個々の資質の高さを証明したグアム男子チーム
アジアの頂点を目ざす戦いが幕を開けた。15年7月に中国で開催されるEAFF東アジアカップ2015とEAFF女子アジアカップ2015の1次予選が、7月21日から25日にかけて行われたのだ。
EAFF東アジアカップ2015の1次予選には、グアム、マカオ、モンゴル、北マリアナ諸島の4チームが参加し、総当たりリーグ戦で争われた。2次予選へ進出できるのは1チームのみで、過去2大会はグアムが突破している。
フィリピンやインドなどのクラブに在籍する選手に加え、アメリカ本土のクラブや大学でプレーする選手をスカウトしているグアムは、今回も個々の資質が高い。
果たして、2012年からイングランド人のギャリー・ホワイト監督が率いるグアムは、前評判どおりの強さを発揮する。マカオとの初戦こそスコアレスドローに終わったものの、モンゴルとの第2戦は2対0で勝利。北マリアナ諸島との第3戦は5対0と快勝し、2次予選進出を決めたのだった。
北マリアナ諸島が大会初勝利
2位以下で特筆すべきは、北マリアナ諸島の戦いぶりだろう。マカオとの第2戦に2対1で勝利し、4度目の予選参加で大会初勝利を挙げたのだ。
大会直前にチームを託された日本人の関口潔監督は、「技術とフィジカルでは3カ国に劣るため、守備的な戦術で戦いました。また、選手が規律を持って戦術を遂行してくれました。セットプレーから数少ない決定機を生かすのも、我々の狙いどおりでした」と話す。
2010年から11年にも北マリアナ諸島の監督を務めたため、「ほとんどの選手の特徴は分かっていた」ことも、歴史的な勝利につながったのだろう。
1次予選を突破したグアムは、11月にチャイニーズ・タイペイ、香港、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との2次予選に挑む。
ホワイト監督は「北朝鮮のように国際的に認知されたチームとの対戦で、我々のクオリティを示したい」と闘志を燃やす。
グアムと対戦した関口監督によれば、「徐々にレベルが上がっている4カ国のなかで、グアムは個々のレベルも戦術的にも抜きん出ていた。2次予選で旋風を巻き起こす可能性がある」と分析する。グアムの戦いぶりには、今後も注目だ。