッグチャンスにしっかり決めて、1-1の引き分け。勝ち点は5差のまま順位は変わらず。2位のマンCにも、まだまだタイトルのチャンスはある。

リーグタイトルを争うトップチームの試合らしく、ミスがほとんど無い試合だったが、ビッグチャンスにはしっかり決めるところは、アジアカップの準々決勝でUAE相手に数え切れないほどのビッグチャンスを決められなかった日本代表との差を感じるばかりだ。