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三重の海星、選手権初出場決定 年度MVPの主将・上陰統己が1得点2アシスト

2016.11.13

海星の主将・上陰統己[写真]=吉田太郎

 11月12日、第95回全国高校サッカー選手権三重県大会決勝が三重交通Gスポーツの杜鈴鹿で行われた。海星がFW三輪翔真の3得点の活躍などによって4-2で津工に勝ち、初優勝。選手権初出場を決めた。

 表彰式で年度MVPに選出されたのは海星の主将、MF上陰統己だった。決勝戦でヒーローとなったのは三輪だったが、上陰のパフォーマンスを見れば、納得の選出。その動きはまさに“縦横無尽”と言えるものだった。津工の名手・MF東出壮太を常に視野の中に入れ、そこに入ってくるボールに狙いを定めて序盤からインターセプトを連発。相手の懐に深く入る動きと、味方との挟み込みで相手エースの自由を奪った。

東出壮太を抑え込む海星の上陰統己 [写真]=吉田太郎

東出壮太を抑え込む海星の上陰統己 [写真]=吉田太郎

 それだけではない。突破力高い津工の両翼にボールが入れば、その前に立ちふさがり、ボールを奪うと抜群のキープ力も発揮。東出も徐々に対応して連係から1タッチのラストパスを狙って会場を沸かせたが、その流れを断ち切ったのも上陰だった。前半30分、「パスミスは見逃さずに行こうと思っていた」という上陰が敵陣でインターセプト。そのままゴール方向へドリブルで運ぶと、DF2人を引きつけて左横の三輪へラストパスを通し、先制点をアシストした。

 さらに35分には、左スローインの際に前方の三輪とアイコンタクト。一本の縦パスで津工のDFをひっくり返し、独走した三輪が2点目のゴールを決めた。上陰の活躍は止まらない。津工が1点差に迫って迎えた後半34分、右サイドからの攻撃をサポートする形でボールを受けると、右足ミドルをゴールへ突き刺して勝利を決定づけた。

三輪のゴールを喜ぶ海星の選手たち [写真]=吉田太郎

三輪のゴールを喜ぶ海星の選手たち [写真]=吉田太郎

 後半含めて上陰のボール奪取の回数はダントツ。テクニカルなスタイルの津工の攻撃を中盤で食い止め、攻撃面では1得点2アシストという活躍で海星を初の全国へ導いた。「守備も、攻撃も、どこにもかかわるというテーマで1年間やってきた。テーマを突き詰めてやってきたので、ここで結果出せて良かったです」。三重MVP男が初の全国でも攻守に渡ってフル回転し、白星をもたらす。

取材・文=吉田太郎

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