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首位順天堂大、終了間際の劇弾で3連勝も無欲「勝たなくていい」/関東大学リーグ

前半39分に先制点を決めた順天堂大MF室伏航(左) [写真]=平柳麻衣

 関東大学1部リーグ第14節が20日、21日に各地で開催。味の素フィールド西が丘で行われた21日の第2試合では、順天堂大学と流通経済大学が対戦した。

 前節、3位の慶應義塾大を1―0で破り、専修大を抜いて7節以来の首位に立った順天堂大。対する流通経済大は、夏の総理大臣杯こそ連覇を遂げたものの、リーグ戦では4勝2分け7敗で8位に位置し、なかなか上位浮上のきっかけをつかめずにいる。結果は、終了間際に劇的な決勝点を奪った順天堂大が3―2で勝利。首位の貫録を示した。

 試合後、順天堂大の吉村雅文監督は「首位チームって呼ばれるのは良い響きですね」と上機嫌で切り出したものの、その後次々と口を衝いて出たのは「負けてもいい」、「引き分け狙いの選手交代」という無欲な言葉の数々だった。部員数はリーグ最少の52人で、他校のように高校時代から名を馳せたタレント選手が数多くいるわけでもない。そんなチームに吉村監督が課したのは、タイトル獲得やプライドの保持ではなく、チームコンセプトの追求だ。前節で久々の首位に立ち、浮足立つ選手たちを「0―1で負けてもいいから、コンセプトを全うしてこい」と、ピッチに送り出した。

 吉村監督が話すチームコンセプトとは、洗練されたカウンターサッカー。攻撃面での決まり事はなく、前線と中盤の6選手を中心とした自主性に任せている。しかし、ポジショニングやボールの奪いどころなど、守備への拘りは強く、「相手コートでボールを奪ってシュートまで持ち込む場面を多く作り、得点に結びつける」のが順天堂大の目指すスタイルだ。

 しかし今節の試合は、チームコンセプトとは対照的な試合運びだった。1―1で迎えた61分、順天堂大MF長谷川竜也(3年・静岡学園高校出身)が浮き球のボールに抜け出し、GKとの一対一を制して勝ち越す。直後の64分、今度は流通経済大のMF中村慶太(3年・流通経済大学付属柏高校出身)が再び同点ゴールを決め、試合を振り出しに戻す。追いついたことで勢いに乗り、さらに前掛かりになる流通経済大の猛攻を堪え凌ぐ順天堂大。決着がついたのは、後半アディショナルタイムだった。

 吉村監督が「引き分け狙い」で同時投入したFW小島凌(2年・正智深谷高校出身)とMF毛利駿也(1年・山梨学院大学附属高校出身)が結果を残す。「先生(吉村監督)からは『絶対に2―2で帰ってこい』と言われたが、(小島と)2人でラッキーボーイになろうと話していた」という毛利が値千金の決勝ゴール。順天堂大が接戦をものにした。

 長年、大学サッカー部を指導してきた吉村監督だからこそ、勝利は強く望まない代わりに、戦術の徹底には並々ならぬ拘りを持つ。「2失点もしたら絶対にだめ。1失点目の修正ができなかった証」と、強く指摘した。選手たちも監督の言葉を理解しており、主将の大畑拓也(4年・ジュビロ磐田出身)は「負けるつもりはなかったが、自分たちのサッカーができなかったので全然だめ」と反省を口にした。

 主力の数人を負傷や教育実習による離脱で欠きながらも、勝ち点3を積み上げた順天堂大。今節、2位の専修大が敗れたため、勝ち点4差まで広がった。残り試合が少なくなるにつれ優勝争いは過熱していくが、目指すべき明確なコンセプトを見据えた順天堂大のサッカーは、首位に立つプレッシャーにも揺らぐことはない。

 関東大学1部リーグ第14節の結果および順位表は以下のとおり。同リーグは2回戦総当たり方式で開催され、後期日程は11月16日まで行われる。

慶應義塾大2-2筑波大
早稲田大1-0国士舘大
駒澤大3-2東京国際大
明治大2-1中央大
順天堂大3-2流通経済大
専修大0-1桐蔭横浜大
 
1位:順天堂大学(勝ち点33/得失点差+16)
2位:専修大学(勝ち点29/得失点差+18)
3位:早稲田大学(勝ち点28/得失点差+8)
4位:明治大学(勝ち点27/得失点差+9)
5位:慶應義塾大学(勝ち点25/得失点差+7)
6位:国士舘大学(勝ち点22/得失点差+2)
7位:駒澤大学(勝ち点20/得失点差-6)
8位:流通経済大学(勝ち点14/得失点差-7)
9位:桐蔭横浜大学(勝ち点13/得失点差-13)
10位:東京国際大学(勝ち点10/得失点差-8)
11位:中央大学(勝ち点8/得失点差-11)
12位:筑波大学(勝ち点6/得失点差-15)

文=平柳麻衣

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