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チーム屈指の努力家、DF東岡信幸が放った劇的逆転弾…堀越が総体ベスト4の関東第一に勝利/選手権東京都予選Aブロック

2015.10.20

文=峯嵜俊太郎、写真=平柳麻衣

「関一(関東第一高校)さんのレベルは高い水準にある。それは全国でも今年の夏に証明されている」と堀越の佐藤実監督の言葉にあるとおり、関東第一は今夏の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)でベスト4に入り、今年の高円宮杯U-18サッカーリーグ東京1部でも優勝を果たした実績などから予選突破の本命と目されていた。

 堀越は序盤から関東第一にボールを支配される。コンビネーションによる突破や、サイドを深くえぐるドリブルなど多彩な攻撃が、堀越守備陣に襲いかかった。そして13分には、CKのトリックプレーからインターハイ得点王のFW鈴木隼平に先制ゴールを奪われる。

 早い時間に先制を許した堀越だったが、その後は主将のDF冨樫草太を中心に堅い守備で追加点を許さなかった。「守備を本当にしっかりやる、粘り強く、いくらゴール前ではがされても最後のところで点を取らせないことを徹底した」(佐藤監督)。堀越の選手たちは、監督に求められたものを、見事にピッチ上で表現した。

 すると49分、前がかりになっていた関東第一に対し、前半から狙い続けていたカウンターがついに炸裂。左サイドから中央に切りこんだ2年生MF齊藤一輝が鮮やかに決め、同点に追いつくことに成功した。その後は、互いに集中した守備を見せ、1-1のまま延長戦にもつれこむ。そして延長後半にペナルティーエリアの少し外、絶好の位置でFKを獲得すると、ボールをセットしたのはDF東岡信幸だった。

「東岡は一番がんばっている。走る練習とか、みんなが嫌な練習も先頭に立ってやっていて、僕に注文を付けられても、へこたれずやっていた。だけど、なかなかパフォーマンスと自分の気持ちとがかみ合っていなかった」と語る佐藤監督は、東岡の努力を誰よりも認めていた。

 そして、東岡の右足から放たれたボールは美しい弧を描きゴール上隅に突きささった。不断の努力が結実した会心の逆転ゴールだった。

 ただし東岡は、「自分たちのサッカーができたわけではないので、内容的には50点」と語り、厳しい表情を浮かべた。昨年、準優勝に終わった選手権予選の苦い記憶が、彼におごりを抱くことを許さない。「まだまだ、これからなので」。そう話した東岡は、すでに次の試合を見据えていた。

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