2015.12.20

浦和ユースが初代王者のJIYC…開催の狙いは「育成に投資」と「国際感覚を持った指導者育成」

文・写真=川端暁彦

「日本の若手選手には、もっともっと国際経験が必要です」(村井満チェアマン)

 大会創設の理由は至ってシンプルなものだった。12月15日から19日まで長野県内で開催された『Jリーグ インターナショナルユースカップ』の第1回大会。Jユースカップ優勝の浦和レッズユースと同準優勝の名古屋グランパスU18、そしてオランダからAZアルクマール、韓国から全南ドラゴンズを招いて行われた総当たり戦は、浦和の優勝という形で幕を閉じた。

 大きな流れとして、近年のJリーグは「育成に投資しよう」という方向性を強めている。各年代のJリーグ選抜が海外遠征をすることは恒例になって久しいし、さらに日本サッカー協会(JFA)と連係しながらJクラブのアカデミーチーム単体での海外遠征も増やしていく方針であり、実際に増えている。円安の流れの中で経済的な負荷は決して小さくもないのだが、それでも育成に投資しなくては日本サッカーとJリーグの未来がどちらもなくなってしまうという共通認識が、JリーグとJFAの双方にある。そうした施策の一環としてJリーグが主催する国際ユース大会が創設に至った。

 若手への刺激策であると同時に、育成の指導者に国際試合の感覚を持ってもらおうという狙いもある。体格やプレー感覚の異なる海外のチームと試合をしたときに選手は何に戸惑うのか、どこが日本のチームのストロングポイント(あるいはウィークポイント)になりやすいのか。「そういうのは口で説明しても響かない。全部、やってみないと分かってもらえない」と話すのは、大会創設に向けて尽力してきたJリーグ強化アカデミー部の重野弘三郎アシスタントチーフ。「国際感覚を持った指導者」の育成も、Jリーグ側の大きな狙いだ。

 その意味で言えば、3連勝で優勝した浦和の勝ちっぷりは面白い後味を残した。今年の浦和は走って戦うインテンシティ勝負というJのユースチームでは希少なコンセプトを掲げるチームなのだが、まさに球際で戦う部分と走り勝つというJユースカップを制したそのままのサッカーでオランダ、韓国のチームを上回った。大槻毅監督は日頃から「『日本人は一対一で勝てないから』なんてことを出発点にしたくない」と強調してきた。来シーズントップ昇格内定選手がいないことからも分かるように、現時点で突き抜けているタレントのいるチームではないが、そういうチームが「戦える」ことに意味があった。

 もちろん、技術軽視というわけでは決してなく、FW新井瑞希のような印象的な技巧派もいるのだが、そういった選手にも戦う意識を強く持たせていった結果ということである。また、AZのキャプテンであるDFレーゲリングが「浦和の選手はポジショニングが素晴らしい」と絶賛していたように、闇雲に突っこんでいく守備でもない。組織としての連動性、規律を持ちながら、しかし個々の選手は局面の勝負で相手に食らい付く。その二つを併存させたことこそ、浦和ユースの強みだった。

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