2017.12.29

【高校選手権展望】<神村学園>清水内定MF高橋筆頭に“らしく”攻め気で 狙うは06年度の4強超え

高橋大悟
清水への加入が内定している高橋大悟 [写真]=川端暁彦
2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

 神村学園が高校サッカー選手権に帰ってきた。85回大会(06年度)でいきなり4強入りを果たし、鹿児島実業が「絶対王者」だった鹿児島県の勢力図を塗り替えてみせた。中高一貫校のメリットを生かし、中学生年代から鍛えた選手たちで高校に挑むという方針を貫き、確かな成果をあげてきた。だが、85回大会のファーストインパクトを越える機会はなかなか訪れなかった。

 毎年クオリティのあるアタッカーを擁した好チームに仕上げつつも、選手権の県予選では毎年のように鹿児島城西の堅陣に泣かされてきた。過去3年はいずれも城西に代表権を奪われ、冬の主役にはなれずじまい。現在の3年生はその悔しさを噛みしめてきた世代に当たる。野洲のようなテクニックと九州らしさの融合を目指してきたチームは、これまで徹底してこだわってきた中央からの技巧的な崩しだけでなくダイナミックなサイド攻撃も採り入れるなど、チームとしての幅を広げようと試行錯誤を繰り返してきた。

 そんなチームで1年生から中心選手としてプレーする、つまり過去2年は涙を流し続けてきた男が今年の主将にして、エースである高橋大悟だ。清水エスパルスへの加入も内定しているU-18日本代表候補MF。164センチと体は小さいものの、サッカーへの情熱は無限に大きいタイプで、より上を目指す努力を重ねてきた。本質的にはボールプレーヤーだが、相手チームから徹底マークに遭うようになった今季はオフ・ザ・ボールでも工夫を凝らすなどより総合的なスキルを磨いてきた。必殺の左足はFKでも威力を発揮する、大会最高水準のファンタジスタだ。

 とはいえ、今年の神村がワンマンチームというわけではない。もしそうだったら、激戦続きだった県予選で敗退していただろう。高橋とともに中盤インサイドを形成する原田啓史と田畑拓武も超技巧派で、この3人を経由して気持ち良くボールが動けば、完全な神村ペースだ。前線ではフィジカル能力のあるFW大山尚一が起点を作って相手のディフェンスラインを押し下げ、この3人にスペースを供出。守っては愛川陸斗と野見山智也のCBコンビの堅さも光る。決勝以外延長戦のない選手権の大会特性を考えると、PK戦に強いGK冨吉優斗の存在も心強い。

「県予選と同じように一戦一戦、目の前の試合を戦いたい」(高橋)

 初戦は最多出場を誇る名門・秋田商。勝てば、昌平と広島皆実の勝者と当たる激戦区に入ったが、チームは“らしさ”を出せずに敗れた夏の高校総体の反省も踏まえ、“神村らしく”攻め気を押し出して戦い抜く覚悟だ。

取材・文=川端暁彦

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