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降格圏転落のシュトゥットガルト、中断期間で浮上できるか/ドイツ現地直送コラム

2014.11.13

of Bremen is challenged by of Stuttgart during the Bundesliga match between SV Werder Bremen and VfB Stuttgart at Weserstadion on November 8, 2014 in Bremen, Germany.

VfB Stuttgart v VfL Wolfsburg - Bundesliga
[写真]=Bongarts/Getty Images

 9日に行われたブンデスリーガ第11節で、暫定ながら最下位に沈んでいた日本代表MF香川真司所属のドルトムントは、ボルシアMGのオウンゴールにより1-0で勝利。連敗を「5」でストップさせ、降格圏を脱出している。そして、彼らの替わりに18位へ転落してしまったのは、同代表DF酒井高徳が所属するシュトゥットガルトだ。

 ここまで11試合を終えた時点で同クラブが稼いだ勝ち点はわずかに「9」。『サッカーの世界に単純な計算は成り立たない』という大前提はあるものの、このペースでいくと今シーズン終了時点でシュトゥットガルトが得られる勝ち点は、“計算上では”「28」となり、昨季の「32」を下回るレベル。また昨季の同時期で9ポイント以下だったのはフライブルク(8)、ニュルンベルク(7)、ブラウンシュヴァイク(7)の3クラブだが、このうち2クラブは降格の憂き目に遭っている。

SV Werder Bremen v VfB Stuttgart - Bundesliga
[写真]=Bongarts/Getty Images

 もちろん一昨季のアウクスブルク、3季前のフライブルクのように、前半戦で低迷して自動降格圏で年を越しながらも、奇跡的な残留を果たしたクラブも存在している。しかしながら4季前から12位→6位→12位→15位と成績が振るわず、今年9月下旬に現場の最高責任者であるフレディ・ボビッチ元チームマネージャーのクビを飛ばしながらも、現状ではいまだに後任が見つかっていない。また、11試合終了時点で25失点はクラブ史上最低の成績という有様だ。

 最大の原因は、指揮官であるアルミン・フェーに一貫性がないことだろう。第10節終了時点で23失点(セットプレーから7失点)を計上すると、それまでマンツーマンだったコーナーキック時の守備をゾーンディフェンスに変更。すると、前節のブレーメン戦ではそのコーナーキックから2失点を喫し、0-2で敗れている。

SV Werder Bremen v VfB Stuttgart - Bundesliga
[写真]=Bongarts/Getty Images

 主将のMFクリスティアン・ゲントナーが「ケルン、ヘルタ・ベルリン、ブレーメンのようなチームに全敗してしまえば、目標やテーマは1つ(残留)しかない。勝ち点だけが事実なんだ」と話し、酒井も「こんなに簡単にやられると…セットプレーで失点してしまうとどうしても試合の展開が壊れてしまう」と語るなど、選手らが危機感を持っている一方で、アルミン・フェー監督からは「セットプレーから(11試合で)計9失点なんて、考えもしていなかった」と、まるで他人事のようなコメントが聞こえてくる。

 国際Aマッチデーのためブンデスリーガは2週間の中断に入った。この間にチームがどのような変貌を遂げるのか、それらは全て指揮官の腕にかかっている。しかし、このまま下位に沈むことが続くのであれば、フェーの姿を見られるのは長くても今年いっぱいとなりそうだ。

鈴木智貴(すずき・としき)。1981年生まれ。静岡県天竜市(現:浜松市天竜区)出身。日本での社会人生活を経て、2010夏よりドイツ在住。現在デュッセルドルフのアマチュアクラブでU-12監督を務め、プロチームの指導者になるべく修行中の身。ドイツサッカー連盟公認C級(UEFA-B級)指導者ライセンスを取得。

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