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2015.01.25

“真意”を掴む…インザーギ発言に見るイタリア記者の読み取り方/イタリア現地直送コラム

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ラツィオに敗れ、出口の見えないミラン [写真]=Getty Images

 2015年のミランは先日のサッスオーロ戦に続き、本拠地サン・シーロでアタランタに敗れるという情けない現状にある。移籍して初のスタメン出場となったアレッシオ・チェルチはシュート一本で見せ場も作れず、同じ右サイドのイニャツィオ・アバーテとのコンビネーションも噛み合わず、前半45分のみでベンチに下がった。後半にアディル・ラミが警告を受け、イエローの累積で次のラツィオ戦は出場できない(編集部注:24日のラツィオ戦は1-3で敗戦)。踏んだり蹴ったりのミランで、頭を抱えているのはフィリッポ・インザーギ監督だ。

 イタリアのマスコミでは、試合前日の定例会見や試合後の監督のコメントで、言葉の裏を読むのは重要な“仕事”だ。アタランタ戦の翌日、イタリア一の売上部数を誇る『ガゼッタ・デッロ・スポルト』のミラン担当であるG・B・オリヴェーロ記者が、ピッポ発言の意図を言い換え、解説してくれているので、ここで紹介したい。ちなみにオリヴェーロ記者はもともとミラン担当だったが、昨シーズンまで数年はユヴェントス番だった。そして今季また、ミランを担当することになった敏腕記者である。

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ミランのインザーギ監督 [写真]=Getty Images

●インザーギ監督「(チームについて)義務と意欲はこれで十分というわけではなく、我々は目を覚まさなければならない」
→ガゼッタ語訳『今は最下層民から脱出しなければならない』

●インザーギ監督「(シルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長について)もっと、より以上やらなければならない。これまで堂々としたサッカーを一度もできていない」
→ガゼッタ語訳『ユヴェントスとローマの選手たちはまた別のもの』

●インザーギ監督「(批判に対して)落ち着いた気持ちでいたことなど今までなかった。我々は監視下に置かれているのは当たり前で、クリスマスと年末年始の中断期間以前のチームに戻れるよう努力しなければならない」
→ガゼッタ語訳『もしこの今のミランの状態が私の責任なら、ナポリ戦(2-0)とローマ戦(0-0)の結果も私の功績ではないか』

●インザーギ監督「(ミラニスタのブーイングについて)私だってブーイングしただろう。次の試合では拍手を受けられるようにしたい」
→ガゼッタ語訳『辛抱だ、忍耐だ、我慢してくれ』

 巧妙にインザーギ監督の真意をくみ取っているように感じるのだが、いかがだろうか。同紙は同じページで「ミランの過ち」という記事も載せている。クラブ側の「選手たちの実力を見誤っていた。3位に相当する選手層ではない」と厳しい指摘をしている。

赤星敬子(あかほし・けいこ)。1969年1月14日生まれ。兵庫県出身。大学卒業後、91年に大阪日刊スポーツに入社。96年に退社後、サッカー好きが高じて97年1月に渡伊。99年夏からデイリースポーツ新聞社通信員として活動を始める。イタリア・サッカーやセリエAの日本人選手について、雑誌や携帯サイトなどに執筆中。イタリア・ジャーナリスト協会会員。ミラノ在住。

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