2016.12.27

<選手権フォーカス>【長崎総科大附】名将・小嶺監督率いる“隠れ優勝候補”

小嶺忠敏
ベンチから戦況を見つめる長崎総科大附の小嶺忠敏監督 [写真]=川端暁彦
2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

 2年ぶり4回目の高校選手権出場となる長崎総科大学附属高校で、最も有名な人物は誰かと言われれば、満場一致で「小嶺忠敏監督」となるに違いない。かつて島原商業、国見を率いて全国を席巻し、FW大久保嘉人、MF三浦淳宏、DF徳永悠平ら多くの選手をJリーグにも送り込んできた高校サッカーのレジェンドがチームの監督に就任し、1年半になった。

 小嶺監督は2008年からチームの総監督になっているが、昨年8月から監督に就任。それまでの大学で教鞭を執りながら高校サッカー部の指導にも当たるという状態から、指導現場に本格復帰となった。70歳の決断である。

 現在は日々の朝練を含めて毎日の指導に当たってチームを引き締めつつ(選手以上にコーチがより引き締まったという話もある)、「もう一度、日本一になる」という変わらぬ夢を追い続けている。

 ピッチ外の指導を重視する姿勢も国見時代から変わらないが、ピッチ内でも基本的なスタンスは同じだ。マンツーマンディフェンスで相手に技術を発揮するスキを与えず、縦への鋭く速い攻撃から得点を狙う。現代日本のトレンドである4バックシステムに3トップをぶつけていくのが基本軸で、超快足の“新幹線”右田翔が名前の通りに右翼から、走・高・巧の3拍子を揃える“フィジカル怪物”宇高魁人が左翼から、そしてU-17日本代表にも名を連ねる“突貫ストライカー”安藤瑞希が中央から、攻守両面で相手DFに圧力を加えていく。

 この3トップを操り、自らフィニッシャーともなる主将のMF薬真寺孝弥や、マークで潰す能力とマークを捨てる判断力、幅広いカバーリングをこなす運動能力を兼ね備えるMF前野翔伍、決定力抜群の“スーパーサブ”FW荒木駿太ら役者もそろった。これまた国見時代と同じくポリバレントな選手を重視する姿勢も変わらず、この薬真寺や前野を含めて複数ポジションを自在にこなす選手がそろい、試合中の戦術変更に柔軟に対応していく力もある。先の高円宮杯プレミアリーグ参入戦では薬真寺がシステム変更を試合中にベンチへ直訴して実践するなど、単なる“小嶺監督頼み”のチームでも決してない。

 今年度は猛者揃いのプリンスリーグ九州を16勝2分(66得点16失点)という突き抜けた戦績で制覇。九州高校大会では東福岡を2-0で破って優勝するなど、九州内で圧倒的な強さを見せており、本大会でも“隠れ優勝候補”に推す声は多い。初戦は神奈川の桐光学園だが、抽選会当日「桐光? 強いんか? いっそドン引きでもやるかな」と言ってニヤリと笑った名物監督がいる限り、少なくとも“名前負け”の心配はなさそうだ。

取材・文=川端暁彦

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