2014.04.19

[アーセナル、覚醒の歴史]ロベール・ピレス…テクニックで魅せた“アンリの恋人”

[ワールドサッカーキング1405号掲載]

レジェンドとしてクラブ史に悠然と名を残す彼らも、始めからサポーターに愛される存在だったわけではない。試練を乗り越えた末の“覚醒”――そして彼らは伝説になった。
Fulham v Arsenal
文=フットメディア Text by Footmedia
写真=ゲッティ イメージズ Photo by Getty Images

 ロシツキ、ナスリ、カソルラといったアーセナル歴代のテクニシャンは、入団と同時に「ピレスとの比較」という宿命を背負ってプレーしてきた。2000年から6シーズンにわたってアーセナルの攻撃を彩った技巧派MFの影響力は、クラブにとってそれだけ絶大だったということだ。

 そんなピレスも、加入当初はプレミアリーグのフィジカルに戸惑い、「ひ弱すぎる」という批判にさらされていた。だが、彼の才能を信じたヴェンゲルはその後も我慢強く使い続け、ピレスの能力を引き出すことに成功。アンリ、ヴィエラ、ヴィルトールとともに形成した“フレンチ・コネクション”はリーグを席巻し、中でもアンリとの名コンビはファンを熱狂の渦に巻き込んだ。自らゴール前に顔を出すセンスにも長けたピレスはMFながら在籍6年間で通算84ゴールを記録。01-02シーズンには記者協会(FWA)が選ぶリーグ年間最優秀選手にも選ばれている。

 ピレスがいかに愛されていたかは、退団後のエピソードが物語っている。ビジャレアルに移籍した後の09年、チャンピオンズリーグで古巣との対戦が決まりロンドンに凱旋したピレスは、ファンからスタンディングオベーションで迎えられたのだ。「アーセナルのサポーターが過去の選手を忘れないことは知っていたけど、正直驚いた。胸が熱くなったよ」