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【高校選手権展望】<旭川実>屈辱の数字が転換の契機 インハイ8強の「失敗」経て目標はトップ4

2017.12.25

突破力が武器の旭川実MF中田怜冶 [写真]=平野貴也

 屈辱的な数字を糧にして、全国で戦える力を手に入れた。第96回全国高校サッカー選手権大会に出場する旭川実業高校(北海道)は、5年前の悔しさから這い上がって来たチームだ。かつて全国9地域のプリンスリーグ上位チームが秋に参加していた全日本ユース選手権が発展的解消を遂げたのが、2011年。同年より、プリンスリーグの上位に全国リーグであるプレミアリーグが創設されて、現在に至っている。プリンスリーグ北海道の強豪として知られていた旭川実業は、2年目の2012年にプレミアリーグへ参戦。しかし、0勝1分17敗という信じられない結果をたたきつけられて、1年で降格した。

 当時、富居徹雄監督は、北海道で、あるいは全国で目の前の1試合を負けないようにと堅守速攻をベースに戦っていたが「このサッカーでは、北海道を突破できても全国では勝てない。それなら、本来やりたいサッカーを磨いていった方がいい」と方針転換を決意した。元々、旭川実業のOBには、高橋健介氏(Fリーグ、バルドラール浦安監督)といったフットサル界で活躍する人材も多く、細かい技術で打ち勝とうとする志向は存在しており、チームは意図的に短いパスをつないで全員で押し込んでいく攻撃スタイルに切り替えた。

富居徹雄

旭川実の富居徹雄監督 [写真]=平野貴也

 その後、選手権では昨年まで全国大会に出られず悔しい思いをしてきたが、ようやく新たなスタイルが定着し、成果が出て来た。今夏のインターハイでは、北海道勢として23年ぶりに8強入りを果たした。大会で活躍したFW圓道将良は、U-18日本代表候補に選出された。しかし、富居監督は「地元に帰ってきたら23年ぶりですごいと言われたけど、目標は全国ベスト4なので、失敗」と浮かれムードを切り捨てた。選手権も目標は4強入り。つまり、ファイナルステージである埼玉スタジアム2002への進出だ。

[写真]=平野貴也

 今季のチームの顔ぶれと特長を見ると、あらためてチームが大きく変化してきたことが分かる。センターバックの高橋大翔(3年)は、コンサドーレ旭川U-15出身で正確なフィードが武器。ボランチに入る河合悠人(2年)は、身長170センチに満たない小柄な選手だが、豊富な運動量を生かして中盤の空いたスペースを次々に使ってショートパスを駆使した攻撃のつなぎ役となる。ロングパス頼みにならず、丁寧につないでいくことのできる選手が増え、試合の流れをコントロールしながら戦えるようになってきた。右MFの中田怜冶(3年)のような強烈な推進力を持つアタッカーもおり、つないで崩すサッカーを全国レベルで実践できるようになった。

 前回大会は、米子北高校(鳥取)に敗れて初戦敗退。当時レギュラーだったMF山崎蒼太は「プレースピードの早さが違った。今年は3年生で最後の挑戦。3年間でやってきたことを発揮したい」と意気込んだ。夏に続く快進撃を見せられるか、注目だ。

取材・文・写真=平野貴也

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By 平野貴也

元スポーツナビ編集部。フリーに転身後はサッカーを中心に様々な競技を取材するスポーツライターに。

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