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終了間際に青柳燎汰が決勝点…法政大、首位撃破で暫定4位に浮上

2016.05.08

劇的な決勝点を決めた法政大FW青柳燎汰(右) [写真]=下田朝陽(スポーツ法政)

「勝ち点2を失った」JR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦1部 第5節の早稲田大学戦から一週間。法政大学の次なる相手は桐蔭横浜大学だ。下位に沈んだ昨季から一転、彼らは快進撃を見せ、首位でこの試合を迎えた。ここまで5試合で5得点と、得点力に改善の余地を残すオレンジ軍団は、前線のメンバーを変更。1トップに玉田晃太郎を据え、シャドーの位置に上田慧亮とディサロ燦シルヴァーノが入った。

 互いにセーフティーなプレーが目立った前半の立ち上がり。11分、法政大は伊藤航希が少し遠い位置から狙うも枠を逸れる。桐蔭横浜大が多用するロングボールも、抜群の安定感を見せる山田将之、柳沢拓希、伊藤の3バックがしっかりと跳ね返す。しかし、押し上げの速い首位チームにセカンドボールを拾われる場面が目立ち、なかなかペースを握れない。

 すると流れは徐々に桐蔭横浜大へ。31分には、FKのチャンスからゴールネットを揺らすが、僅かにオフサイド。41分には左サイドを崩したが、シュートまで至らない。法政大は1トップの玉田に苦し紛れのボールを送り込むが、コンパクトな陣形を保つ桐蔭横浜大にすぐに囲まれてしまい、得点の糸口をつかむことができない。結局前半に放ったシュートは1本のみ。スコアレスで折り返す。

 後半開始早々、ディサロが狙いすましたミドルシュートを放つなど、得点への意欲を見せる法政大。61分には山田のスルーパスに抜け出したディサロが、ペナルティーエリア内で転倒。選手たちはPKをアピールするも、主審の笛は鳴らず。桐蔭横浜大も攻撃的なカードを切り、前線にエネルギーを次ぎ込む。しかし、両チームの集中した守備もあって、試合は我慢比べの様相を呈する。

 流れを引き寄せるべく、74分にドリブラーの紺野和也を選択した法政大ベンチ。すると残り10分となったところで、両チームが攻め合うオープンな展開に突入する。80分には桐蔭横浜大に決定機。右サイドの鈴木国友のクロスをファーサイドで石川大地が合わせる。無人のゴールに流し込むだけだったが、当てるのが精一杯となったシュートは枠の上へ。81分にスタメンを外れた青柳燎汰を投入し、すべてのカードを使い切った法政大。その後もセットプレーを中心に押し込むも、あと一歩ゴールに届かない。

 前節に続くスコアレスドロー濃厚かと思われた90分、「チャンスがくれば足を振り抜こうと思っていた」と直前に投入された背番号31が試合を動かす。後方からのボールに永戸勝也が競り勝つと、こぼれ球に右足を一閃。強烈なシュートがゴール左隅に突き刺さり、なんとしても欲しかった先制点をモノにする。その後も、得点を挙げた青柳が惜しいシュートを放つなど、勢いを増す法政大。最後は守備の要、柳沢が大きくクリアし、タイムアップ。見事に首位チームを破った。

 法政大はこれで3試合連続、今季4試合目のクリーンシートとなった。1試合平均0.5失点はリーグトップの数字だ。となると課題はやはり得点力。この試合ではメンバーを入れ替えたが、最前線の玉田が良い形でボールを受ける場面はほとんどなかった。前線の選手の組み合わせは今後も試行錯誤が続くだろう。しかし、内容の良くないゲームで勝ち点3を奪えたことが示すのは「勝利に対する深い執念」。それがこの試合の勝因ともいえる。長山一也監督が常々語る前期の目標は7勝2分2敗。首位撃破の勢いで、連勝街道を突き進めるか。

文=下田朝陽(スポーツ法政)

選手、監督のコメントは、スポーツ法政新聞会HP(http://sports-hosei.net/)をご覧ください!

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