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【MORELIA35周年記念インタビュー】「W杯に出たとき、胸を張れるGKに」ポルティモネンセ権田修一の溢れる向上心と、それを支えるもの

ポルティモネンセで存在感を高めている権田 [写真提供]=MIZUNO

“不屈の精神力を持つ” と形容される選手は、世界には数多くいる。そのなかで、権田修一からほとばしる“執念”とも言える気概には、特別なものを感じざるを得ない。

 2017年にオーストリアのSVホルンを退団し、ヨーロッパでのキャリア継続を熱望したが、権田の元にオファーは届かず。サガン鳥栖に加入しJリーグ復帰を果たした。その鳥栖では所属2年間でリーグ戦67試合出場と、守護神として君臨。2018年にはチームMVPに選ばれる活躍を見せたが、挑戦への炎はまだ燃え続けていた。

 30歳での2度目の欧州挑戦。その裏には、抑えきれない“上へ、上へ”という向上心があった。その権田の心の奥にある想い、そして、ポルトガルに来てから得た新たな“相棒”について語ってもらった。

取材・文=生駒 奨(サッカーキング編集部)
写真提供=ミズノ


――プリメイラ・リーガ再開後、チームはいい状況が続いていますね。権田選手ご自身も、6月30日のファマリカン戦ではMVPの活躍を披露しました。改めて現在のコンディションはいかがですか?

権田修一(以下 権田) 調子はいいですね。中断期間に入るときから順位としては降格圏にいたので、再開したときにすぐに高いパフォーマンスを出せるようにしておかなければならないことが分かっている状況でしたから。クラブとして、絶対上の順位に行けるようしっかりと準備してきたので、それをピッチで表現できています。

――2019年2月にポルティモネンセに加入して以降、なかなか出場機会に恵まれない時期が続きましたが、中断期間前に守護神の座に定着されましたね。権田選手のなかで何か変えた部分があったのでしょうか。

権田 シンプルに、そもそものベースとなるフィジカル的な能力を上げることに注力しました。僕がJリーグにいた時代、外国籍選手の登録枠がまだ3人だった(現在は5人まで登録可能)こともあり、試合のなかで競り合うのは日本人選手がほとんどでした。そのなかで通用したことが、海外ではなかなかそうはいかない。シンプルな当たりの強さ、前に出る一歩の速さ、力強さを高めていかないと、ここではやられてしまうな、と痛感して。それに、僕がポルティモネンセで出場機会を与えてもらえるようになってから、スポルティングやポルトなどビッグクラブとの対戦が続きました。強豪に所属する選手たちと対峙したなかで、より一層危機感が強くなったんです。なので、中断期間中はフィジカルのベースアップを徹底的にやりました。それが、今のプレーに生きていると感じます。

――SVホルンからサガン鳥栖を経て、2度目の欧州挑戦に挑んでいるわけですが、再び海を渡るという決意の裏にある想いを聞かせていただけますか?

権田 2度の欧州挑戦で感じたのは、「欧州ではいいプレーをすれば必ずオファーが来る」ということ。日本にいると、そのシーズンにいいプレーができなかったとしても、過去に日本で積み上げた評価や日本代表での実績で声をかけてもらえることがあります。でも、欧州では日本での実績なんて誰も気にしない。そのシーズンで価値のあるプレーヤーであることを示さなければオファーしてはもらえないんです。僕はホルンで1年間プレーしたあと、ヨーロッパでは全くオファーをもらえずに日本に帰国することになりました。それはシンプルに僕の実力不足。その悔しさをバネに、「もう一度チャレンジして、欧州での評価を勝ち取るんだ」という強い思いで移籍してきました。だから、自分が成長できているかが分かるのは、シーズンが終わったとき。今季の残り試合は少ないですが、それを終えたときに「うちのクラブに来てくれ」と言ってくれる欧州クラブがどれだけあるか。それがなければ、僕はホルン時代から成長できていないことになる。絶対に、評価をつかみ取るつもりでいます。

――並々ならぬ決意を感じます。今後のキャリアを展望されるとしたら、「いいプレーを積み重ねて、欧州で貪欲にステップアップを目指す」というのが一番大きいのでしょうか。

権田 はい。一つでも、一歩でも上のレベルでプレーしたいです。僕が海外でサッカーをしている意味は、「日本代表がワールドカップに出て、ゴールマウスの前に立っているのが自分だったとき、恥ずかしくないGKでありたい」という思いにあります。例えば、W杯の試合でブラジルと対戦したら、相手のGKはアリソン(リヴァプール)やエデルソン(マンチェスター・C)になると思います。対して、日本のGKが今の僕だったら、見る人やブラジルの選手たちも「GKもチームもブラジルの方が上だ」と感じるでしょう。でも、もし僕が欧州5大リーグで上位を争うクラブや、ポルトガルのなかでもポルトやベンフィカのようなビッグクラブでゴールマウスを守っている選手だったら、「日本のGKも実力者だ。ブラジルはなかなかゴールを奪えないかも」と思ってもらえるはずです。僕たち選手は、クラブ名でサッカーをするわけではないですが、ビッグクラブが獲得する選手にはそれだけの理由がありますから。日本の誇りを示すためにも、価値のある選手でありたいと思って挑戦を続けています。

――GKというポジションでは、ビッグクラブへの移籍は第2、第3GKの立場を強いられる可能性もあります。そのリスクについてはどう考えていますか?

権田 確かに、今現在はポルティモネンセで出場機会を得ていて、このクラブでプレーし続ければ一種の“安定”は得られるかもしれません。ただ、僕は毎日のトレーニングからハイレベルなサッカーが体感できる環境を求めたいと思います。それに、少しでもハイレベルな試合をたくさんこなせる可能性がある環境に身を置きたい。ポルティモネンセに所属していて、マンチェスター・Uやレアル・マドリードと対戦する可能性はほとんどないですから。逆に、そういったクラブと対戦したり、所属したりできれば、今まで積み上げてきたものが無駄ではなかった証明になる。僕は、それを追い求めたいと思います。

――力強い言葉、ありがとうございます。今後のキャリア、日本代表での活躍にも期待しています。

権田 ありがとうございます。代表に選ばれるよう、精いっぱい努力していきます。日本の皆さんの期待に、必ず応えます。

“変わらない”という進化。権田の挑戦を足元から支える相棒『MORELIA Ⅱ JAPAN』

[写真提供]=MIZUNO


――権田選手はミズノの『MORELIA Ⅱ JAPAN』を着用されていますね。『MORELIA』シリーズは今年で発売35周年を迎えるわけですが、率直に『MORELIA』というシューズにどんな印象を持っていますか?

権田 純粋に“いいスパイクだな”って感じるんですよね。世の中、日々新しいものが生まれるなかで、微細なモデルチェンジはあるとはいえ、35年もの間で基本的な部分が変わらずに受け継がれている一足ですから。すごく信頼できます。

――『MORELIA Ⅱ』を着用し始めたのは2019年からですが、着用を決めた理由も「変わらない良さ」にあるのでしょうか。

権田 はい。まさに、「一足のスパイクを履き続けたい」という思いがずっとあって。プロの世界だと、メーカーさんから新商品や新カラーが出たらそれを履かなければならない制約があります。もちろん、僕ら選手のことを考えて改良を重ねてくれて、シューズを提供してくれることはありがたいのですが、僕はまだ履けるスパイクがあるのに新しいものを履くことにどうしても抵抗があるんです。それに、耐久性もポイントですね。僕がこのシューズを履き始めた2019年は、固定式の『MORELIA Ⅱ』2足で1年間を戦い抜きました。他の選手にこれを言うと「たった2足で!?」と驚かれますね(笑)。そういう意味で、この先のキャリアで同じモデルを必要最低限の交換で履き続けられる、『MORELIA Ⅱ JAPAN』が僕にはベストです。

[写真提供]=MIZUNO

――一足のスパイクを履き続けるにはお手入れも重要になってくると思いますが、ご自身でも日々のシューズケアはされているのでしょうか。

権田 僕は自分でスパイクを管理して、自分で磨いていますね。それは自分のなかのルールにしています。クリームやブラシといったシューケアセットも持っていますよ。古巣のサガン鳥栖に、清藤(良太)さんというホペイロの方がいるのですが、彼によくやり方を教わっています。毎練習、毎試合後に必ず手入れをしますね。

――素晴らしい。ぜひ、高校生や中学生の選手たちにも真似してほしいですね。

権田 そうですね。スパイクの手入れって、ウェアのように洗濯機に入れればすむものではないので、毎日の部活や練習のなかで継続するのはなかなか難しいとは思います。でも、物を大切にするということは人としての基本でもありますから。スパイクは安い物ではないですし、サッカー選手ならしっかりと向き合ってほしいですね。

――では、実際にプレーしていて感じる『MORELIA Ⅱ JAPAN』の良さや、ご自身との相性についてはどう感じられていますか?

権田 足の感覚を全く邪魔しないスパイクだな、と感じますね。普通のスパイクだと、サイズが合っていてもどこかに余分なスペースがあって、激しくプレーすると靴擦れができてしまいますが、『MORELIA Ⅱ JAPAN』は全く靴擦れしない。ソックスなしでも履けるんじゃないかなって思うくらいです(笑)。日本代表戦やポルトガル国内など、いろんなスタジアムのピッチでプレーする機会がありますが、どこでプレーしても自分の足でしっかり踏み込める感覚があります。自分が持っている能力の100パーセントを出せるスパイクです。

――スパイク選びやスパイクとの向き合い方に悩む選手たちに、アドバイスをお願いします。

権田 日々の試合や練習のなかで、しっかりとスパイクと向き合って、思い入れのある一足に出会ってほしいです。僕自身、中学生や高校生のころ、うれしいときも悔しいときも、スパイクを手入れしながら「明日から、このスパイクでまた頑張ろう」と気持ちを切り替えていました。スパイクと向き合うことで、自分自身と向き合うことができると思うんです。そして、僕はそうやってスパイクと向き合ってきた結果、『MORELIA Ⅱ JAPAN』を選んで履いています。スパイク選びに迷っている人は、一度『MORELIA Ⅱ JAPAN』を試してみてもいいんじゃないかな。『MORELIA Ⅱ JAPAN』でプレーしたり、手入れしたりすることでいろんな発見がある。それくらい、選手に寄り添って作られた、向き合いがいがあるスパイクだと思います。

[写真提供]=MIZUNO

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