ミッドウィークに行われた第30節ではマリオ・バロテッリのゴールにより、4位のフィオレンティーナを2-0で下したミラン。第29節にホームでラツィオと引き分け、解任説も浮上していたクラレンス・セードルフ監督は「全員がお互いにサポートし合おうという気持ちを見せた、それが今日の最大の勝因」とコメント。カカーも「自分たちが『できたこと』をしっかりと振り返って、さらに勝ち点を重ねていくにはどうすればいいかを考えたい」とチームとして機能しつつあることを強調した。
ラツィオ戦で後半早々に交代を余儀なくされた本田圭佑は、フィオレンティーナでは希望するトップ下での出場はかなわなかったものの、攻守にわたってチームに献身的なパフォーマンスを披露。指揮官は「本田について疑う必要はないと伝えたい。彼は素晴らしい選手であり、イタリアのサッカーに適応しつつある。今日の試合でのパフォーマンスもとても良かったし、攻守両面で貢献していた」と、一定の評価を与えた。
第31節の対戦相手は、16位と降格圏をさまようキエーヴォ。年明けの12試合で2勝3分け7敗と負けが先行していたが、前節のボローニャ戦ではアルベルト・パロスキの2ゴールなどで3-0と快勝している。
この試合で注目すべき選手は古巣への凱旋となるパロスキだ。ミランの下部組織出身で17歳でトップデビューを果たすと初出場で初ゴールをマーク。ミランの将来を担う逸材と期待されたが、出場機会を求めて移籍したパルマとジェノアで目立った活躍ができず、昨シーズンに加入したキエーヴォでも5ゴールと「終わった選手」との評価が定着しつつあった。しかし、今シーズンは前節のボローニャ戦の2ゴールでセリエAで自身初の2桁ゴールを記録。“インザーギの後継者”として再び注目を集めている。
ミランはヨーロッパリーグの出場権を獲得するためにも必勝の試合となる。実力的にはミランが圧倒的に有利だが、キエーヴォも残留争いに巻き込まれないためにも最低でも勝ち点1は確保したいところ。キエーヴォは前節の快勝で復調のきっかけをつかんでいるだけに接戦となる可能性もあるだろう。