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打倒バルサに燃える日本勢の反攻に期待…U-12ワールドチャレンジプレビュー

2015.08.26

文=川端暁彦

 今年で3回目を迎える『U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2015』が27日から東京都内のヴェルディグラウンドおよび味の素フィールド西が丘を舞台に開幕する。

 同大会は「日本の小学生にインターナショナルレベルの最高の経験を」(浜田満大会実行委員長)という大目標を掲げて2013年にスタート。初年度は久保建英擁するFCバルセロナがチャンピオンに輝き、続く第2回大会でもバルセロナが連覇を達成。技術、戦術、フィジカルのすべてを兼ね備えたこのチームを上回れたチームは過去2大会に存在しなかった。世代が変わったと言っても、この第3回大会もバルセロナ中心の優勝争いになることは想像に難くない。

 今年はバルセロナ以外の海外招待チームとして、バルセロナのライバル、RCDエスパニョールも参加。育成年代から勝負強さを見せるタフなチームとして知られており、バルサとはまた違った価値基準の高さを日本で示してくれそうだ。そして勝利への執着心と言えば、南米のクラブも突出したものがある。今回はアルゼンチンの街クラブであるデポルティボ・カミオネーロスが来日。ボカ・ジュニアーズやリーベル・ プレートのようなビッグクラブのアカデミーではないだけに、逆にアルゼンチンというサッカー大国の「素の力」を観る絶好機となりそうだ。

 そして東南アジアからもU-12ベトナム代表が参戦する。サッカー人気の根強さに加えてリーグの環境も整備されてきた東南アジアのサッカーレベルはまさに日進月歩。東南アジアのクラブチームが参加しているJリーグU-16チャレンジリーグでは名だたるJクラブのユースチームが「喰われる」事態が続発しており、今回のベトナムは代表ということでなおさら楽しみだ。

 そしてもちろん期待したいのは日本勢の反攻である。これまでは普段の8人制から今大会で採用される11人制への移行に戸惑う部分も大きかったが、全日本少年サッカー大会が夏から冬に移行したことにより、大会に向けた準備期間を各チームが十分に確保できたことは大きい。参加する鹿島アントラーズ、浦和レッズ、大宮アルディージャ、柏レイソル、東京ヴェルディ、川崎フロンターレ、横浜F・マリノス、名古屋グランパス、セレッソ大阪の各ジュニアチームは打倒バルセロナに闘志を燃やしてくれるはず。地元東京都の優秀選手を集めた東京都U-12も、選抜チームらしく連係より個性を強く押しだすスタイルで毎年観衆を沸かせており、今回も期待が懸かる。公募参加の街クラブとしてグランセナ新潟、ブレイズ熊本の両チームの奮戦にも期待したい。

 育成年代における夏休み最大最後のイベントとなったU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ。バルセロナを始めとする海外チームとの「バトル」を通じ、大会に参加する選手たちが成長のきっかけをつかんでくれることを期待したい。

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