2015.10.09

[PR]「走りが変わればチームは強くなる」…プロスプリントコーチがサッカーの常識を覆す/最終回

サッカー総合情報サイト

 サッカー選手を指導するのは監督、フィジカルコーチ、テクニカルコーチ、トレーナーだけではない。今、一人の「プロスプリントコーチ」に注目が集まっている。

 それが男子200メートルハードルのアジア最高記録を持つ元プロ陸上競技選手の秋本真吾氏だ。これまでに、浦和レッズの日本代表DF槙野智章をはじめ、DF加賀健一、MF梅崎司、MF宇賀神友弥、MF関根貴大、MF小島秀仁(現・愛媛FC)などを個人指導。浦和は無敗で明治安田生命J1リーグ・ファーストステージ優勝を決めたが、その影には“走りのプロ”の功績があったと言っても過言ではない。

 どのスポーツにおいても走ることは基本。戦術や個のテクニックばかりを重視するサッカー界に、「走りが変わればもっとチームは強くなる」と一石を投じたのが秋本氏だった。

 秋本氏は、2012年まで400メートルハードルのプロ陸上選手として活躍し、アテネやロンドン五輪の選考会をはじめ、ヘルシンキ、大阪、ベルリン、韓国世界陸上の選考会に出場した。一度は引退するも、2013年に現役復帰。ハードル選手でありながら100メートルで10秒44のベストタイムを持つ。

 そんな“走りのプロ”がなぜサッカー選手に走りを指導するに至ったのか。そして実際にサッカー選手の足は速くなるのか。それはどのような指導法なのか――。

 秋本氏は「足を速くする技術はたくさんある」と断言する。

 そのヒントは『10秒台を出すレシピ』に隠されており、今回、サッカーキング・アカデミーでは「スプリント力向上セミナー」を実施。秋本氏自らそのレシピを伝授する。陸上を知らなくても指導はできると主張する秋本氏が、コーチングのやりがいや心構えついて語った。

<第1回>「足を速くする技術はたくさんある」…サッカー界で注目を集めるプロスプリントコーチとは?


<第2回>プロスプリントコーチの秋本氏が明かす、サッカー選手のコーチングとは?

大人でも足は速くなる…“不可能”ではない

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――指導する中で、選手に走ることへの間違った常識や思い込みがあると感じたことはありますか?

秋本真吾(以下、秋本) 特にないですね。そもそも走ることを教わっていないので変なクセがなく、指導しやすい印象を持ちました。でも、速く走ることを諦めている人が多い。同じチームに足が速い選手がいたとしても「あいつ速いよね」で済ませていて、“なぜ速いのか”までは考えない。陸上選手は速さだけを追求していくので、速い理由を探すし、盗みます。きっと「もう速くならない」と思っているんでしょうね。

――陸上の世界でも、短距離選手は選手生命が短いという印象です。サッカー選手に限らず、ほとんどの人が大人になってから足が速くなるなんて思っていないのではないでしょうか。

秋本 僕は27歳の時に100メートルの自己ベストを更新しました。ウサイン・ボルトやジャスティン・ガトリンら世界でトップレベルの陸上選手たちは、100分の1秒を縮めるのに必死。そのレベルで考えると、20代後半がギリギリの年齢と言われても納得できますが、100メートルを11秒後半で走る選手を11秒前半で走れるようにするのは不可能ではない。大人だからといって速くならないわけではないんです。

――なんだか夢がありますね。

秋本 そうですね。今まで指導した選手は足が速くなったり、プレーに活きている実感があるので、僕の自信にもなっています。

――どのような時に選手の変化を実感しますか?

秋本 客観的なデータを見ることで変化を実感しますが、試合中にもその走りを再現できていた時に手応えを感じますね。また、5〜6日かけてみっちりとトレーニングできるキャンプは変化が顕著に現れます。

――キャンプはオフシーズンしかできません。シーズン中の練習はどうしているのですか?

秋本 全試合チェックをしているので、LINEを使ってアドバイスしています。熱心な選手はクラブの練習をこなした後に個別トレーニングを申し込んできたり、走っている動画を送ってくれますよ。シーズン中でもこまめに連絡を取り合うことで、以前の走りに戻ることを防げますし、お互いの信頼関係を築くことができると思っています。

それにやっぱりサッカー選手はサッカーがメイン。指摘された点を忘れてしまうこともあります。思い出させる意味もあって、定期的に連絡を取ることを意識しています。

――例えばサッカー部の顧問が走りを強化しようとした時、チーム全体を見なければなりません。かつ陸上経験や知識、分析もできないという場合でも、走りの指導はできるものなのでしょうか?

秋本 僕はトレーニングのメソッドをたくさん持っています。その中から選手に合っているものをチョイスして指導している。そのメソッドは他の指導者の方にも教えますよ。「10秒台を出すレシピ」はとりあえず全部教えるので、その中から指導者の方が自由に使ってくれれば良い。

――「10秒台を出すレシピ」を全部公開するということですか?

秋本 隠すつもりは全くないですよ(笑)。今回の講義でも、できる限りレシピは公開します。レシピをどう活用するかは指導者次第。選手を食材とするなら、僕は美味しい料理のレシピを教えます。それを使ってどう調理するのかは指導者にお任せします。

――レシピを手にしても、半信半疑の指導者は多いかもしれません。

秋本 自分で一度やってみると良いと思います。特に僕はずっと立って指導することがあんまり好きではないので。それに、自分が走って見せたほうが選手も納得してくれます。

――秋本さんと一緒に走ったら、逆に自信をなくしてしまいそうですけど(笑)。

秋本 そんなことはないです。僕も為末(大)さんや朝原(宣治)さんと一緒に練習した時、今までに経験したことのないスピードで衝撃を受けました。でも、その速度を体感すると急に世界が広がったんです。サッカー選手も僕と走ることで、追いつけなくても、味わったことのないスピードを感じることができる。少なくとも上を目指している選手は、ハングリー精神を刺激されますよね(笑)。

これまで僕は、走ることに関しては陸上選手の方が上だと認識していました。変なプライドです(苦笑)。でも、サッカー選手と一緒に走ってみると本当に速いし、身体能力も高い。「プロだな」と実感しました。その時から、お互いに学び、高め合うことが成長に繋がると考えるようになりました。それは高校生の指導者だろうが、中学生の指導者だろうが同じ。半信半疑でもとにかく選手と一緒に走ってみたら良いんです。

――選手から色々なことを学び、それをまた指導に活かしているんですね。

秋本 僕だってサッカーのことはサッカー選手に聞きますからね。所詮、僕は陸上選手。サッカーのことはど素人なので、必死に勉強しています(笑)。

――では、今の日本代表選手で走り方を変えたら、もっと速く走れるという選手はいますか?

秋本 ほぼ全員ですね(笑)。特にセンターバックの吉田麻也選手は速くなりそうですね。長友佑都選手や酒井宏樹選手はオーバーラップをしている場面をよく見ます。元々足は速いですが、僕にはけがをしそうな走り方に見える。もっと技術面が向上すれば、効率が良い走りになります。

――走りでお手本となるサッカー選手はいますか?

秋本 クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード/スペイン)はすごいと思いました。ガレス・ベイル(レアル・マドリード/スペイン)やブラジル・ワールドカップで話題になったアリエン・ロッベン(バイエルン/ドイツ)も速いですし、陸上選手のような走り方をしています。リオネル・メッシ(バルセロナ/スペイン)もポイントを押さえた走り方をしています。

――最後に改めて、なぜ選手の足が速くなるとチームが強くなるとお考えですか?

秋本 サッカーは戦術とよく言うけれど、果たしてそうなのか。ブラジル・ワールドカップを見た時に、時代はパスサッカーではなくなってきていると感じました。女子のワールドカップ決勝でも、なでしこジャパンに比べて相手選手はスピードでガンガン攻め込んでくる瞬間がありました。もちろん決定力は別ですが、相手より速く走れることでDFを置いていくことができたり、先に仕掛けたりできる。サイドを崩す時もスピードは必要です。足が速くなることで戦術が活きることは大いにあるはずです。

まだまだプロスプリントコーチは認知されていませんし、それこそ「走りが変わればもっとチームは強くなる」という考えを理解してもらえないこともあります。でも、僕は成果を出す自信がある。まずは僕を必要としてくれる場所に、必要なものを届けていきます。


 まだ世の中にスプリントコーチが浸透しているとは言えない。だが、第1回で語られた「GK以外のフィールドプレーヤー10人が全員10秒台で走ったらワールドカップで優勝出来るんじゃないかな」という言葉に胸を躍らせた人も多いだろう。戦術でも個のテクニックでもなく、走りがサッカーを大きく進化させる。“走りのプロ”秋本真吾が今、サッカー界に旋風を巻き起こす。

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