文=石井紘人
11月より『ホンマでっかTV』(フジテレビ)に動作解析の専門家として出演している夏嶋隆氏と、スポーツジャーナリストである石井紘人による三作目の書籍『足ゆび力 ~つま先を使うだけで一生健康でいられる~』が発売された。同著は、『サッカー小僧』での連載が大幅加筆されたもので、サッカー選手に多い足首、膝、腰の怪我について目から鱗の理論が記されている。ということで、今回は元日本代表FW久保竜彦と夏嶋氏の二人三脚での治療を同著から抜粋して紹介する。

足指トレーニングで長寿を目指す
長年、『浮き指』を放置したことで、膝痛や腰痛など体に多くの不調を感じている方は、足指を自分で握るようなことはできないと思います。出来たとしても、足指にかなりの痛みを感じるのではないでしょうか。実際に、そういった患者さんが夏嶋先生の元に多く来院されました。
ですが、こういった足指を曲げると痛む人こそ、足指トレーニングにトライした方が良いと私は思います。
『読売新聞』は長寿の秘訣を「厚生労働省の調査で市町村別の男性平均寿命が82・2歳で日本一となった長野県松川村の要因を探るアンケート調査が公表された。松本大の研究チームが、82・2歳以上の男性宅を訪ねて質問したもので、約9割が「趣味を楽しんでいる」と答えていることが分かった」と2014年11月19日に報じています。
長寿に結びつく趣味を楽しむためには、体が健康であることが前提になります。何度も記していますが、『浮き指』ではない人は、体の不調が少ないというのが近年の定説となっています。長寿のためにも、体を健康にする足指トレーニングに取り組んでみては如何でしょうか?
五章:足指の環境を変えて行こう
動作解析のスペシャリストで、メディカルトレーナーである夏嶋隆先生の元には、今も多くのアスリートが治療やトレーニングに来ます。『Getsports』(テレビ朝日)では、元サッカー日本代表選手で“ゴン”という愛称で親しまれていた中山雅史さんがトレーニングしている様子が取り上げられました。
夏嶋先生の元に足を運んだ多くのアスリートが、夏嶋先生への感謝を口にします。元サッカー日本代表の久保竜彦さんは、「自分の人生に影響を与えた人は誰ですか?」という質問に「(山形県にいる)断食(道場)の先生。サッカー関係は、高校の先生と、「FWやってみいや」っていった河内(勝幸)さん。あと、ジーコも巧ぁって思ったね。(膝が悪いから)こんな歩き方(ひょこひょこ歩き)してんのに、ミニゲームとかになるとめっちゃ巧い。でも、一番は夏嶋先生。命の恩人のような恩人というか。師匠じゃないけど、人間に大事な感覚というのをよみがえらせてくれた。あそこで夏嶋先生に会わんかったら、どんな人生になってしまったんやろって思います」と語っていました。
そんな久保さんの怪我を、夏嶋先生はどのように動作解析していたのでしょうか?
「最初に見た時に、すぐに『浮き指』を指摘しました。足の指と、膝、腰が繋がっているという説明をしたのですが、本人はピンと来なかったようです。タツ(久保さん)は、腰だけをケアして欲しいみたいなので、応急処置はしました。でも、『足指を鍛えないと、腰だけじゃなくて、膝も痛くなる』と何度も繰り返しました」
夏嶋先生の応急処置を受け、久保さんは試合に出られるようになります。それもあり、夏嶋先生の元に足を運ばなくなりました。すると翌年、腰の痛みが再発し、それは膝にまで及びました。久保さんは、試合はおろか、練習もできなくなり、日常生活にも支障をきたすようになってしまいます。そんな中、夏嶋先生と再会します。
「その時に、タツが所属していたチームの合宿が、私の職場の近くで行われていました。相変わらず、おかしなフォームで走り、首を傾げ、ストレッチばかりやっているんです(笑)『膝も痛むようになっただろ?』と聞いたら、『やばいです。もうサッカーを辞めようと思います』と答えたので、『だから、言ったじゃないか。まだ間に合うから、治さないか?』と声をかけました」
夏嶋先生は、まず久保さんの日常の動作、歩いている所をビデオにとりました。久保さんは、他のトレーナーから、左肩が下がっている走り方を指摘されていました。本人も、「意識して左肩を上げるんだけど、癖で下がるし、左肩を下げても痛みがなくなる訳ではないし」と振り返ります。しかし、左肩が下がる原因は、左肩にあった訳ではありません。
(こちらのコラムの続きは書籍『足ゆび力 ~つま先を使うだけで一生健康でいられる~』をご覧ください)
内容紹介
腰や膝の痛みにお悩みの方へ。足を揉んだり腰をさすったり、対処療法を繰り返しても良くならないという方は、自分の足を見てください。腰や膝に痛みを抱えている人の足の指は反り返っていることでしょう。ためしに足の指を握ってみてください。握ったつもりでも浮いてしまう指があるはずです。こうした足の指の状態を『浮き指』と言います。
『浮き指』の人は動いた時に、足首や膝が真っ直ぐ可動しません。内側に回り込むようにねじれます。こうした動きこそが、腰や膝の痛みを生み出します。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症を抱えた人はたくさんいます。しかし、痛みが出る人と出ない人がいます。正しく真っ直ぐ関節が動いている人は膝や腰が痛くならないのです。
からだを安定させ正常な可動を生むポイントが『足指』なのです。数々のトップアスリートの故障を治してきた、動作解析のプロフェッショナル・ 夏嶋隆とスポーツジャーナリスト石井紘人のコンビが教える足指の持つ力、そして足指の力を蘇らせる方法。ほとんどの人が気にもかけなかった『足指を握る力』が、痛みや不調を根本的に取り除くキーワードになります。国民病と闘うには『足ゆび力』を備えましょう。
<はじめに>
国民病の原因は「足指」にある
<1章>
足指は退化している
浮き指が不調を生む 浮き指とは何か?
拇指球を使うという風潮が足指を浮かせる
浮き指が生む足裏の痛み
浮き指が生むくるぶしの痛み
浮き指が生む膝の痛み
オスグッド症
<2章>
足指トレーニング
<3章>
足指と国民病
腰や膝はなぜ痛くなるのか 40歳以上でひざの痛みがある人は1800万
女性に必要な足指力
浮き指が生む腰の痛み
足の内旋を治す足指の力
足指力で長生きする 老化と腰痛を結びつけるのは間違い!?
高齢の方こそ足指を曲げよう
足指トレーニングで長寿を目指す
<コラム>
足指を鍛えれば、姿勢も治り、コルセットも不要に
<4章>
足を守る
足裏のアーチの重要性
アスリート歩行とは
ふくらはぎをもむよりも足指を握る
「こむら返り」をなくす方法
足の甲の伸びる靴をはこう
<5章>
夏嶋先生と久保竜彦氏の二人三脚での治療とは?
By サッカーキング編集部
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