サッカー好き30代男の生活の中にあるバーコードフットボーラー：第三回

第三回「サラリーマン、ゴールドガチャで補強する」

31歳。東中野に住み、八丁堀に勤めるサラリーマン。そんなどこにでもいる男が鶴の一声で始めたのは、スマホ用ゲーム『バーコードフットボーラー』だった。サラリーマンライフの脇にゲームを携え、男は徐々にその世界へのめり込んでいく――。

リーグ戦をこなし、上位リーグへ昇格を狙う。自由度の高いゲームだが、一つの大きな目標である

　一昨日の終業後、会社の同僚2（片方は今野似の男だ）と営業の外回りを終え、そのままの流れで会社近くの中華料理屋へ繰り出した。やたらと辛い春雨を出してくることで知られる店で、ウチの平社員はここの常連が多い。暗黙の線引きがあって会社の上役がこの店に来ることはないため、ここでの飲み会は8割方愚痴大会と化す。今野似の同僚は寡黙なヤツなのだが、酒を燃料にして舌のエンジンに火が入るタイプでこの日もすぐに止まらなくなった。結局、延々4時間のロングコースである。

昇格を果たせば、アイテムなどのご褒美もある

　一方、私はそんな彼を尻目にトイレに入るたびに「練習」をこなし、「リーグ戦」を1試合戦って席に戻るということを繰り返していた。ゲーム機を持ってトイレに入っていったら確実に「？マーク」を浮かべられてしまうだろうが、スマホであればそんなことはない。時と場所を選ばず、「何となく遊べる作りになっているのが、バーコードフットボーラーの魅力だろう。難しい操作もないので酔っ払いでもOKというのも強い。こうして試合と練習をこなしていくと「クラブマネー」というゲーム内通貨が蓄積されていく。これを使って前回紹介した「フレンドガチャ」とは異なる「シルバーガチャ」を引くことができる。試合はともかく練習でも金を集めるとは商魂たくましいクラブではないか。ガチャの結果は運次第だが、勝手にたまっていくポイントなので、クソ選手（失礼！）を引いてしまっても心理的なダメージはなく、逆に好選手が来れば儲けものといった感じである。またクラブマネーは、要らない選手を「売る」ことでも貯められる。また、「ゴールドガチャ」というのも存在する。こちらはチケット制となっており、チケット1枚で1回のガチャである。ログインを繰り返しているだけでもらえるし、いろいろな形で手に入る。ゴールドという名前ほど稀少な感じはなく、感覚的には「たまに引くガチャ」という感じだろうか。この二つのガチャだけでもなかなか良い選手を集められた。

シルバーガチャで中盤の要となってくれそうな強力なブラジル人MFゼーニョをゲット

ゴールドガチャでは、さらなる中盤の好選手が。弱々しかったミッドフィールドがかなり整備された

　そんな感じでゲームを進めていると、運営から気になるお知らせが出ていた。「第6回レベル別代表戦」というのが11月7日から開催されるらしい。「レベル別」という言葉どおり、初心者は初心者の大会に出られる設計のようだ。優勝するとアイテムやレア選手がもらえるようだ。これは当たって砕けろ。出てみるしかない。そのためにも期日までにチームを強くしておかなくては……。

レベル別に分かれているのが初心者にはうれしい。これなら「チンチン」にされて凹むだけということもなさそうだ

　まずはチームの戦術面を整えよう。「ユカえもん」に蹴散らされているようでは話にならない。それにしても、3-4-3、4-1-2-3、4-4-2F（フラット）……。なんというフォーメーションの多さだ。このフォーメーションは「練習」で取得していく方式であるが、選べるフォーメーションは一つだけ。好きなフォーメーションに合わせて選手をそろえるという道もありそうだが、初心者はいまいる選手の中での最適解を探るべきだろう。わが「八丁堀キング」は比較的FWの人材が多く、逆にMFは人材難なので3トップを採用。さらに強力なサイドバックのザ・アリマを生かし、なおかつ内山くんを使えるというメリットを考えて4バックを採用して4-3-3フラット（F）で戦うことに決めた。逆にサイドバックがいないなら3バックという考えもあるだろうし、ボランチに好選手が多いなら3ボランチという手もある。それぞれのチーム事情で判断するのがいいように思う。

多彩なフォーメーションは練習で獲得できる。問題はどのフォーメーションを採用するか……

きらきら光ってのプレーが「スキル」。これがそれぞれの選手の個性となっている

　次は実戦である。そこで意外に参考になるのが試合画面だ。誰がどういう動きをしているのかということはもちろん、どういったプレーにどの能力値が関係しているのかが一目瞭然。またプレーヤーごとに発揮される「スキル」を視認することも可能だ。たとえばスピードならサイドの攻防やカウンターで威力を発揮するのだなといったことが分かってくる。そうしてレベルアップで得られるボーナスを、ポジションごとに必要とされる能力値へと振っていくのだ。

能力値を割り振り。MFなら、まず必要なのは試合の支配力である「コントロール」だろうか

釜本秘書も折に触れてヒントをくれる。中には「え、そうだったの？」なんて思わせる情報も……

　おかげで随分と強くなった気はしてきた。とはいえ、所詮は初心者である。世の中には限界というものもある。こういうときに持つべきものは――そう、友達（フレンド）ではないか。ゲームを進めていくと、フレンドになろうというお誘いを受けることがある。もちろん自分から申し出ることもできる。基本的にフレンドが増えて悪いことはないので、そんなに断れる心配はないぞ。目に付いた人に申請してしまおう。
　リアルな友人がバーコードフットボーラーの先輩だったら、めっけもの。実は上級者とつながってしまうのが一番ラクな強化法ではないかという気さえしてくるはず。なにせ彼らにとって「要らない選手」であっても、初心者のチームに来ればエースクラスという例は珍しくない。また初心者同士であっても、「こんなにボランチばかり要らんわい！」という者と、「なんかGKばかりレア選手が来ちまった……」という人であれば、ウィンウィンの取引が可能である。

広がっていく友達の輪。これはソーシャルゲームの醍醐味とも言えるだろう

トレードは要らない選手を引き渡し、欲しいポジションを補強するというのが一つの理想型だ

　そんなわけで少しずつ強化が進んだ八丁堀キング。次回はいよいよ大会に“ガチ参加”。果たしてどういう結果が待っているのやら……。

編集・構成／川端暁彦

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第二回「サラリーマン生活の中のバーコードフットボーラー」

第一回「31歳サラリーマン バーコードフットボーラーを始める」

並行連載の「BFB PR担当ゆかり」のブログにもバーコードフットボーラー情報が掲載されています。

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