2017.12.29

【高校選手権展望】<流通経済大柏>夏の王者、“二冠”へ充実 07年度以来の選手権制覇へ

菊池泰智
流経大柏の10番菊池 [写真]=安藤隆人
世界各国を放浪するサッカージャーナリスト。巷ではユース教授と呼ばれる。

 “夏の王者”の仕上がりは上々だ。今年のチームはJリーグ内定選手こそいないが、3年生が激しいポジション争いの下で逞しく成長をし、抜群のキャプテンシーを誇るボランチの宮本優太が見事にチームを統率。安定感抜群で、簡単には崩れない組織を作り上げた。

 キーマンとなるのが、GK薄井覇斗、CB瀬戸山俊、宮本優、菊地泰智の3年生と、CB関川郁万とFW熊澤和希の2年生コンビだ。薄井は毎年のように激しいGKのポジション争いの中で正守護神の座を守り続け、安定したゴールキーピングを披露。瀬戸山も対人の強さとカバーリングを見せ、宮本優の存在感は前述した通り。菊地は今年を通してサイドで使われていたが、ここに来て宮本優とボランチコンビを組み、中盤はさらに安定をした。ここに夏までレギュラーだった宮本泰晟が再びコンディションを上げて来たことで、“ダブル宮本”のボランチコンビで菊地をサイドに戻すこともバリエーションとして加わった。

 そして、来年の強固な2本柱となる関川と熊澤は、早くもプロの争奪戦が始まろうとしているほどの逸材。関川は屈強なフィジカルとバネを活かした空中戦とフィードが得意で、熊澤は180センチオーバーの長身ながらハイレベルな足下の技術を持ち、ずば抜けた戦術眼でゲームをコントロールしていく。

 強烈な個性が組織とマッチした今年のチームは、プリンスリーグ関東(今年度にプレミアから降格)の前期こそ勝ち星を思うように上げられずに苦しんだが、インターハイで破竹の勢いで勝ち上がって優勝を手にした。するとプリンス関東再開後は7勝1敗1分の成績を収め、最終的には2位でフィニッシュ。さらにプレミアリーグ参入戦では大阪桐蔭を1-1のPK戦の末に下すと、決定戦では徳島ヴォルティスU-18を5-1と圧倒し、1年でのプレミア返り咲きを果たした。

 名将・本田裕一郎監督も選手の成長ぶりには「3年生がより逞しくなったし、いろんな選手が台頭してくるようになった。タフに戦えるチームになったと思う。関川、熊澤もその中で欠かせない存在になってくれた」と目を細めるほど、充実した戦力とメンタリティーを持ったチームとなった。

 今月24日には流通経済大がインカレを制した。この4年生メンバーは流通経済大柏時代に高体連チームで初となるプレミアイースト制覇とチャンピオンシップ制覇を成し遂げた代で、ジャーメイン良(ベガルタ仙台内定)と立花歩夢(横浜FC内定)らがいる。

 柏の葉で行われたインカレ準決勝の東京国際大戦には、サッカー部全員で応援に駆けつけるなど、偉大な先輩たちに大きな刺激を受けた。「次は俺たちだ!」と新たなモチベーションが生まれたチームは、4年前のチームが成し遂げられなかった2007年度以来となる2度目の選手権制覇に向けて、その牙をさらに研ぎ澄ませている。

取材・文=安藤隆人

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