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2015.01.30

C・ロナウドの王位を継ぐ者…絶対的エースの座を狙う2選手とは

「世界最高」の称号を欲しいままにしているクリスティアーノ・ロナウド。だが、彼の王位継承を虎視眈々と狙うチームメートが2人いる。現欧州王者の不動のエースからその座を受け継ぐのは果たしてどちらか。

James Rodriguez Gareth Bale
文=工藤拓
写真=ゲッティ イメージズ

衰え知らずの絶対的“キング”

 リーガ・エスパニョーラとチャンピオンズリーグ(CL)の得点王に輝いた昨シーズンに続き、今シーズンもクリスティアーノ・ロナウドの驚異的なゴールラッシュが続いている。CLのグループステージでは6試合で5ゴールを挙げて参加チーム中唯一の全勝通過に貢献。リーガでは第15節まで消化して14試合出場25得点という恐るべきペースで得点王争いをリードしている。2年連続3度目のバロンドール受賞も確実と言えそうな活躍ぶりだ。

 とはいえ、今年2月に30歳の誕生日を迎える彼のキャリアは恐らく今がピークだ。もちろん、もう数年はトップレベルで活躍するだろうが、今後もほぼ全試合にフル出場しながらハイペースでゴールを量産し続けられる保証はどこにもない。また、それ以前の問題として、彼があと何年レアル・マドリードでプレーするかも不透明だ。彼には2年も前から、古巣マンチェスター・ユナイテッドの復帰オファーが届いている。

 これまでロナウドとの関係悪化がたびたび報じられてきたフロレンティーノ・ペレス会長は、着々と「ポストCR7」探しを進めている。ギャレス・ベイル、ハメス・ロドリゲスと、現場の需要を無視して新たな天才アタッカーを2年連続で獲得したのも、彼が戦力面、マーケティング面の双方でロナウド依存からの脱却を試みている証だ。

 特にベイルはプレースタイルやポジションが重なる上、史上最高額の移籍金が支払われたことからも、文字どおりロナウドに取って代わる後継者として期待されていることが伺える。


ベイル J・ロドリゲス

覆しようのない脇役という立場

 ただし加入して1年半が経過した現在まで、ベイルがその期待に十分に応えられているか問われれば、恐らく多くの人が「ノー」と答えるのではないか。

 加入直後から攻撃の中心として王様然と振る舞うことが許されたロナウドとは違い、ベイルは最初からチームに君臨する絶対的エースの“脇役”としてプレーすることを求められてきた。しかも昨シーズンは腰痛で出遅れ、新たなプレー環境への適応にも時間が掛かった。そんな中でたびたび圧倒的な個の力を見せつけ、コパ・デル・レイとCLの決勝では2つの決定的なゴールを決めた。底知れぬポテンシャルを見せつけながら2つのタイトル獲得に貢献したのだから、1年目のパフォーマンスとしては上々の出来だったと言える。

 ところが更なる飛躍が期待された2年目は、ゴールやアシストの数が伸び悩んでいるだけでなく、プレー内容でも壁にぶち当たっている。ハメスやトニ・クロースの加入によりボールポゼッションと遅攻の質が高まってきたチームの中で、彼だけが周囲とのコンビネーションに向上が見られないのだ。しかも、昨シーズンと同様に守備時の切り替えの遅さやポジショニングのズレといった戦術的ミスが目立ち、カルロ・アンチェロッティ監督にとっての悩みの種の一つとなっている。

 それでも目玉補強として先発が約束されていた昨シーズンは、コンディションさえ良ければほぼ常にプレー機会を与えられてきた。だが、2年目は違う。新たな“特待生”であるハメスの加入に加え、昨シーズンのアンヘル・ディ・マリアを彷彿とさせる猛アピールで急激に出番を増やしている2年目のイスコまでが、彼のポジションを脅かし始めたからだ。

 テクニックを駆使したコンビネーションプレーの中で生きるタイプのハメスは、チームがポゼッションに傾倒したこともプラスとなり、複数のポジションでプレーしながらスムーズに自分の持ち味を発揮している。ただそれは攻撃面に限った話で、守備面ではベイルと同様、あるいはそれ以上に周囲の負担を増す要因となっているのも事実だ。

 中盤に守備専任の選手を起用せず、4-3-3と4-4-2の可変型システムで戦う現在のレアルにおいては、前線のロナウドを除いた全員に守備面でのハードワークが求められる。他クラブでは王様として伸び伸びプレーしてきた彼らも、レアルでは与えられたタスクをこなした上で、攻撃時はロナウドの脇役という立場を全うしなければならない。そのようなプレー環境にいる限り、ベイルもハメスもロナウドを超えることなどできないだろう。


ベイル J・ロドリゲス

王位継承へ、両者とも資格は十分

 もっとも、そう遠くない未来にロナウドが移籍した際、攻撃面で世界最高の能力を持つ2人がその特権を受け継ぐ筆頭候補であることは間違いない。タイプ的にはベイルのほうが近いが、今のチームにはハメスのほうがハマっている。いずれにせよ、どちらを中心に据えるかでチームの未来像、そして今後の2人のキャリアも少なからず変わってくるはずだ。

 果たしてレアルの新たなエースとしてフットボール界の歴史に名を刻むのはどちらになるのか。来シーズン以降に新たな候補者がひょっこり現れる可能性もあるだけに、結局は“流行りモノ”に目がないペレス会長の気分次第となるのだろう。

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