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青森山田の“10”を継ぐ高橋壱晟 プレミア王者を勢いづける先制点も「納得できない」

2017.01.02

青森山田の背番号10・高橋壱晟 [写真]=瀬藤尚美

 昨年同様、青森山田の高校選手権は10番のゴールから始まった。

 前回大会の初戦で大社と対戦した青森山田は先制を許したのち、神谷優太(現・湘南ベルマーレ)の同点弾から3-2の逆転勝利に繋げた。今大会では、その神谷から10番を引き継いだ高橋壱晟(ジェフユナイテッド千葉内定)が、開始7分に豪快な右足の一撃でネットを揺らし、チームに先制点をもたらした。

「ボールがこぼれて来ると思ったので、冷静に狙うことが出来た。あのゴールで楽になった」と試合後に語ったように、郷家友太の仕掛けに対し、冷静にポジションを取ってボールがこぼれたところを見ると、一気のスピードアップからDFがいる中、冷静にゴール左隅を射抜いた。

 このゴールでチームから硬さが取れ、今季の高円宮杯U-18プレミアリーグ王者は盤石の試合運びをすることができた。23分に鳴海彰人が鮮やかなシュートで追加点を奪うと、31分には郷家が決め、前半だけで3-0。後半も相手にシュートまで持ち込ませず、2点を加点して5-0の圧勝劇を飾った。

 高橋自身は先制点を挙げた以降は追加点を奪えず、不可解な判定ではあったが、イエローカードを受けたこともあり、71分に途中交代。「やっぱり自分がもっとやらないといけない。10番を背負っているということはそういうこと。1点だけでは納得はできない」と、自身でも振り返るように、内容的には到底納得のいく出来ではなかった。しかし、チームの10番がオープニングゴールを決めることは、トーナメントに臨むチームとして活気と勢いがつくことであることは間違いない。

 さらに前回大会のオープニングゴールを決めたのは神谷だったが、その後、2得点を挙げたのは高橋だった。この2得点から勢いに乗ると、能力をフルに発揮して前回大会ベスト4入りの原動力の一人となっている。

 昨年同様にチームを力強く牽引していくべく、柴崎岳、神谷から引き継いだ10番を背負う高橋壱晟は、しっかりと躍動へのネジを巻き直した。

取材・文¬=安藤隆人

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