2016.08.24

今年のバルセロナは長短織り交ぜたパスと、パス回しの速さに注目! U-12ワールドチャレンジを主催する浜田満氏の視点

サッカー総合情報サイト

「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ」は今年で4年目を迎える大会である。過去3大会は、いずれもスペイン勢が頂点に立った。一昨年はバルセロナが連覇を達成し、昨年はエスパニョールが優勝を飾っている。そして今年は8月25日(木)から28日(日)にかけてヴェルディグラウンドと味の素フィールド西が丘を舞台に熱戦が繰り広げられる。「今年のバルセロナは期待できる世代」。同大会を主催する株式会社Amazing Sports Lab Japan代表取締役の浜田満氏は、日本勢との対戦を誰よりも心待ちにしている。

日本のチームとバルセロナのレベル差は?

──開幕まであと1日となりました。大会主催者としての現在の心境はいかがですか。
浜田 満 1年が早いですね。過去に3回実施してきたので、この大会をすでにご存じの方や協力してくださる方も増えました。「夏といえば、この大会」という感じに浸透してきたと思います。

──初めて開催した2013年当時と比べると、どのような変化がありますか。
浜田 満 やはり最初は周りが外から見ているような印象を受けました。でも今は、「参加したい」と言ってくださるチームが着実に増えている実感がありますね。

──子供たちの間でも浸透しているような印象を受けます。
浜田 満 そうですね。意識の高い子供たちは3~4年生の頃から「いつかワールドチャレンジに出たい」と目標にしてくれています。先日、柏レイソルがJリーグの試合前に、今大会に出場する柏レイソルU-12の壮行セレモニーを実施しました。Jクラブや下部組織にとっても意義のある大会になっているのだと思います。

──それでは、一サッカーファンとしては、どのような点に注目されていますか。
浜田 満 やはり日本のチームとバルセロナを見比べて、どれくらいのレベル差があるのかを見てみたいですね。普段、日本でU-12年代の試合を見ていても、「このチームがバルセロナと試合をしたら、どれくらいやれるかな?」と想像してしまいます。ただ、本当のところは実際に試合をしてみないと分かりません。将来、バルセロナやJクラブのトップチームに行けそうな選手がいないか注目したいですね。

──2013年の第1回大会にバルセロナの一員として出場した久保建英選手は、先日、U-17W杯への出場を目指すU-16日本代表候補メンバーに選出されました。
浜田 満 久保選手と同級生で、MVPに選ばれたエリック・ガルシア・マルトレット選手は、飛び級でU-17スペイン代表に選ばれています。過去にこの大会でプレーした選手がヨーロッパでも活躍しているので、そのようなタレントを探すという意味で、とても楽しみですし、注目に値する大会だと思います。

今年のバルセロナはパス回しが速いチーム

──昨年はスペインのエスパニョールがPK戦の末に優勝しました。
浜田 満 実はチームの調子はあまり良くなかったんです。主力メンバー数名がビザの関係で来日することができませんでした。もちろんチームの総合力は高かったのですが、地元のカタルーニャでは「小粒な選手が多い」と言われている谷間の世代だったんです。

──ということはバルセロナも同様であると。
浜田 満 同じです。バルセロナの場合はFIFAルールにより、獲得した主力が5人出られなかったこともあり、日本のチームとの差が小さく感じられました。実は昨年出場したバルセロナの選手のうち、すでに8人がチームを去っています。つまり、スペインのトップクラスのチームが谷間の世代であれば、日本のチームが試合をして何とか肉薄できる、そういったレベル差なのだと思います。

──昨年は東京都 U-12が準決勝でバルセロナを破り、決勝に進出しました。
浜田 満 速くて技術のある選手が多かったですね。それぞれに個の力がありました。本来だったらバルセロナの中盤にはずば抜けた選手がいるので、日本のチームがどれだけプレスをかけてもかわされてしまいます。ところが、昨年はそこまでの選手がバルセロナの中盤にいませんでした。それに、東京都 U-12は毎年バルセロナと対戦していて、昨年が3回目だったんです。監督もしっかり対策を練っていたようで、バルセロナのボランチに対するプレスが見事にハマっていましたね。

──そのバルセロナは3位で大会を終えました。
浜田 満 今回来日するバルセロナは期待できる世代なので、とても楽しみにしています。まだ映像でしか見ていませんが、小柄だけどパス回しが速いんです。東京都 U-12と対戦するかどうかはまだ分かりませんが、日本のチームが今年のバルセロナを相手にどれだけやれるのか、すごく楽しみです。

スペイン人のスタッフが多いシティの育成組織

──リーガ・エスパニョーラやプレミアリーグはすでに開幕していますが、今回来日したバルセロナのU-12は、8月下旬をどのような時期と捉えているのでしょうか。
浜田 満 彼らにとっては、ちょうど新シーズンの開幕に向けてチーム作りをする時期なので、本気モードで今大会の試合に臨んできます。シーズンが開幕してしまうと日本まで来るのは難しくなるため、来日できるタイミングは今しかありません。バルセロナは以前、現地で1週間ぐらいかけて合宿をしていましたが、子供たちが国外で行動を共にして大会に出ることがチームを作る上で最も効果があると、クラブスタッフも考えているんです。実際に子供たちのプレーを見ていても、手を抜いている様子は全くなく、真剣な様子が伝わってくる。なぜなら彼らにとってまさに今が、チームを作る上で大事な時期だからです。

──そして、今年は欧州からもう1チーム、イングランドのマンチェスター・シティも大会に参加します。
浜田 満 3年前に来日したリヴァプールの担当者が、もともとバルセロナのカンテラに14年在籍していた方で、今はマンチェスター・シティでジョゼップ・グアルディオラ監督の下で働いています。私は彼と昔から知り合いだったこともあり、その縁で今大会への参加が決まりました。シティの育成組織にはスペイン人のスタッフが多いので、スペインとイングランドのスタイルが混ざったようなサッカーを見せてくれるかもしれませんね。

子供たちの価値観が大きく変わる大会

──日本からはJクラブ予選を勝ち抜いたチームや東京都 U-12の他に、U-12熊本県選抜も出場します。
浜田 満 今年4月に熊本で大きな地震が起こり、私も5月に益城町などへ足を運びましたが、グラウンドが避難所として使用されていたり、地面に亀裂が入っていたりと、子供たちが安心してサッカーができる場所が少なくなっていたんです。そこで、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジに出場できれば子供たちにも喜んでもらえるのではないかと思い、大会への招待を決めました。きっと彼らも楽しみにしてくれていると思います。

──また、街クラブ参加枠として、抽選の結果、東京のバディサッカークラブと福岡の田村MARSが出場することになりました。
浜田 満 街クラブ参加枠の抽選も以前に比べれば、だいぶ知られるようになりました。今回選ばれたチームの関係者や子供たちはびっくりしていると思います。両チームにとっては貴重な経験になるでしょうね。

──さらに今年は、子供たちが個人で大会に参加できるようにと、街クラブ選抜チームのセレクションも開催されました。選手たちが大和ハウスDREAMSと大和ハウスFUTURESの2チームに分かれて、バルセロナやマンチェスター・シティとエキシビジョンマッチを行います。
浜田 満 チームで大会に出ようとしても、出場できるチーム数が限られているため、どうしてもハードルが高くなってしまいます。まず、チームの監督に出場する意思があり、さらに都道府県の大会でベスト16以上の結果を残していないといけない。そこで、できるだけ多くの子供たちに門戸を開くために、今回新たにセレクションを実施したところ、約250名の子供たちが参加してくれました。本人の意識が高く、その将来性が評価されればチャンスがある、ということを今後も伝えていきたいですね。もしかするとJクラブの育成組織よりも強いチームになったかもしれません。

──8月25日(木)に大会が開幕します。子供たちにはどのようなプレーを期待していますか?
浜田 満 会場にはテレビや新聞、雑誌、ウェブのメディア関係者がたくさん来ていますし、大勢の観客も子供たちのプレーに熱い視線を注いでいます。そのような特別な雰囲気の中でバルセロナやマンチェスター・シティと対戦すれば、彼らの価値観が大きく変わるはずです。だからこそ、この晴れの舞台で緊張するのではなく、楽しんで試合に臨んでほしい。大人になると小さい頃の思い出は断片的にしか覚えていないものです。でも、今回の経験は、鮮明な思い出として子供たちの記憶に残り、将来の財産になるはずだと、私は信じています。

U-12 ジュニアサッカー ワールドチャレンジ2016 公式HP

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