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【高校選手権展望】<実践学園>確固たるベースに成長積んだ1年…『一体感』とともに蒼い旋風を

実践学園の主将・尾前祥奈 [写真]=吉田太郎

 関東大会出場、全国総体出場、T1リーグ優勝。獲得を目指していた4つのタイトルの内、3つを手中に収めて臨んだ最後の大会であり、最も大事な選手権予選の優勝が懸かるファイナル。後半から10人での戦いを強いられた実践学園は、延長終了間際の決勝ゴールで劇的に“四冠”を達成してみせる。歓喜に沸いた試合後、深町公一監督はこう口にした。「去年ずっと種を蒔いてきましたので、今年花を咲かせることができたのかなと思っています」。今シーズンの彼らの躍進を知る上で、『去年ずっと蒔いてきた種』はおそらく語り落とすことのできないキーワードだ。

 常時170人近い部員が在籍する実践学園。選手たちは各カテゴリーに振り分けられており、昨シーズンもAチームがT1リーグ、BチームがT3リーグ、CチームがT4リーグと、3チームを都内のリーグ戦に送り込んでいた。その中でもBチームが先を見据えた強化の対象となる。選手構成は大半が2年生。当然Aチームでプレーできるレベルの選手もいたが、あえてメンバーを固定する形を採り、鈴木佑輔コーチの下でT3リーグを1年間戦わせる方針を貫く。「学年をベースにやらせてもらったことで、ある程度のチーム力というのは上がって行きましたね」と話すのはキャプテンを任されている尾前祥奈。すると、最終的にBチームはT3リーグで無敗優勝を成し遂げ、結果とチーム力向上の“二兎”を手に入れる。そのメンバーが3年生に進級し、そのままAチームにスライドしたため、すでに始動時には十分なベースがあった。この1年分のアドバンテージが、今年の実践学園が有している力の根幹を成していることは見逃せない。

 ただ、それだけで“四冠”を勝ち獲れるほど、都内のコンペティションも甘くはない。勝利を重ねていたシーズン序盤。コーチングスタッフは声を揃えて「今は他のチームより去年の分のアドバンテージで勝っているだけですから」と話していた。確固たるベースの上に、積み重ねていった成長の速度と質量も他のチームを上回ったからこそ、1年を通じて結果を出し続けることができた訳だが、その成長を支えていた大きな要因に、尾前を中心にしたチームの『一体感』が挙げられる。

 象徴的なエピソードがある。「心で勝負」をチームスローガンに掲げる実践学園にとって“10番”は特別な番号。毎年のようにセンターバックのキャプテンが背負ってきた。今シーズンも当初は尾前が付けていたが、自分たちで番号を決めて臨んだ春先のあるゲームで、10番を付けたフォワードの武田義臣が2ゴールをマークする。「自分たちの代になってから彼はまだ点を取っていなかったんですけど、10番で2点を取れたので、『その方が彼も自信が付くかな』と思いましたし、『自分が付ける必要はないんじゃないのかな』と感じました」と尾前。以降の10番は伝統を覆す格好で武田に託された。

「最初の頃は本当に自分が付けていいのかと思ったし、結果もあまり残せていなかった」という武田が覚醒したのは選手権予選。準々決勝の日大豊山戦で得点を決めると、続く準決勝の帝京戦でも同点で迎えた延長に決勝弾を叩き込む。その瞬間、スタンドに陣取った応援席の盛り上がりには凄まじいものがあった。それはゴールの持つ意味以上に、「武田は本当にいいヤツで、日頃の私生活とかもすごくしっかりしているし、サッカーの練習でも絶対サボらないし、そういう所がアイツのああいうプレーに繋がっているんじゃないかなと思います」という尾前の言葉をチームが共有していたから。そして國學院久我山との決勝戦。前述した劇的な優勝弾を記録したのも武田。苦しんできた10番が大事な局面でゴールを奪い、その意味を部員全員が理解しながら喜べるあたりに、今シーズンの実践学園が育んできた『一体感』が窺える。

 例年よりボールを持つ時間は創れるものの、スタイルのベースは尾前、斎藤彰人、三澤健太で組む不動の3バックを軸にした堅守にあり、選手権予選は4試合でわずか1失点。攻撃の武器は素早い切り替えを生かしたカウンターとサイドアタックで、そこにドリブラーの前原龍磨がアクセントを加えていく。「実践の歴史を創るという意味でも、俺たちの代しかできないことがあると思う」と言い切ったのは尾前。目標は同校初の全国ベスト8。5年ぶりに冬の全国へ帰ってきた実践学園が、駒沢を舞台に蒼い旋風を巻き起こす。

取材・文=土屋雅史

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