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逆転優勝を諦めないアグエロ「可能性がゼロになるまで戦い続ける」

2013.04.08

[ワールドサッカーキング0418号掲載]
首位を走る“宿敵”に大差をつけられた“王者”。昨シーズン、自らのゴールでチームを優勝に導いた男が王座防衛への思い、そして自身の将来を語る。セルヒオ・アグエロ、“逆襲のシンボル”の言葉を聞け。
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インタビュー・文=デイヴィッド・マクドネル Interview and text by David McDONNELL
翻訳=栗原正夫 Translation by Masao KURIHARA
写真=千葉 格、ゲッティ イメージズ Photo by Itaru CHIBA, Getty Images

早速だけど、今シーズン、ここまでのマンチェスター・シティーについてどう感じているかな?

アグエロ(以下A)―率直に言うと、本当の力を発揮できていないゲームが多い。チームとして、本来の連係の良さや流れるようなプレーを出せていないし、今シーズンはライバルたちも僕らのことをより研究してきているから、そういった点が影響しているのも確かだ。例えば、シティーが1-3で敗れた2月のサウサンプトン戦、試合後、僕らは自分たちをしっかり見つめ直して、どんなプレーをしたか、振り返る必要があった。敵地からホームに戻る間、僕自身も、ピッチ上で一体何が起きたのかをずっと考えていたよ。でも、納得できるような答えは見つからなかった。勝つ時もあれば、負ける時もある。それが勝負の世界だけど、あの負け方はなかったね。ロベルト・マンチーニ監督も激怒していた。でも、それも仕方ない。監督として当然の権利だからね。

プレミアリーグの優勝争いで、マンチェスター・ユナイテッドに15ポイント差(第29節終了時点)をつけられている。その原因はどこにあると思う?

A―プレミアでは思いどおりの戦いができていないけど、それでも僕らは毎年レベルアップし続けている。プレミアリーグは競争の激しい世界最高のリーグだ。確かに今は苦戦しているけど、シティーはその中で強豪クラブとしての座を保っているんだから、何ら恥ずべきことはないと思う。いずれにせよ、リーグ戦では、もう1ポイントも落とさないようにしなければいけないね。

これだけの大差をつけられた今、マンチェスター・Cの逆転優勝の可能性についてはどう思う?

A―最高の形でリーグ戦を終わらせるチャンスはまだある、僕はそう思っているよ。自分たちに何ができるかは分かっているし、僕らはずっとそれを示してきた。このチームは常に勝利を目指すチームだ。ユナイテッドにこれだけリードされている現状を考えれば簡単とは言えないけど、僕としてはできると信じたい。たとえ無理だと言われても、プレミア連覇を諦めるなんて僕らにはできないからね。逆転優勝の可能性を信じているし、少なくとも、昨シーズンのように、最後の最後まで戦い続けることを誓うよ。ここには素晴らしい選手がそろっていて、誰もがチームのために全力で戦える。どんな逆境でも、誇りを胸にはねのける準備はできている。それが可能なのは昨シーズンで証明済み。ミッションの難易度は上がったかもしれないけど、同じことができないとは限らないからね。

話をチャンピオンズリーグ(以下CL)に移そう。残念ながら、マンチェスター・Cは今シーズンもグループリーグを突破できなかった。CLでは苦戦が続いているね。

A―僕の中では、シティーでCL優勝を成し遂げたい気持ちがより高まっているよ。僕らなら、必ず実現できるはずだ。今シーズンは確かに苦しんだ。ベスト8に進出したレアル・マドリーとドルトムントは優勝候補の一角だし、他にアヤックスもいて、かなり厳しいグループに振り分けられた。でも、僕らはこの経験から学んで、よりベストなチームになってまたチャレンジするつもりさ。CLは世界最高峰のクラブが一堂に会する大会だから、優勝するのは本当に難しい。だけど、メンバーの顔触れからしても、昨シーズンのチェルシーと同じことが僕らにもできるはずだ。思い出してごらんよ、昨シーズンのファイナルは誰もがバルセロナ対R・マドリーになると期待していたけど、実際には違ったよね。何が起きても不思議じゃない、それがサッカー界の“セオリー”なのさ。

シティーで欧州でのキャリアを終える

ここからは代表の話をしよう。ブラジル・ワールドカップ(以下W杯)の南米予選、アルゼンチン代表はここまで順調なのかな?

A―代表には素晴らしいメンバーが集まっていて、W杯への準備もここまではすごくうまくいっている。本大会ではいいプレーをしたいし、ブラジル代表のホームでW杯に優勝したい。ブラジルとのライバル関係や、本大会が久しぶりに南米で開催されることを思えば、W杯優勝はアルゼンチン人にとって、ものすごく意味のあることだからね。本番まで更にレベルアップするための時間はたっぷりあるし、実際にチームとして成長できている手応えもある。

プレミアリーグやCLと比べて、W杯はどう違うの?

A―僕にとって、W杯が最も重要な大会だね。次がプレミアリーグで、その次がCLかな。もちろん、プレミアで優勝するのだってとても大変なことだ。昨シーズンは僕らが優位に立って優勝できたけど、ユナイテッドとの優勝争いは最後の最後まで続いた。今シーズンは逆の立場になり、昨シーズン以上に苦しくなっているけど、逆転優勝への希望は捨てていないし、数字上の可能性がゼロになるまで戦い続けるよ。

ビッグネームぞろいのマンチェスター・Cでは、ポジション争いも大変だよね。

A―控えも含めて、レベルの高いメンバーがそろっている。その中から11人だけを選ばなきゃいけないなんて、監督は大変だよね。僕にはとても無理だ(笑)。先発に選ばれたい一心で、僕らは毎日必死だよ。

R・マドリーへの移籍のうわさを始め、君の将来については様々な臆測が飛び交っている。実際のところはどうなの?

A―僕の今後について周囲が関心を持っていることは知っているけど、正直な話、シティーで欧州でのキャリアを終える自分の姿も想像できるくらいなんだ。僕はシティーで本当に幸せだし、ありがたいことに周りから評価も得られている。居心地も最高だしね。移籍してまだ2年も経っていないのに、昔からずっとここにいるような気持ちになる時もある。サポーターともすごくいい関係だし、彼らを見ると昨シーズンの優勝と、優勝を決めた最終節のQPR戦での自分のゴールを思い出すよ。

なるほど、ここで本当に最高の時を過ごしているようだね。では、次が最後の質問だ。君は試合で着用したユニフォームや履いたスパイクを思い出の品としてコレクションしているそうだけど、それはどうして?

A―以前から、自分のミュージアムにユニフォームをコレクションしていたんだけど、同じようにスパイクもコレクションし始めたんだ。大事な試合に出場したり、ゴールを決めたりした時は、やっぱりユニフォーム以上にスパイクのほうが思い出になるよね。スパイクをコレクションしているのは、その瞬間が自分の人生にとって、そして僕や息子を愛してくれている人にとって、とても大切なものだからさ。そういう思い出の品は、マドリッドにある自分のミュージアムに置いてある。他にも、トロフィーやメダル、プレゼントしてもらったもの、あらゆる記念品がそこにあるんだ。たまに父から頼まれて、特定のゲームで履いたスパイクをプレゼントすることもあるんだけど、そういう場合は父が大切に保管してくれている。キャリアを終えたらアルゼンチンに戻るつもりだから、スパイクも一緒に持って帰る予定だけど、それまではマドリッドに置いておくよ。でも、昨シーズンの最終戦、終了間際のゴールでシティーの優勝を手繰り寄せたQPR戦で履いていたスパイクは誰にもあげるつもりはない。誰かにプレゼントするとしたら、息子くらいかな。いつの日か「そのスパイクを履いてプレーしたい」と言われたら、さすがに譲ってしまうだろうからね(笑)。

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