2017.01.01

京都橘、「全身全霊」で市立船橋と繰り広げた好勝負…手応えを糧に「必ず強くなる」

京都橘は0-1で惜敗し、1回戦敗退となった [写真]=郡司聡
京都サンガF.C.を中心に取材するサッカーライター

 力は出し切った。それでも、勝利をつかむことはできなかった。

 第95回全国高校サッカー選手権大会1回戦屈指の好カードとなった一戦。U-19日本代表FW岩崎悠人を擁する京都橘は優勝候補の一角である市立船橋に挑んだが、健闘およばず1-0で敗れた。守備の時間が長くなる展開だったが、それは承知の上。押し込まれても最終ラインは身体を張り続け、枠内シュートには「もし勝っていれば彼がMVP」と米澤一成監督が賞賛したGK矢田貝壮貴が気迫のセービングで立ちふさがる。少ないチャンスに賭けた攻撃では岩崎がポスト直撃のミドルシュートを放つなどゴールに迫る場面も何度か作った。京都橘は選手権本大会で、試合毎にテーマを四字熟語で掲げている。今回の言葉は『全身全霊』。この試合に身体と心、全てをかけて戦おう――。指揮官から託されたメッセージを選手たちはピッチ上で体現してみせた。

 それだけに失点シーン、直接FKが壁に入った選手の頭に当たって、勢いはそのままにコースだけが変わった不運が悔やまれるが、そのFKを与えたシーンには確かな要因があった。後半24分、京都橘の攻撃に立ちふさがったのは市立船橋のMF金子大毅。この日、何度も攻撃の起点をつぶされた相手をここでも打開できずにボールを失うと、そこからカウンターで自陣深くまで進入されてFKを与えてしまった。ファールしたDF水井直人と最終ラインの前のスペースを埋めていたMF稲津秀人は足をつって失点後に交代。チームで1、2を争う運動量を誇る稲津が後半途中でここまで消耗させられた事実が物語るように、キックオフから相手にボールを持たれる中で戦い続けたダメージは後半、次第に選手の動きを鈍らせていった。ただ、稲津が「走って守備をするしかなかった」と話したように、京都橘にとっては相手との実力差を認めた上で、この戦い方しかなかった。相手の攻撃をぼかしながら失点せずに試合を進めて、攻撃陣の一発にかける。ゲームプランを遂行できた部分もあるが「総合力は相手が一枚も二枚も上でした」(米澤監督)。やはり夏の王者は強かった。

 試合後、多くの人から「1回戦のゲームじゃなかったね」という声が聞こえてきた。会場前には長蛇の列ができ、入場者数は16,061人。スタンドには立ち見客の姿も見られた。そうした期待を裏切らない、見応えがある好勝負だった。京都橘の選手たちもやりきった手応えはあるが、その先にあるのは「だからこそ、勝ちたかった」(岩崎)という思いに違いない。市立船橋を倒すためにトレーニング以外でも選手で何度も映像を見て話し合うなど、自発的に取り組んだこの1カ月間はチームを大きく成長させた。「この1カ月を基準にして1年間を過ごせれば必ず強くなる」と岩崎ら3年生から託されたバトンを2年生の河合航希や梅津凌岳らが受け継ぎ、来季での雪辱を誓って京都橘は今大会から去っていく。

文=雨堤俊祐

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