2013.06.23

母国でのW杯出場を夢見るネイマール「一生忘れられない経験になるはず」

[ワールドサッカーキング0704号掲載]

最高の笑顔を見せた入団セレモニーと入団会見。王国が生み出した最新の“至宝”は新天地にバルセロナを選んだ。1年後に控える母国での“祭典”でセレソンを頂点に導くべく、ネイマールが新たな道を歩み始める。
Brazil v Ecuador - Group B Copa America 2011
翻訳=川崎光雄、池田貴司 Translation by Mitsuo KAWASAKI, Takashi IKEDA
写真=足立雅史、ゲッティ イメージズ、アフロ Photo by Masashi ADACHI, Getty Images, AFLO
協力=サントスF.C. Cooperation by Santos F.C.

「夢が現実のものになっていることを幸せに感じている。今日という日は、自分と家族にとって、本当に素晴らしい日だ。神様からの最高のギフトだよ。自分が尊敬してきた偉大な選手たちと一緒にピッチに立てる。僕の人生で、新たな日々が始まるんだ」

 5万人を超えるファンに見守られたカンプ・ノウでの“お披露目”に続く会見で、ネイマールはバルセロナ入団の喜びをそう表現した。「バルセロナでネイマールが最善を尽くせることを願う。バルセロナが大きなチャレンジをネイマールに与え、その経験がブラジルでのワールドカップ(W杯)に還元されることを、私は確信している」

 サントスの大先輩であり、母国を3度の世界王者に導いた“キング”ペレは後輩のバルサ入りをそう祝福した。後半の言葉は、大多数のブラジル国民、そしてネイマール本人も願うところだろう。

 早々に飛び出した、今夏最大級の“ビッグディール”。ワールドカップの前哨戦でもあるコンフェデレーションズカップに参戦中のブラジルのエースは来る2013-14シーズン、挑戦の地で、いかなる足跡を刻むのか。ロマーリオ、ロナウド、リヴァウド、ロナウジーニョ――かつてカンプ・ノウを沸かせた偉大な先人たちが歩んだ道を、21歳の挑戦者はどう歩むのか。“宝石”の輝きに刮目せよ。

サポーターの応援がチームの力になる

――君のテクニックと個性的なプレースタイルはどうやって身についたものなのか教えてもらえるかな? 子供の頃はどんな練習をしていたの?

ネイマール 自分で言うのも何だけど(笑)、子供の頃から俊敏でスピードがあったんだ。僕の最大の特長はフェイントでマーカーを交わすこと。そういうプレーが好きだし、フットサルをやっていたことで身についた技術、狭いコートでのプレーで身につけたスピードやフェイント、テクニックを今もフルコートのフィールドで使っている。フットサルの経験が、今の自分にとってとても大きなものだと思う。

――ブラジルW杯まであと1年。周囲の期待やプレッシャーの高まりを感じている?

ネイマール ブラジルのサポーターはとにかくサッカーに熱心なんだ。セレソンの一員としてブラジルで開催されるW杯に出場できたら、一生忘れられない経験になると思う。考えるだけでワクワクするよ。周囲の期待が大きいことは感じているけど、それがプレッシャーになったりはしない。サポーターの応援がチームの力になる、いつもそう思っているからね。

――今のブラジル代表にはオスカルやルーカス・モウラといった若いタレントが多い。なぜブラジルには常に「若く優れた選手」が生まれるのだろう? また、君がオススメする「注目すべき若手選手」がいたら、ぜひ日本のファンに教えてほしい。

ネイマール ブラジル人はサッカーに情熱を持っている。それが僕たちのカルチャーでもあるんだ。ボールがあってそこに仲間が一人でもいれば、たちまち大イベントさ(笑)。家の中でもビーチでも、道路でも広場でも、場所はどこだってかまわない。来年のW杯ではルーカスとオスカルが多くのファンを喜ばせてくれると思うよ。僕も十分に若手だと思うけど(笑)、オススメの若手はみんなの目で見つけてほしいな。

――では、サントスで君の後継者と言われていたフェリーペ・アンデルソンはどういう選手なんだい?

ネイマール 彼のテクニックはとても優れている。両足で強いシュートが打てるし、人間性も素晴らしい。彼とはユース時代から友達で、その頃からプレーのクオリティーはとても高かったよ。

――代表では、オスカルと君のコンビが注目されているけど、彼とピッチに立つ時はどんな意識でプレーしているの?

ネイマール オスカルは同年代の選手だけど、既に偉大な選手としての地位を確立している。彼はパスの名手で、チェルシーでも大活躍しているよね。一緒に試合に出るようになって、まだそれほど時間は経っていないけど、とてもやりやすいし、ピッチ上ではお互いの求めていることがすぐに理解できたんだ。

――ブラジル代表の話を続けると、マノ・メネゼス監督時代のセレソンは、いわゆる「9番」を配置せず、前線の選手が次々とポジションを入れ替える流動的な攻撃スタイルを採用していた。君はこの戦術についてどう思っていたの?

ネイマール 僕はサッカーをするのが大好きだし、ボールとグラウンドがあればそれでいい。今は(ルイス・フェリーペ)スコラーリ監督が戦術的なことを決めている。僕たちにできるのは、彼がセレソンのためにベストの選択をしていると信じることだけさ。

――では質問を変えよう。小さい頃に憧れた選手は誰だい? それから、今、目標としている選手は?

ネイマール 僕のアイドルはずっとロビーニョなんだ。僕のプレースタイルは彼に似ていると思わないかい? スピードに乗ったドリブルや、フェイントの種類なんかもね。

――確かに似ているかもしれないね(笑)。では、次の質問だ。もし君が監督になってドリームチームを作れるとしたら、どんな選手を選ぶ?

ネイマール 僕が監督だったら、僕の仲間を集めたチームがドリームチームだね (笑)。クオリティーとコンビネーションはばっちりさ。

――もし他の選手の能力を自由にもらえるとしたら、誰のどんな能力がほしい?

ネイマール 特定の「誰」と答えるのはちょっと難しいな。常にいろいろな選手のプレーを参考にしているからね。「うまいな」と思うプレーがあれば、すぐにまねをして自分のスタイルに合わせてみるんだ。

――ブラジル代表の先輩であり、バルセロナの先輩にもなるリヴァウドは「ネイマールは経験を積むためにヨーロッパへ渡るべきだ」と主張していた。君はこの意見をどう思った?

ネイマール リヴァウドは尊敬しているプレーヤーの一人だし、僕のキャリアについてコメントやアドバイスをしてくれることはとてもうれしいよ。

――バルセロナへの移籍が決まるまで、世界中のビッグクラブの監督やスカウト、多くのファンが君の動向に注目していた。君はそうした状況をどう感じていたの?

ネイマール 素直にうれしかった。だってそうだろう? 優秀な監督たち、それも世界のビッグクラブの選手を指導している人たちが僕に注目してくれるなんて、もちろんうれしいよ。それは、サントスとセレソンで僕がいい仕事をしていた証でもあると思うからね。

――セレソンと言えば、今回のコンフェデレーションズカップの前にも、2012年10月にブラジル代表は日本代表と戦い、4-0で完勝した。日本代表はブラジルにとって簡単な相手だった? 忌憚のない印象を教えてほしい。

ネイマール 日本はしっかりとした組織力のある強いチームだ。4-0で勝利した昨年の試合も決して簡単なゲームではなかったけど、僕たちはいいプレーができたと思う。そもそもセレソンにとって楽なゲームなど存在しないし、どんな相手にも油断などできないけどね。

――日本戦では、相手の右サイドバック、内田篤人との間で激しいマッチアップが見られた。彼の印象はどうだった?

ネイマール 内田選手はボールを奪おうと、“忠実に”僕をマークしていた。マッチアップした印象としては嫌な相手。つまり、とてもいい選手だったよ(笑)。

母国で開催される2014年W杯への意気込みとは。ネイマールのインタビューの続きは、ワールドサッカーキング0704号でチェック!