2015.10.08

[PR]プロスプリントコーチの秋本氏が明かす、サッカー選手のコーチングとは?/第2回

サッカー総合情報サイト

 サッカー選手を指導するのは監督、フィジカルコーチ、テクニカルコーチ、トレーナーだけではない。今、一人の「プロスプリントコーチ」に注目が集まっている。

 それが男子200メートルハードルのアジア最高記録を持つ元プロ陸上競技選手の秋本真吾氏だ。これまでに、浦和レッズの日本代表DF槙野智章をはじめ、DF加賀健一、MF梅崎司、MF宇賀神友弥、MF関根貴大、MF小島秀仁(現・愛媛FC)などを個人指導。浦和は無敗で明治安田生命J1リーグ・ファーストステージ優勝を決めたが、その影には“走りのプロ”の功績があったと言っても過言ではない。

 どのスポーツにおいても走ることは基本。戦術や個のテクニックばかりを重視するサッカー界に、「走りが変わればもっとチームは強くなる」と一石を投じたのが秋本氏だった。

 秋本氏は、2012年まで400メートルハードルのプロ陸上選手として活躍し、アテネやロンドン五輪の選考会をはじめ、ヘルシンキ、大阪、ベルリン、韓国世界陸上の選考会に出場した。一度は引退するも、2013年に現役復帰。ハードル選手でありながら100メートルで10秒44のベストタイムを持つ。

 そんな“走りのプロ”がなぜサッカー選手に走りを指導するに至ったのか。そして実際にサッカー選手の足は速くなるのか。それはどのような指導法なのか――。

 秋本氏は「足を速くする技術はたくさんある」と断言する。

 そのヒントは『10秒台を出すレシピ』に隠されており、今回、サッカーキング・アカデミーでは「スプリント力向上セミナー」を実施。秋本氏自らそのレシピを伝授する。講座開催にあたり、秋本氏が独自のコーチング論を展開した。

<第1回>「足を速くする技術はたくさんある」…サッカー界で注目を集めるプロスプリントコーチとは?

絶対に足の速さはサッカーにも活きる…必要なのは“発想の転換”

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――指導法を簡単に教えてください。まず、どのようにして選手の走る動作をチェックしているのでしょうか?

秋本真吾(以下、秋本) 選手たちが試合中にどんな走りをしているのかを知る必要があります。そのため、試合をスタジアムのスタンドから直接確認したり、オンデマンドで確認しています。直接試合を見る場合、スタンドからピッチまでの距離はありますが、テレビでは追えないDFやGKの動きを見ることができるので見づらいと感じたことはありません。一方のオンデマンドは、多くの試合をチェックできるので便利ですね。自分が指導している選手の試合は全てチェックしています。

プロスプリントコーチとして指導を始めた当初は、とにかく選手の走り方ばかりをぼーっと見ていましたね(笑)。今では「この選手は足が速いだろうな」とか「ドリブルをすると遅くなるな」、「けがをしそうな走りだな」と分かるようになってきました。

――陸上選手とサッカー選手では指導する時の用語や教え方も変わってくると思います。指導する際に意識していることはありますか?

秋本 確かに、陸上選手の表現はニュアンスだけでも全然違う。幼稚園児や小学生を指導するとき「軸」や「重心」という言葉が全く伝わらないのと同じ感覚です。でも、子どもたちに伝わる表現は、絶対大人にも伝わるんですよ。まずは、陸上選手にとっては当たり前のことでも「知っているよね?」というスタンスを捨てて、誰にでも伝わるように砕いた表現で伝えることを意識しました。あとは上手く動画を使用することで言葉を補っています。

――選手の走りを動画で見せることによって得られる効果は何でしょう?

秋本 理解度が違いますね。普段、サッカー選手は自分のプレーやパス、ポジショニングなどは確認していますが、ダッシュの走り方までは見ていない。それをこちら側からアプローチするんです。選手自身が想像している動きと全く違う動きをしている場合が多いので、まずは自分の走りを自覚してもらうこと。その上で、修正点を伝えると理解を深めることができる。僕は現役時代、コーチを付けずにトレーニングしていた時期もあったので、その時などは自分の走りを自分で見て修正していました。その経験も活きています。

――理解という点で、ご自身もサッカーをより理解しようと月に一度サッカーをしているとお聞きしました。

秋本 「疲れた時にその動きができるのか?」、「その動きは本当にサッカーに活きるのか?」と考えた時に、自分がサッカーを分かっていないとダメだなと思ったのがきっかけです。実際、疲れた時に「僕が教えた走りは難しいな」と思ったりもしました。その反面、FWでプレーすると、相手よりも先にボールに追いついてシュートまで持ち込める。だから「絶対に足の速さはサッカーにも活きるんだ」と実感しました。

やっぱり自分がやらずに指導したり、押し付けたりするのは違う。アメリカンフットボールやラグビーも経験しましたね。まずは一度やってみることを意識しています。

――アメフトやラグビーもそうですが、サッカーは陸上と違ってボールを使う競技です。オフ・ザ・ボールとオン・ザ・ボールの動きで指導法は変えるのでしょうか?

秋本 基本的に変えません。なぜかというと、僕がボールを持って走ったとしても、アメフトやラグビーの選手を抜くことができる。それは純粋に足が速いからです。もちろんサッカーのドリブルにはテクニックがいりますが、その下にあるのは足の速さ。だからスピードの部分を鍛えて、その上にテクニックを積み重ねていくイメージで指導しています。

海外選手の走り方を研究することが多いのですが、超一流選手と言われるクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリード/スペイン)やリオネル・メッシ(バルセロナ/スペイン)はドリブルをしていても、ボールを切り取って分析すれば陸上選手に近い走り方をしているんですよね。ドリブルをしてもしなくても、ポイントを押さえられている選手はやっぱり速い。

だから、サッカー選手にも走りが速い選手の映像を見せます。例えばウサイン・ボルト。この時に有効なのが先ほど言った動画です。最初は超一流の陸上選手を例に挙げられてもなかなか聞く耳を持ちません。でも、足が速いサッカー選手とボルトとの共通点を動画でプレゼンテーションするんです。すると、「確かにそうなっている。じゃあ真似してみようかな」という気持ちが芽生えてきて、素直に課題を受け入れてくれる。

――どの競技においても足の速さが大事な要素になることは分かりました。指導者には、その発想の転換が必要なのではないかと思ったのですが?

秋本 僕もそこがポイントだと思います。自分の陸上生活で、大学卒業後に泥臭い練習をやらなくなった時期があり、技術系の練習にこだわっていました。でも、やっぱりピラミッドの底辺となる泥臭くてきつい練習は必要。一番の土台を体力とするなら、中盤にスピードがあり、頂点にテクニックがくるイメージです。サッカー選手も体力は普段の練習で養われているので、僕は中盤のスピードを強化するための練習をどんどん取り入れることが大事だと考えます。

<第3回>『「走りが変わればもっとチームは強くなる」…その真意とは?』に続く
※10/9(金)更新予定

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