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三田アナと前田さんのここだけの話「リーグ後半戦。総力戦で上位を目指せ!」/365日FC東京モバイル

2013.08.04

365日FC東京モバイル

<7月30日>
三田:23日に行われたサバデルとの親善試合は2-2の引き分けでした。いろいろと収穫もありましたね。

前田:なかなか面白かったね。親善試合ではあるけれど、東アジア杯のためJリーグが2週間中断となっったところでのトレーニングマッチという位置付けでもあった。

ベテランのルーカスなどは温存したけど、主力選手もある程度起用したし、そこに新しい選手も入れながらのメンバーだった。そういった点では、割としっかり戦ったかなという感じだね。

三田:そうですね。代表組は不在という中、普段のリーグ戦でのスタメン組と、けがから復帰した選手や新戦力を組み合わせながらの試合となりました。

前田:スタメンもそうだったし、後半もどんどん選手交代して、全員が出るような感じだったね。スコアこそ2-2の引き分けだったけど、勝敗がどうこうというよりも、普段出ていない選手がチャンスを得て、スペインの2部といってもレベルの高い相手とどれだけ戦えるかというところがポイントになった。

三田:サバデルの印象はいかがでしたか?

前田:東京にとって、今回の対戦はすごくいい勉強になったと思う。サバデルは足元がうまくて技術が高い。それに、フィジカルの強さ、ボディコンタクトの激しさを感じた。サッカーのスタイルとしては、スペインのチームらしくポゼッションというのを当たり前のようにやっている。

 東京と同じようなサッカーなんだけど、違うのはパスの精度やボールの収まり方。トラップやパスの質は、すごくレベルが高かった。それから最も感じた差は、いつも東京の課題として挙げていることなんだけど、サバデルは「縦パスのための横パス」がきちんとできているんだよね。だから、東京に一瞬の隙ができたときに、サバデルの中盤の選手が、いいタイミングでこちらの嫌なところにボールを入れてくる。

 東京もそこにプレッシャーを掛けていないわけじゃないけど、いつもと違うメンバーなのもあってか、サバデルのボールがしっかり収まっていたね。そこの意識の違いというか、レベルの高さは、スペイン2部とはいってもさすがだなと感じたよ。

三田:スコアの上では2-2の引き分けでしたね。

前田:後半はメンバーを入れ替えて、東京は石川、梶山、河野、平山、松田、大竹といった、普段出番のない選手が入ったりした。一方、相手は日本の蒸し暑い気候もあり、後半になると疲れが出てきた。そこで東京のフレッシュな選手がかなりチャンスをつくってはいたと思う。

 攻撃の面では、河野の巧みな細かいドリブルや裏への意識とか、平山の高さを生かして起点となるプレー、梶山の後ろでボールをさばけるところなど、要所、要所で持ち味は見られた。

 ただ、今チームとして取り組んでいることは、主に守備なんだよね。それがあってこそということを考えると、そこの意識はいまひとつだった。

一方でサバデルは、劣勢になりながらも、最後に9番の選手がクロスを胸トラップして反転しながらのシュートは本当にレベルが高かった。東京のDFも対応してはいるんだけど、相手はトラップする前に1度体を当てて、それで自分のスペースをつくり、トラップして反転してシュートを打っている。ちょっと日本の選手にはないテクニックだなと感じたね。そういう個のレベルの高さが感じられた。

三田:田辺選手はまだサバデルに合流したばかりですが、チームになじめそうですか?

前田:まだ周りの選手も草民(田辺)がどんな選手か理解していないし、信頼関係ができていないから、なかなかボールが回ってこなかったね。でも、草民もああいう厳しい中で、どうやって自分の特長を生かしながらそこのレベルに合わせていくかというのを学んでほしい。

自分の持ち味は消さずに、でも、まだまだ足りないところもあるから、生き残るためにはああいうレベルで試合に出て、周りの選手との温度差とかを感じて、同じレベルに自分を持っていかなきゃいけない。

三田:フィジカルの面などでも鍛える必要がありそうですね。

前田:そうだね。今回は相手が東京だから、そこまでの激しさはなかったけど、向こうの2部リーグは相当荒っぽいと思う。その中で自分の持ち味を出すには、今の草民のリズムだけではダメだと思う。そこは成長してほしいね。

三田:ポジション的には、サイドで起用されていますよね。

前田:2列目の左右どちらかだろうね。そこで細かい球際のテクニック、面白いプレーは少し見せていたけど、今回は相手が慣れ親しんだ相手というのもあった。向こうでは同じようにいかないだろうからね。

三田:東京は、リーグ戦では見られなかった選手のアピールなどもあったでしょうか。

前田:うーん、特に誰がというのもあまりなかったけど、ネマが先制点を挙げたよね。立ち上がりで点を取れたのはよかった。さっきも言ったように、後半は相手も疲れてミスが増えてきたから、東京の選手たちの攻撃面でのアピールはあった。河野が1ゴールを決めたけど、他は決めきれなかったね。平山も裏に抜け出てシュートを打ったけど、枠に行かなかった。

三田:久しぶりに東京でのプレーとなった梶山選手の印象はどうでしたか。

前田:梶山はボランチで途中出場したけど、相手がちょっと引いている中、後ろでボールをさばいている感じだった。特に何か目立った動きをしたという感じではなかったね。

三田:まだコンディションも万全ではないんでしょうね。ところで、この試合は東京にとっては久々の西が丘での開催となりました。

前田:なんだか新鮮だったね。観客との距離が近いのもあってか、ポポさんがいつもよりすごくおとなしいのが面白かった(笑)。ちょうどベンチが記者席の目の前で、ポポさんがよく見えたけど、いつもと違って静観している感じだったね。

 時折リアクションはあって、選手のプレーにあきれるようなジェスチャーを見せたりはしていたけど、言葉が相手チームにある程度分かってしまう恐れもあるからか、いつもよりかなり静かだった。

 それにしても、トラックのないサッカー専用スタジアムはやはり試合が見やすいし、臨場感があっていいよね。キャパシティーも少ないから、あまりチケットが売れていないと言われていたこの試合でも、それなりにいっぱい入っているような感じがした。

 僕も高校時代は学校がすぐ近くだったし、東京都大会の予選なんかは西が丘でやっていた。大学リーグも西が丘だったし、日本リーグ時代にもよく使っていたから懐かしかったけど、芝生がすごく良くなっていたのはびっくりしたな。それに、日本リーグ時代は西が丘でもお客さんで満員にはならなかったから、スタジアムが小さいという感じは全くしなかった。

 でも、今は親善試合とはいえそれなりにお客さんが入るから、すごく小さく感じたよね。昔はそん
なこと感じなかったから、それもなんだか新鮮だったなあ。

三田:キャパシティーの面ではなかなか難しいですが、たまにはこうして西が丘で試合をする機会があるといいですよね。

前田治(まえだ・おさむ) 昭和40(1965)年9月5日、福岡市出身。現役時代は横浜フリューゲルスのエースFWとして活躍し、Jリーグ通算103試合29得点、日本代表では40試合12得点の成績を残した。引退後はクラブチームのジュニアユースで監督を務める傍ら、各地のサッカー教室にも出向いて指導力、育成能力に磨きをかける。2004年から東京中日スポーツの評論記事「東京論」を執筆中。
三田涼子(みたりょうこ) 昭和53(1978)年6月20日 千葉県柏市出身。元TOKYO MXテレビアナウンサー。2003年から8年間にわたり、応援番組「FC東京ホットライン」のキャスターやJリーグ中継ピッチリポーターを務め、その後もFC東京の取材を継続中。現在はフリーアナウンサーとして、JFN(ジャパンエフエムネットワーク)及びTOKYOFMでニュースなどを担当。趣味はフットサル。

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