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“世界最高額の男”ベイル、R・マドリーへの思いを明かす

2013.12.11

2013 09 02 MADRID FUTBOL 13 14 PRESENTACION GARETH BALE FOTO: ANGEL MARTINEZ

 2013年、ギャレス・ベイルは長く複雑な夏を過ごした。自身の移籍を巡るトッテナムとレアル・マドリーの交渉は、両者ともに譲らないまま神経戦へと突入。3カ月間に及ぶ長期の交渉の末、ようやくR・マドリーの一員となったのは移籍マーケットの閉幕直前だった。

 フロレンティーノ・ペレス会長は当初からベイルの獲得に積極的で、ベイルも早い段階でR・マドリーに入団できるものと考えていた。ベイルは会長の言葉を信じてその時を待った。しかし、トッテナムのダニエル・リーヴィー会長は、移籍金を極限までつり上げるために巧妙に動いた。その結果、一時は交渉が暗礁に乗り上げるかと思わせるような局面もあった。

 もっとも、そんな状況下にあっても、ベイルはR・マドリーに移籍できると確信していたという。「僕は冷静だった。交渉がうまくいくものと信じていたからね。僕はマドリーに移籍することを望んでいたし、あとはペレス会長の言葉を信じて待つだけだと思っていた」

 彼の移籍には史上最高額の1億ユーロ(約140億円)の大金が動いたとも言われている。このことについて尋ねると、「移籍金? 僕自身とは関係のない話さ」と彼は一笑に付した。だが、重圧を感じていないはずはない。ベイルは“世界最高額の男”という大きなプレッシャーを背負った上で、R・マドリーで徐々に本来の輝きを放ち始めている。
BALE; FLORENTINO PEREZ

白いシャツを着て友達とプレーしていた

――君は長い交渉の末、マドリッドにやって来た。そもそも、R・マドリーというクラブをどう思っていたの?

ベイル 実は子供の頃からマドリーの大ファンだった。僕だけじゃない。家族全員がこのクラブを応援していたんだ。子供の頃、マドリーのシャツを着て撮った写真は今も持っている。ベイル家にとってマドリーは特別なチームだったのさ。

――R・マドリーのどんなところにひかれたのかな?

ベイル 僕が子供の頃、マドリーはまさに世界最高のチームだった。もちろん、現在も世界で最も偉大なチームの一つだけどね。今でも覚えていることがある。子供の頃、家族とバカンスでスペインへ行ったことがあってね。初めてマドリーのシャツを買ってもらったのはその時なんだ。その後、僕はマドリーの白いシャツを着て、近くの公園で友達とサッカーをしていた。マドリーの選手になったような気分でプレーしていたのを覚えているよ。

――ずっとR・マドリーのファンだったということだね。

ベイル そうさ。子供の頃からずっとこのクラブが好きだった。マドリーがどんなサッカーをしてきたのかをずっと見てきたし、この場所でどんな選手がプレーしていたのかもよく知っている。今はそんな憧れのチームで自分がプレーしているということが信じられないぐらいさ。

――外から見ていたR・マドリーと実際のR・マドリー、印象に違いはあった?

ベイル 入る前から偉大なクラブだということは分かっていた。そして実際に、思っていたとおりの偉大なクラブだったよ。マドリーの偉大さは並外れている。誰かがサッカーの話を始めると、必ずそこにマドリーの名前が出てくるんだ。このクラブの歴史はそのまま世界のサッカーの歴史でもある。そういう認識だったから、実際にロッカールームに入った時も特別に驚くことはなかったよ。すべてが予想どおりだった。思っていたようにすべてが素晴らしい。本当に偉大なクラブであることを実感しているよ。

クリスチアーノとはすごくいい関係にある

――R・マドリーに加入して既に3カ月が過ぎた。自らの決断に間違いはなかったと確信は持てたかな?

ベイル もちろん、間違いなかったと思っているし、決断を後押ししてくれた人たちには感謝している。今年の夏、まだ僕の去就が決まっていない時期に、多くの仲間がマドリー行きを勧めてくれた。(デイヴィッド)ベッカムは「何が何でもマドリーに行くべきだ」という内容のメールをくれたし、ここでのプレー経験がある(スティーヴ)マクマナマンや(ジョナサン)ウッドゲイトとも電話で話した。2人とも「マドリーは最高のクラブだ。最高のクラブでプレーするチャンスを絶対に逃してはいけない」と言ってくれた。マドリーの素晴らしさを熱心に語ってくれたんだよ。そして僕は今、実際にその素晴らしさを体験している。マクマナマンやウッドゲイトが言っていた以上に素晴らしい環境だと感じている。

――君の移籍金は史上最高額だったと言われている。高額の移籍金がプレッシャーになることはない?

ベイル 移籍金はあくまでもクラブ間で動くお金さ。僕自身とは直接関係のないものだと思っている。だからいくら大金が動こうと、僕がそれでプレッシャーを感じることはないんだ。ただ、世界最高のクラブでプレーするということには、かなりのプレッシャーを感じている。とにかく、今はプレーに集中したいね。世界最高のチームで、本来の自分のプレーを披露することだけに集中したい。周りにはトップレベルのプレーヤーが大勢いるから、彼らと一緒にプレーすることで僕自身もより成長できると信じている。今よりも、もっとうまくなりたいと思っているよ。

――高額の移籍金で加入したという点でクリスチアーノ・ロナウドと比較されることも多いと思う。かつて君と同じ境遇にいた“先輩”、C・ロナウドをどう見ている?

ベイル チームに合流したその日から、クリスチアーノが真のチームリーダーだということはすぐに分かった。ここでは全員が彼を目標にプレーしている。すべてがクリスチアーノを中心に動いているといった感じだよ。

――C・ロナウドへのライバル意識はないの?

ベイル ライバル意識だなんてとんでもない! むしろその逆さ。最初に会った時から、僕らはすごくいい関係にあるんだ。彼は真っ先に僕を受け入れてくれた。彼のおかげでチームの雰囲気になじむことができたと言ってもいいぐらいさ。彼はピッチ内外で僕の助けになってくれている。今、僕は彼と一緒にプレーすることを心からエンジョイしているんだ。僕らはゴールを決め、互いにアシストもしている。お互いに相手の良いところを引き出すようなプレーができていると思うよ。

――C・ロナウドを2013年のバロンドール候補に挙げる人は多い。君はどう思う?

ベイル 間違いないだろう。クリスチアーノがナンバーワンだ。現時点で彼に対抗できる選手はいないよ。ワールドカップ出場を懸けたスウェーデンとのプレーオフを見たでしょ? 彼は大きなプレッシャーが掛かった試合でハットトリックを達成し、ポルトガルを本大会へ導いた。大事な試合で力の差を見せつけ、偉大なプレーヤーであることを証明したんだ。リーガでもゴールを量産してマドリーに多くの勝利をもたらしている。バロンドールは彼以外に考えられない。

――君は相当、C・ロナウドに魅了されているようだね。

ベイル 君の言うとおりだ。僕は彼のドリブル、決定力、FK……すべてのプレーに魅了されている。それに、彼の人間性にもひかれているよ。クリスチアーノは最高のチームメートさ。

R・マドリーへの思いや、チームメートのC・ロナウドについて語ったベイルが、新天地での手応えに言及。インタビューの続きは、12月12日(木)発売のワールドサッカーキング2014年1月号でチェック!

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