![pass zone[現代最高のパサーがパスを語る]Special INTERVIEW チャビ(バルセロナ/スペイン代表)](http://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/soccerking/files/user/images/pr/predator2012/xavi/xavi_main.jpg)

クラブレベルと代表レベルで世界のサッカー界の頂点に立ち続けたこの数年間で、チャビは自らの評価を確立した。小柄だし、ゴールを量産するタイプではなく、観客を総立ちにさせるフェイントもない。だが、「ボールを受けてパスを出す」という、流れるような一連の動きは美しく、チーム全体の連動性をリードする。この点で、チャビは世界的な名声を得るに至った。
32歳になった今、常に万全のコンディションでプレーするわけにはいかない。だが、「50試合を戦った後のユーロは肉体的にも精神的にもつらい」とこぼしながらも、最後は決まって「もう慣れたけどね」と笑う。そう、今のチャビの視界にはユーロ連覇しか入っていないのだ。
反復練習で技術を磨き丁寧にプレーすること
スペイン代表における君の役割を、改めて説明してもらえるかな?
チャビ 基本的には攻撃の組み立てということになるね。試合展開を読み、ボールをキープすべきか、すぐ前線に送るべきかを即座に判断することが求められている。特に注意しなくてはならないのは、パスミスをしないことだ。ポゼッションサッカーの弱点は、不用意にボールを奪われるとカウンターを浴びてしまうこと。だから常に正確なパスを心掛けているよ。
パスというスキルについて、君の考えをもう少し詳しく聞かせてほしい。さっき君は判断のことを口にしたけど、ポゼッションを重視する中で、前線にボールを送り込むべき瞬間をどう見極めるの?
チャビ すべてはリスクに対するバランス感覚だと思う。トップレベルになると、ボールをキープするだけでいいなら難しくない。相手が猛烈なプレスを仕掛けても、自分たちが連動して常にパスコースを作っていれば、ボールは奪われないものさ。だけど、それだけじゃチャンスは作れない。ピッチを広く使ったパスワークでポゼッションしながら、スペースが空くのを待つ。もっとも、俺たちと対戦するチームはエリア内のスペースを消すようなサッカーをしてくるのが普通だ。当然、わずかなスペースを狙ってパスを通さなきゃならない。どこで仕掛けるかは重要な判断だけど、言葉で説明するのは難しいな。とにかく、自分だけでタイミングを計るんじゃなく、味方の動きにリズムを合わせることを考えるべきだ。

「時計仕掛け」と言われるほど正確なパスを出す秘訣は? 一般のプレーヤーが参考にできるようなアドバイスはあるのだろうか。
チャビ 俺はアクロバチックなフェイントなんかをするタイプじゃない。でもその分、シンプルで素早く、正確なプレーを心掛けている。正確なパスを出すには……まずは基礎技術が必要だろうな。これは反復練習で足に覚えてもらうしかないね。残念ながら、テクニックは1週間じゃ身につかない。あとは丁寧にプレーすることだ。足のどこでボールを蹴るか、どれぐらい深くボールを蹴るか、蹴った瞬間の足首の構え、そしてボールをリリースする足の運び……。すべてに繊細なコントロールが必要になる。フリーの味方に出す2メートルのパスでも、俺は常に正しいキックを意識しているよ。
ではもう一つ。君のプレーは「パスでチームを操る」なんて言われているけど、その感覚を説明してもらえるかな?
チャビ 基本的には、味方の足元にパスを出すんじゃなく、走り込もうとしているスペースにボールを送り届けるよう意識すればいい。もっとも、そのためには監督がやろうとしているサッカーと、チームメート一人ひとりのプレーを熟知している必要があるけどね。
パスサッカーを築く過程において、今シーズンで退団した指揮官はどれぐらい重要だった?
チャビ ものすごく重要だったよ。妥協というものを全く知らない監督だった。彼は俺のことを「サッカー馬鹿」と言ったことがあるけど、俺に言わせれば彼こそ正真正銘の「サッカー狂」だね。バルサのパスサッカーは彼が発明したものじゃない。脈々と続いているものだ。それでも、彼が監督になって、神経質なまでに精度を高めた。戦術的にも細かかったよ。相手チームを丸裸になるまで研究しなきゃ気が済まない。しかも、全部を把握すると、今度は新しい何かを探そうとする。試合中のシステム変更を、彼ほど頻繁にやる監督は見たことがない。それだけじゃない。ゴールが決まるたびに、俺は彼のほうを見たものだよ。ちょっとでも試合が止まると、彼はすぐに俺を呼んで戦術の変更を指示したがったからね。

ショートパスを積み重ね攻撃のリズムを作り出す
スペイン代表の司令塔としてチームを操るチャビ。そのハイレベルなプレーを支えているのが、「パスマスター」(パスの達人)と称されるほどのパス技術だ。決して派手なキックではなく、高精度のショートパスを積み重ねることによって、チャビはチームのパスワークを活性化させ、攻撃のリズムを作り出している。その際、特筆すべきは安定したフォーム。上体を起こして背筋を伸ばし、インサイドでパスを出している点に注目したい。「プレデター リーサル ゾーン」のパスゾーンの部分を使い、ボールを面で捉えることで、安定したパスを繰り出している。姿勢が良く周囲をルックアップできているため、パスの判断スピードが速い点も見逃せない。
![[パス]のスキルアップ・アドバイス](http://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/soccerking/files/user/images/pr/predator2012/xavi/coover_title.png)


