2016.01.03

「ゲームコントロールには自信がある」…市立船橋が隙のない試合運びで初戦を突破

2013年までサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』で編集、記者を担当。現在はフリーランスとして活動中。

「強い」。米子北高校の選手たちが市立船橋高校と組み合って感じたのは、そんなシンプルな思いだったかもしれない。大相撲でたとえるなら、ガッチリ組み合ってじりじりと寄り切られたような、そんな試合だった。

 選手権(全国高校サッカー選手権大会)の試合がハーフコートゲームのような展開になること自体は珍しくない。米子北の城市徳之監督も、一方的に押しこまれた流れを「想定内」と強調する。狙っていたのは相手のワンミスを突いてのカウンター。「0-1でも構わないと思っていた」(城市監督)という割りきった戦い方は米子北伝統の堅守と合わさって、独特のいやらしさを持つ――はずだった。

 だが、そのワンミスが生まれない。市立船橋は落ち着いたポゼッションで左右に揺さぶりつつ、無理な仕掛けはしないでじわじわと相手を追いこんでいく。ベガルタ仙台加入内定のMF椎橋慧也を中心にしっかりリスクを管理して、カウンターの芽すら作らせない。支配しながらも点が生まれず、シュート数も増えない流れにしても「焦りは特になかった」(椎橋)。そしてCKから先取点。一瞬の隙をつかれたのは、米子北のほうだった。

 もちろん人間なのだからミスは出る。たとえば、3バックの右に入ったDF原輝綺が後半にミスでボールを失った。だが、瞬時に周りの選手が反応してボールを「回収」。ボールを支配するチームが見せがちな隙を作らない。「こちらがラインを上げれば裏に蹴ってきて下げさせられて、下がれば前で回されて……」と米子北のMF小長裕也が肩を落としたように、巧みに米子北の変化をいなしながら、時計の針を進めていった。

「今年のチームについて、ゲームをコントロールする部分には自信がある。プレミアリーグでもそれはできるようになった」と市立船橋の朝岡隆蔵監督は言う。相手の様子を洞察しながら多くの戦術的引き出しから適切な方法を選択。耐えるべき時間、攻めるべき場所といった認識をチーム全体で共有する能力も図抜けて高い。今年の市船は驚くほど大人のチームに仕上がった。加えて言えば、この日も猛威を振るったセットプレーの決定力がある。「今年はキッカーがいいので、(セットプレーで)いける」という指揮官の言葉は、他校の監督にとって何とも恐ろしげに聞こえるに違いない。

文=川端暁彦、写真=瀬藤尚美

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