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5回目の挑戦で悲願のインカレ決勝へ…流通経済大、メモリアルイヤーを前に二冠達成なるか

インカレ初制覇を狙う流通経済大 [写真]=内藤悠史

 第63回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)決勝が21日11時に味の素フィールド西が丘で開催。関西学院大学(関西第3代表)と流通経済大学(総理大臣杯優勝枠)が、ともに初優勝を懸けて激突する。

 今大会の出場24大学中、地区別最多の7チームを占めた関東勢。しかし、2回戦終了時点で早稲田大と流通経済大以外の5大学は姿を消した。準々決勝では、早稲田大(関東第4代表)が関西王者の阪南大に1-2と敗戦。関東勢最後の砦として勝ち進んだのは、リーグ戦での順位が7チーム中最低(8位)の流通経済大だった。とはいえ、決して偶然ではない。リーグ戦半ばの時点でインカレ制覇を目標に設定し、“トーナメント仕様”のチーム作りを進めてきた末の、狙い通りの決勝進出だ。

「やっとファイナルの場に立てた。何よりもうれしい。1つ歴史を刻めたと思う」と、中野雄二監督は喜びを語った。18日の準決勝、流通経済大はびわこ成蹊スポーツ大(関西第2代表)を4-0で撃破。2日前に行われた準々決勝から先発メンバー4人を入れ替えて快勝を飾った。「集中開催の大会で、力強い選手が平均的に多い。いろいろな組み合わせで取り組みながら勝ち進んできた。大会の中でチームが成長してきたと思う」と指揮官。「うまさもあるし、力強さもある。戦い方をよく考えていて、学生主体で試合をよく進めていると思う」と評されるチームは、誰が試合に出てもパフォーマンスを落とさない選手層の厚さを誇っている。事実、びわこ成蹊スポーツ大戦ではGKと4バック、そして2ボランチの後方7選手以外、4人を全て入れ替えて、大量得点を記録。中1、2日で進行する過酷な大会の中で、強みが存分に発揮されている。

 過去11年で4回のベスト4進出を果たしながら、その全てで敗れてきた。5回目の準決勝挑戦で、初の決勝進出だ。関東1部リーグを4年間で3回制覇した黄金期や、年代別日本代表やプロ入り内定選手を数多く抱えた時期にも到達できなかった舞台。中野監督は「僕の人生の中で、このタイトルは獲れないのかなという思いもあった」と“鬼門”突破の喜びを噛みしめている様子だった。現在の陣容は、数年前と比べると地味な印象は否めない。しかし指揮官は「諦めない姿勢や泥臭さ。華麗なうまさがないわけではないけど、勝つためにどの選択をすべきかを学生がよく考えている。チームのためにやるべきことをしっかりできるメンバーだと思う」と、過去のチームとはまた異なる長所を挙げている。

 決勝では関西学院大と対戦する。両者は総理大臣杯の準決勝でも顔を合わせ、0-0で突入したPK戦の末、流通経済大が勝利を収めた。「今大会では宿舎が同じで、『決勝はこのカードになるよね』と向こうの(成山一郎)監督さんと話していたんです。気持ちの良い試合をしたいと思います」と中野監督は穏やかに語る。「阪南大の須佐(徹太郎)監督からも、『今年の関西では関学が一番良いチーム』だと言われていた。そこでわざわざ関西遠征に行って試合をしたが、やっぱり強いなという印象だった。総理大臣杯でも決定機を何回も作られた。最後まで諦めないチームで、選手がバランス良く揃っている」と、指揮官は対戦相手に敬意を表している。

 様々な縁を持つ両チーム。中野監督は「どちらの良さが先に出るかで試合の形は変わるだろうが、いずれにせよ力を全部出し切っていきたい。ぜひ欲しいタイトル。多くの選手が巣立っていったが、今までは獲れずにいた。多くのOBに『後輩が獲ったぞ』という報告をしたい」と抱負を語った。準決勝で4得点を挙げ、好調をアピールした面々。準決勝を“回避”したことで、より良い状態で決勝に臨める選手。「前日練習で身体がよく動いている選手を使っているだけ。特に温存しているというようなことではない」中、ポジション争いも激化するに違いない。指揮官はうれしい悲鳴を上げることになるだろう。決勝のピッチに立つのは誰か、楽しみにしたいところだ。

 流通経済大は2015年で創立50周年を迎える。「来年を最も良い状態にするということでチームを作ってきた。昨年は一冠(総理大臣杯)、今年は次の決勝で勝てれば二冠。そして来年はリーグ戦も含めた三冠を獲りたい。そういう計画をしっかりやってきた。まだ決勝は残っているが、順調に仕上がってきたと思う」と中野監督は胸を張る。メモリアルイヤーを前に、インカレ初制覇を成し遂げることができるだろうか。

(取材・文=内藤悠史)

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